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その時…
「そうだ!!」
目が合っていたナミが突然発言した。
生徒たちは注目している。
「あのさ、飼い主見つかるまで学校で預かるってのはどうかな??」
ちょっとーー!!!
何言ってくれちゃってんの〜〜♪
飼い主なんていないしぃ〜〜!!!
上手く行けば居座れるんぢゃん!!!!
他の生徒たちもなるほどという表情で発言し出した。
「そっか〜!!預かってますって張り紙とかして〜〜!」
「うんうん、給食だって余るんだし、それもらってこの子のゴハンにしたら良いしね!!」
生徒たちは賛成〜〜!とばかりに騒ぎ出した。
「お〜〜い、コラコラ勝手に決めるな〜!!」
松崎先生はどうやら反対のようだ。
ですよね……
そんな世の中甘くないですよ……
しかし生徒たちも引かなかった。
「えーー!!先生冷たい!!!!」
「この子が可愛そう!!!!」
松崎先生は可愛い生徒たちに言われ、参ったなとばかりに頭をかいた。
「いや〜な!!お前たちがちゃんと責任もってやれるなら、先生は文句はないが……学校の許可がいるだろう?」
「じゃぁ、俺たち校長先生にお願いしに行くぜ!!」
生徒たちは自分も!私も!と次々に手を上げた。
子供の純粋な想いほどステキなものはない。
たった4年前の自分たちなのに、こういう想いはいつの間にか忘れてしまうものだ。
「でもなぁ……そんなすぐには勝手な事出来ないだろう。今こうしてる間にも飼い主さんは探してるかもしれないしな。一度外に放してみたほうが良いんじゃないか?」
先生っ!!!折れろ!!!!!
「え〜〜、でも、またこの子戻ってきそうな気がする……」
生徒たちっ!!!頑張れ!!!!!
「もしここで、外に放して事故にでも逢ったら心配だよ…」
心配まで……(泣)
「お前たち、本当に世話できるのか??突発的に決めて3日坊主……なんていい加減な事では駄目なんだぞ?」
先生!!!大丈夫だよ!!私明日の夜にはかえるから!!
「世話はちゃんと当番決めて、毎日皆でやります!!!」
先生は腕を組んで生徒たちの目をじっと見つめた。
全員の目を見た後、強く首を縦に振った。
「よし!分った!!先生が校長先生に話してみる!!お前たちには負けたよ」
生徒たちは飛び跳ねて喜んだ。
皆、たかが私の一個のワガママの為に…
いや違う、「私」のためなんぢゃなくって、この子達は、迷い込んだ動物をも温かく迎えてくれて、その出会いを大事にしようとしてるんだ。
この頃って、そう言う純粋さを一杯持ってたんだなぁ……
大人になるにつれて忘れちゃう気持ち……
私自身さえも、あんな発言をしたナミにちょっとビックリさせられた……
今の私には、あんな事言えないと思う。
教えられたな……
でも、この時に出来なかった事があるんだ。
今度はそれを、私が教える番だ!!!
覚悟しろや〜〜〜!!!!
ナミィ!!!!!
目から炎を吹き出す勢いで私はナミを見た。
「ちょ、なんかすっごい私睨まれてない…??」
「え〜、ナミの提案がこの子を救ったんだもん!感謝の眼差しでしょ!」
「そ……そうかなぁ…あは」