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「………」
見上げた先に思わず白目を向いた。
完全に門は閉ざされていたのだ。
冷たい風が吹いた気がした……
しかし、今の私はアヒル!!!!
そうだ!!この体なら、この門の隙間から…
あっさり入れた。
さーーーて!!!今度こそ見つからないように…と、静かに潜入した。
ナミ、そして堀内を探さなくては。
その時なにやら良い匂いが漂ってきた。
その匂いにつられて一歩一歩足を進めた。
そしてたどり着いたのは給食室だった。
外の換気口から給食のいい匂いがする。
ぎゅるるるるるる……
はぁお腹空いたぁ〜〜〜。
ヨダレを垂らしながらしばし匂いに浸っていると人の声が近づいてきた。
私はハッとし、隠れた。
現れたのは白衣を着た生徒たち。
どうやらもう給食の時間のようだ。
今日の給食はなんだろう。
ココの給食は凄く美味しく、卒業後はしばし給食が恋しくなったもんだ。
あぁぁああぁ、いいなぁ〜〜〜もう一回食べたいいぃ……
生徒たちが運び終わり誰もいなくなったのを見計らって、私は三年生の教室へ向かった。
階段を駆け上がり、ナミそして堀内がいる3年5組へ……
戸の隙間からこっそり中を覗くと……
「あーーー!またアヒルだ〜〜!!!」
速攻で見つかった……
「グゥワァ!!!!」
だぁあぁもう!!いちいち騒ぐなよっ!!!
って言うか私が目立つんかいっ!!!!
「おっ、なんだ〜戻ってきちゃったのか〜」
松崎先生にも見つかった。
さすがに教室の前にアヒルがいるのはマズイ……
これが人間だったら不法侵入で捕まってる……
ちくしょ〜〜う!!また戻されるのか……!!