第5話 私の武器!爆誕!
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強力な武器はそれ相応に強力な魔物の素材から作られる。そして強力な魔物を倒すためにはそれ相応に強力な武器がいる。
あれ?強力な武器を作るための素材を集めるために強力な武器が必要で...あれ?ダメじゃん!なにこれモ〇ハン?古龍の三すくみじゃないんだからさぁ!!
しかしあれこれ文句を言っても仕方ないため、私はなんとか打開策を出そうとスキルで今作れそうな武器を探すことにした。
「武器を作るにしても近遠距離武器じゃないとだめだよなぁ、私まだか弱いし...それでいてそれなりに強力な武器となると...やっぱ銃だよね!」
ページをスクロールして銃の欄を一つずつ見ていく。かっこいいデザインのもあるけど...
「これはダメ...これは今は作れない...」
素材の問題で作れないものが多い!やっぱり私にはムリ...?
あきらめずにスクロールし続けると、良さそうなのが見つかった。
「あった!これなら作れる!しかもちゃんと強そう!」
それは火縄銃をちょっと無骨にしたようなものだった。悪くない、悪くはないんだけど本当はもっとかっこよくて私の癖に刺さる武器が作りたかった!せっかくの異世界なのに!私の前世みたい!何もうまくいかない...
私の実力がまだまだ作れるほど向上していないからしばらくの間は無理そうだし...ちくせう。
じゃあスキルレベルを上げればいいじゃんと思いもしたけどそこに至るには結局魔物の素材が必要なのでやっぱり無理らしい。世界はどこまでも厳しいんじゃないか?許せねぇよなぁおい!
まぁ文句を言っても仕方ないのであきらめて素材を集めよう!
「えーっと必要なのは、鉄と木材...それと発射するための火薬に硫黄か。木炭は木材が手に入るなら簡単に錬金できるしそれだけだね!よし!」
気持ちをおとなしく切り替えて、まずは鉄と木材、それと硫黄を手に入れるため私は町の商館へと向かった。
商館は昨日行った広場の奥側にあった。大きくて看板も立っていたためすぐに気づくことができたのはいいんだけどこんなに大きくて目立つのに見逃してたって私どれだけ浮かれてたの...
初めて入った商館の中は、ライトノベルで見るような、良くも悪くもテンプレートなそれで、明るい世界に縁のない私はちょっと後ずさり、でも目的のためだ!とつげきー!!
「あ、あのぉ」
誰も反応してくれない。あれ、聞こえてない?え、私声出したよね?
ふり絞った勇気がどんどんしぼんでいくのを感じるけど涙は我慢だ私!泣くなら夜家のベッドでやればいいんだから!
心の中で涙を流しながらもう一度話しかける。
「あのぉ!すいません!」
「ん?ああごめんよ!忙しくて聞こえてなかった!」
気のよさそうなおじさんが私の対応をしてくれるみたいだ。これで怖い人が出てきてたら私の人生終わってたかもだから本当に良かった。
って、そんなこと考えてる場合じゃないんだから!買いたいもの伝えないと!
「えっと、その鉄のインゴッドを二つ、あと木材を...それで硫黄も二袋分ください!」
「えーっと、なんに使うのかな?いやね、疑ってるわけじゃないけど君みたいな小さい子が何に使うのかおじさん気になってね」
全然想像していなかった死角から攻撃が来た。そうじゃん、偽の用途とか何も考えてなかった!えーっと、えーっと何かそれっぽいの!あ、そうだ!
「あ、私錬金術師を目指してて...で、コップとかフライパンを作る練習してるんですよー...あはは」
これイケる!?ムリじゃない!?頼む!通ってくれ!!
「ああそうなの!若いのにすごいねぇ!おじさん応援したくなっちゃうなぁ」
「よし!偉い子特典でちょっとまけてあげちゃう!」
よっしゃー!勝った!私の見た目の良さとおじさんの人の良さがあったおかげで疑われなかった!かわいい見た目最強!
「はい!ありがとうございます!」
何とか成し遂げたことでアドレナリンが湧いた私は自分でも驚くほどの力を出して重たい荷物を自分の家まで運び込み、とうとう火縄銃を作る時間がやってきた!
「よーしやるぞ!スキル【開発】発動!」
あらかじめ作るものリストに入れておいたおかげでスムーズに探し出すことができた。
「あとは...選んで終わり!あっけない!素材集めはあんなに大変だったのに!」
スキルの力で鉄のインゴットと木材の形が変化して火縄銃が出来上がっていく。
その間暇だったので、私は木炭を作ることにした。
「えっと、普通に燃やせばいいんだっけ?」
不安になったのでスキルで一応作り方を調べると、酸素の少ない状態で燃やす必要があるらしいので庭に穴を掘ってそこに埋めて燃やす方法を選んだ。
銃本体はもう少しで出来上がりそうだけど火薬を作るのはまだまだかかりそうなので今日はトレーニングをやってもう寝ることにした。
自分が思っていたよりも順調に物事が進んでいて少し怖いが多分大丈夫!
トレーニング後の心地よい疲労に身を任せ私は眠りについた。