第23話 久しぶりの我が家
ソフィーと一緒に久しぶりに我が家に帰ってきた、フラメルを見せるためだ。
「それで、これがその最新機なのね、本当?錬金釜こんな機械めいたものじゃなかったと思うけど」
「私もそう思ったけど、見てほら」
私はフラメルの底面を見せる。
そこには「第九十八試作機フラメル」という文字が刻まれていた。丁寧に印までついているので誰でも帝国のものとわかる。
「どうやら本物みたいね」
「それでね、このアイテムを使えるようにするためには魔物の素材が必要なの」
「だから狩りを......でもどうして必要な素材がわかったのかしら。国家錬金術師でもわからないようなものを、ノルンにわかるとは思えないの」
さてどう答えるか、事実を言うのは簡単だ。ソフィーなら絶対にほかの人にばらさないというのも確信できる。だけど例外はあり得る、例えば自白剤を使われる可能性や、どこかで見られる可能性。
ばれたら私は目標通り国家錬金術師に仲間入りすることはできるだろう。ただソフィーが入れる保証がない。だからこそ、スキルの存在をばらさず、二人の成果にする必要があるのだ。
「これは誰にも言っちゃダメなんだけど、死んだ私のお父さんが最後までこれの研究をしてて、あと一歩までいったけど死んじゃって、私しかそれを知る人はいないの」
「お父さんを......この家を見た時点でなんとなく察してたけど、貴女もそうだったのね、ノルン」
「うん、お父さんのためにも、何より私たちのためにも絶対に成功させようね」
よし、これで自然な流れを作れた。
あとは集めたアイテムを使ってこいつを起動させるだけだ。
「じゃあさっそくかかりましょう。どうすればいいの」
「うん、集めた魔物の素材と、非生物素材を集めたいの」
「それでうまくやれば、魔物でも生物でもない、その中間の物質が作れるって、お父さんが言ってた」
「まってソフィー、まさか根源物質の生成に挑戦する気なの?」
ソフィーが驚いた表情をする。
当然だ。今の時代では根源物質は仮定でしか存在しないことになっている。錬金できるようになるのも数千年は後のことだ。
だが今ここでその数千年を進める。私たちが生き残るために。
「うん、絶対に成し遂げて見せる」
「根源物質よ!?確かに存在するのは間違いないわ、過去の遺物からもその存在は記されていたのも知っている。でもこの世にある時点でどちらかの性質は持つのが当たり前!絶対に無理よ!」
「それでも、私を信じて!きっとあるんだよ、根源物質を生成する方法が!どんな組み合わせならできるのかもわからない、でもきっとできるはずなの!」
ソフィーが複雑そうな顔で私を見つめる。
きっといろいろ考えているに違いない、でも私の知っているソフィーなら、この世界で一番の錬金術師を目指すソフィーならきっと乗ってくれる。
「......正直に言うと、私は無理だと思うわ。無理なことにわざわざ魔物の素材を使うのも勿体ないし」
ソフィーは絡まる不安を断ち切り、立ち上がって私の方へ指をさす。
決意を固めたようだ、その目には強い意志が宿っている。
「だからこそ面白いわ!やってやりましょう!私たちの未来のために!」
「ソフィー、信じてくれるんだね!」
「当たり前よ!さ、そうと決まったらさっそく素材集めを再開するわよ!」
私たちは、根源物質に最も近い物質、原初の泥づくりへ向けて、アイテム集めを始めた!
うまくいかないこともあるだろうけど、きっと成し遂げてみせるんだから!




