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“サブリミナルメッセージ”

吉澤よしざわ 悠斗ゆうと

・大学一年生。

飯島いいじま 隼人はやと

・大学一年生。

 俺は飯島隼人。


ただいま、一人で夕飯の買い物中。


「はぁ……」


 最近悩みというほどではない悩みを抱えている。


……我ながら何が言いたいんだろ。


「どうした、隼人?」


「わぁっ!? ……ゆ、悠斗か。いきなり現れんな」


 こいつは、どこにでもいる吉澤悠斗。


いきなり現れることで有名になりそうな奴だ。


「そんなつもりはないんだけどなぁ。ため息3回もしてたから話かけたんだよ?」


「いや、なら逆に遅すぎだろ」


 こいつは、気配をなくせる吉澤悠斗。


家系は皆、忍者かもしれなくもないと噂の奴だ。


「そうだね。それで、まさかホントに3回もため息を連打してたの?」


「そっち? てか、やっぱりいきなり現れたのか!?」


「冗談だよ。まじめな話、悩みでもあるの?」


 こいつは、読めない男の吉ざ――あ、しつこい?


「悩みってほどでもないが、弟がなかなか言うことを聞かなくてな」


 隠すほどでもないので話すことにしながら、じゃがいもをかごに入れる。


「確か、隼人は弟とラブラブの同居生活なんだよね?」


「そうそう、って違うから」


「……残念だね」


「なぜ、同意を求める? 飯を食べた後、自分で食器を片さなかったり、電気は消し忘れたりとだらしなくて困ってるんだよ」


 本日の必須アイテムのカレールーはどこだっけかな。


「主婦かっていう突っ込みは飲み込んで……。そういう時、弟にはなんて言ってる?」


「なんてって、……えっと。

いいか? 食器を自分で片すのは常識中の常識なんだぞ。片さないってことは、誰かが変わりに片さなきゃいけなくなるってことなんだよ。そういう他人に対する配慮ってなんだって大切だろ? そもそも、自分のことは自分でだなぁ――」


「分かった、分かったからもういいよ」


なんか、思い出したらいつものように熱が入ってしまった。


「俺だったら、そんな言い方しないなぁ」


「じゃあ、なんていうんだよ?」


 カレールーを発見。


「『今度は、自分で片せよ』……かな」


「は? それだけ?」


「うん、それだけ。

くどくど説教するよりも、10秒ぐらいでさっと終わりにした方が弟も聞くと思うよ?

校長先生の長い話を聞いてうんざりしたこととかあると思うけど、長ったらしい話を聞かされるのってすごく疲れるし、だんだん聞かなくなって結局なにいってたかほとんど覚えなかったり。

聞いてもらいたいのなら、『話を短く、さっとまとめること』が大切だよ」


「確かに……。聞いてるけど聞いてない、みたいになったら意味ないからなぁ」


 大体値段同じのカレールーが二つ……、こっちかな。


「そうだよ。“サブリミナルメッセージ”って知ってる? できるだけ短く提示した方が効果的なんだけど」


「聞いたことないな」


 夕飯に必要なのは全部そろったな。


「身近で応用しているものがあるよ? 例えば、隼人にそのカレールーを買うように暗示したりとかね」


 なに、俺が操られているっていうのか……?


「分かった。暗示って、CMのことか」


「そういうこと。あまり気にして見てないけど同じ商品があると、ついCMの商品に手が伸びたりする。っていうのはサブリミナルメッセージを効果だよ」


「へぇー……。難しいことはよく分からんけど、取り合えず弟には、短く的確にっ! 注意してみることにするよ」


 軽い気持ち相談したんだけど、ずいぶんと丁寧にアドバイスされてしまった。


この申し訳なさは何だろう。


「ちょっと根気がいると思うけど、頑張ってみて。それじゃ、またね」


「あぁ、またな。なんかありがと」


 ……根気がいるのか?


まぁ、いちいち熱くなっててもしょうがないし、しばらく試してみるかな。

 初めての作品は“サブリミナルメッセージ”。


サブリミナル効果と書いてある本もあり、有名な話があります。


 アメリカでの話です。


映画の映像にほんの一瞬だけ、「コーラを飲みなさい」をいう文章を流しました。


すると、見ていたお客さんがコーラを飲みたくなったというのです。


 このような現象のことを“サブリミナルメッセージ”といいます。


本文にも書きましたが、出来るだけ短く提示することが効果的です。


 弟さんも一回言われても、すぐは直らないかもしれません。


ですが、毎回一言だけ言い続けることで変わってくるはずです。


食事が終わった後に、ふと兄の言葉が頭によぎるようになります。


「……片すか」と自発で思うようになるのではないでしょうか。

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