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第41話 家族

 朝が来る、いつもの時間、いつものように目が覚める。

 ただ一つ違うのは、目の前に広がる景色がいつものソフィーの寝顔じゃなくて、ステラのもの。すやすやと眠っている姿は穏やかで可愛らしい天使のよう、悲しい過去があったなど到底信じられそうにない。

 この平穏を、この子の起きている時にも与えてあげるために頑張るんだ。そんなことを考えているとステラの眼が覚め、眠たそうに眼をこすりながら私に話しかける。


「ん......?お母さん、もう起きたの?」


「そうだよ、ステラちゃんの寝顔がかわいくてつい眺めちゃった」


 私がそう言うと恥ずかしそうに枕で顔を隠してもごもごしはじめる。


「恥ずかしくなっちゃった?」


「うん、でも嬉しいよ」


 ならよかった、さて目も覚めたことだし朝ご飯にしよう。今日は卵サンドだ。


「私ご飯の用意するから、ステラちゃんはソフィーを起こしてくれる?」


「うんわかった!」


 私がキッチンで準備をしていると、元気なステラに相対してものすごい眠たそうなソフィーがやってきた。

 ソフィーの髪の毛がぼさぼさなところを見るにおそらく整える暇すらなくここに連れてこられたのだろう。ねぎらいもかねて後で私が梳いてセットしてあげよう。


「さ、二人とも座って。もうできたから」


「はーい!」


 完成したのでお皿に盛り付け持っていく。

 机には楽しそうに座っているステラと、新聞をもって読んでいるソフィーがいた。


「あはは!ソフィーどうしたのその新聞!」


「どうしたのって、ノルンがお母さんやるなら私はお父さんってことでしょう?世の父親ってこんな感じじゃないの?物語で読んだのだけど」


 いや、それにしたって朝食の席で新聞広げて読んでるって、昭和!異世界なのに昭和だよここだけ!!

 あんまりにもおかしくってつい大爆笑してしまう。ソフィーが少し機嫌を悪そうにしているのですぐやめた。


「ごめんって、ソフィーなりに真面目にやろうとしてくれたのはわかるよ、ありがとうね」


「まぁ、いいわ。許してあげる。それに私も流石にこれは変だと思ってたもの」


「ソフィーひどいよ!?」


 ステラとソフィーがそれを聞いて笑う。楽しいなら何よりだけどなんだか複雑!

 ソフィーがあれを真面目にやったと思って申し訳なく思ってたのに!


「ま、これでおあいこね。さ、ご飯の続きするわよ」


「なんだか面白そうなことになってたんだね」


 私たちがコントのようなものを結果的にやっていると、アーサーとエルがやってきた。

 二人とも朝食を食べにきたのだろう。


「卵サンドが余ってるんだけど二人とも食べる?」


「ああ、お願いするよ。ついでにミルクももらえるかな」「私もそれでー!」


「オッケー、すぐ持ってくるからー」


 一分もしないうちに二人の目の前にも朝食が並ぶ、いただきますの後夢中で卵サンドを食べている。


「どう、美味しい?」


「うんサイコー!」「これ美味しいね、毎日食べたいくらいだよ」


 二人とも気に入ってくれたみたいでよかった。

 こんなに喜んでくれるなら、毎日作ってあげたいな。


「提案なんだけど」


「んっ、なんだい?」


 卵サンドを頬張っていたアーサーが急いで飲み込んで、飲み込もうとしたけど喉に詰まったので牛乳で流し込んだ。

 聞いてくれるのは嬉しいけどそんなに焦らないでもよかったんだけどな。


「よければ私がみんなの分のご飯を作りたいなって。喜んでもらうの好きだし」


「逆に聞くんだけど、いいのかい?」


「私はさんせー!こんなに美味しいなら毎日のご飯が楽しみになるし!」


「お母さんのご飯毎日食べたい……」


 どうやら三人とも賛成はしてくれるみたいだけど、アーサーだけは「本当にいいのかな」という顔をしている。


「何か気になることでもあった?アーサー」


「ちょっとだけね、ソフィー!君は本当にいいのかい?」


 唐突にソフィーに話が振られる。

 

「別にいいわよ、ノルンが褒められるのは私が褒められるみたいなものなんだから、全然気にしてないわ」

「ただ、私が寂しくなるようなことはなしよ、ノルン」


「うん、そんなこと絶対にさせないから!」


 みんなの喜ぶ顔も見たいけど、ソフィーが一番大切だから、間違えないようにしなきゃ。


「じゃあこれからはソフィーがご飯係だ!よろしくお願いするよ!」


 こうして私はご飯係という立場を手に入れた。みんなのために頑張ろう!

 その後はご飯の時間は悠々と進んでいき、みんなが食べ終わった。


「ソフィーたちは今日はなにを?」


「今日は素材集めのために市場に行こうと思ってるわ」


「ついでに外食もするから、ご飯が仮に決まってすぐで申し訳ないけど今日の昼食は任せていい?」


「ああ、昼食は大抵時間が合わないからみんな外食するし大丈夫だよ。そっかそっか、じゃあ僕は部屋で研究の続きをしようかな」


「私もそうしよーっと」


 そうして予定の話し合いも終わったところで私たちは解散した。

 錬金術の素材もそうだけど、ステラと楽しく遊べるよう多めにお金を持って行かなきゃ。

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