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第10話 休息!そして明日はデート!?

木を降りて、私たちは撃ち殺したゴブリンのところへ向かう。

移動すること十分、ゴブリンの死体にたどり着いたので、素材集めを始めることにした。


「素材の回収は私がやるから、ソフィーは休めそうな場所探しててくれる?」


「いいわよ、でも大丈夫なの?」

「私だって覚悟はしているわよ」


「うん、ソフィーならきっと大丈夫なんだろうね、でもね、私はソフィーにはきれいでいてほしいな。だから、私がやる」


「そう、そこまで言うなら任せるわ。あっちの方に進んでるからなるべく早くきなさいね?」

「無理は、しないでよ?」


「うん」と返事だけをしてソフィーが行く。私のことをずっと心配そうに振り返っては見てくるソフィーを、私は見えなくなるまで見ていた。


ゴブリンの素材を剥ぐのを自分でやるといったのは、ソフィーが綺麗であってほしかったというのは本当だ、でもそれ以上にスキルのことを知られたくなかった。

ソフィーは強くて、才能が有って、自分の力だけで進んでいっている。それに比べて私は、スキルの力で楽をしている。ソフィーはきっと「それも含めてあなたの実力よ」って言ってくれるんだろうけど、知られてしまったら、きっと私はソフィーの隣に立てなくなる。

だから、いやソフィーにだけはこれを明かせない。許してほしい、ソフィーの強さに頼れない私を。


「スキル発動」


スキルの画面を開いて昨日のように解体している間、ゴブリンの墓を建てる。

この世界に対してあまりにもちっぽけな墓だけど、ないよりはマシだと思うから。私が覚えているから。


「ごめんなさい」


「ありがとう」


「許してね」


何度も魔物だからと割り切ろうとしたけど、目の前にある死体は私を現実に引き戻させて逃そうとしない。この弱肉強食を受け入れられる性格だったらよかったけど、私にはムリみたいだ。でも目標があるから、やめようとは思わない。

本当にソフィーがいてくれてよかった。私の光、私だけの救い。ソフィーがいてくれたらこの辛さも乗り越えられる。


「よし、そろそろソフィーの方に向かわなきゃ」


歩いて行った方向を行くこと数分、地面にシートを敷いて待っているソフィーがいた。昼食の用意は完璧にできているらしく、お茶などが並んでいた。


「早いわね、素材の剥ぎ取りってそんなに早いものなの」


「うん、昨日より小さい個体だったから...結構早かったよ」


「そう、なのね。小さい...」


ソフィーが座っている隣に私も座る。

バックパックから弁当を取り出して二人で一緒に食べる。


「ん、おいしいわねこれ。あなたが作ったの?」


「うん、そうだけど。味濃くない?大丈夫?」


「まぁ確かに濃いといえば濃いけど、今日みたいな日にはちょうどいいわね」


「ならよかった」


ソフィーはよほどおいしかったのか私の作ったサンドイッチを一つ、また一つと食べ進めていく。おいしいみたいでよかった。ソフィーが喜んで食べてくれるだけで救われる気がするなぁ。


「今日はいい天気ね」


「そうだね、とても、いい天気」


「...気分は、大丈夫?」


「うーん、大丈夫だよ。とは言えないかな」

「ソフィーがいてくれたから今はいつも通りみたいにいれるけど、それでも死体を目の前にすると思うことはあるし、つらいかも」


「そう、よね」


ソフィーが私の隣でうつむいている。何か考えてくれているのだろう、私のために。それだけで私は救われるのに、ソフィーは本当に優しいなぁ。


そんなことを考えていると唐突にソフィーが立ち上がり私が想像もしていなかった提案をする。


「ノルン!やっぱりあなただけじゃだめ、私もやるわ!」

「最初はノルンが狩って私が装備を作る、その予定でしたけど!一緒に背負うって約束したもの!私だってやってやるわ!」


「ソフィー、だめだよ!ソフィーはそんなことしなくていいんだよ...?」


「ええ、ノルンがそういうのもわかってるわ、でもね、それじゃダメ。それじゃあなたが先につぶれてしまうから」

「一心同体、言ったでしょう?」


「でも...」


嫌だ。ソフィーの美しい体に傷が入るかもしれないし、なにより完璧なソフィーが傷つく可能性が増えるなんて!痛みも辛さも悲しさも、全部私が受け止めれるのに!


「嫌だよ、そんなの。わたしだけでいいよ」


「ノルンは優しいから、そう言うと思っていたわ」

「でもノルン、つらいのは私もなのよ。ノルンが私を思うように、私もノルンのことを思っている。それ以上に大切なものがないほどにね」


「でも!」


「それに、私の強さはノルンが一番よく知っているものでしょう?」

「だから信じて、ノルンが信じる私を」


ソフィーが私の手をつかんで真正面から告げる。

ずるいよそんなの、ソフィーにそんなこと言われたら断れるわけないじゃん。


「ずるいよ、ソフィー」


「ええ、ずるくて結構よ。だって私はソフィーリア!世界で一番偉大な錬金術師になる女なのだから!」


「さ、そうと決まったら明日は装備を作らないといけないわね」


「あ、いい鉄を変える場所知ってますよ」


「そうなの?じゃあ明日は買い物デートとしゃれこむわよ!楽しみね!」


「デ、デート!?そんな、いいんですか!?」


「え、ええ?いいわよ?」


「じゃあ買い物が終わった後一緒に買い食いとかしても!?」


「ええ、それもいいわね、買い終わったら一緒にご飯でも食べましょうか」


私は明日のデートの約束をした後荷物を片付け、一緒に談笑したり明日のことを話しながらそれぞれの家へと帰っていった。

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