第9話 二人で狩る!私たちは最強!
いっぱいソフィーの胸元で泣いて、すっきりして、寝て、次の日になった。
昨日まで沈んでいた私だけど、ソフィーのおかげで大回復!
朝の心地いい日差しで目を覚ます、今日はソフィーと初めての狩りをする日だ!
「あっ、もう時間!急がないと!」
バックパックに昨日までに作っておいたお弁当と、昨日と同じように武器をしまう。
けど昨日と違って、今日はお弁当は二人分だ。わたしと、ソフィーのぶん。喜んでくれるといいなぁ。
家から飛び出して門を飛び出て森へと向かう。
ソフィーと待ち合わせの森の入口へ、ぐんぐんとすすんでいくと、木漏れ日に照らされ、まるで天使のように輝いているソフィーが立っていた。はぁ~、今日もきれいだな...
「ソフィー!」
「ノルン!もう来るなんて、早いのね!」
声をかけるとノルンが私に気づいて返事をしてくれる。
朝からノルンの笑顔が見れるとか前々世で世界でも救ったのか!?あまりにも役得すぎるだろ!
「そんなこと言って、ソフィーの方がよっぽど早いじゃん!」
ソフィーがそのことを指摘されて少し頬を赤らめる。
「...楽しみだったから、初めての友達だし」
「そふぃぃぃ!!」
感動のあまりソフィーを抱きしめちゃう。そうなんだね、私が初めての友達なんだね!
ソフィーは恥ずかしそうだったけど、でも嬉しそうにしていた。
「もう!恥ずかしいわよ!さっさと行くわよ!」
無理やりはがされた。もっと抱きしめたかったのになぁ...
「もっと抱きしめたかったなぁ」
「はいはい、終わったらやってもいいから、とりあえず行くわよ」
「はーい!」
言質取ったり!これが終わったらたっぷり堪能してやるんだからね!
道中は談笑しつつ周りも警戒して、森の中央あたりまでやってきた。
「そろそろゴブリンとかが出てくる頃合いね、ノルン、銃を出しなさい」
ソフィーはこの森についてだいぶ調べていたらしく、私の知らないことをいろいろと教えてくれた。例えば、どのあたりで魔物がでるのか、とかどんな魔物が出るのか、とか。
ソフィー曰くゴブリン以外にも狼型のモンスターのウェアウルフだとか、運が悪いとドラゴンの幼体に出会うこともあるらしい。もしどんな魔物が出ても私がソフィーを守らないとね!
というわけで銃を取り出し終わったあと木の上に登る。
ソフィーはそれほど運動が得意というわけではないので、木登りは私が補助した。初めての木登りで不安なのか「絶対に離さないでよ!?」ってなってるソフィーは可愛かった。天使かな?天使だね。
「はぁ、はぁ、あぁ疲れた。意外と木登りって難しいのね」
「ソフィーもなれたらすぐ登れるようになるよぉ」
「ええ、私だもの。次までには登れるようになって見せるわ」
とりあえず魔物を探すべく木の上から周りを見渡していたが今日はなかなか見当たらない。
昨日はすぐ見つかったんだけどな。ま、そんな日もあるよね。
そんな感じにしていたら、ソフィーが私に何か筒のようなものを手渡してきた。なんだろうこれ。
「ノルン、これを使いなさい」
「ソフィー、これなに?」
「よく聞いてくれたわね!これは昨日ノルンがくれたゴブリンの皮を使うことで性能を強化した望遠鏡よ!」
望遠鏡だった。皮がついて変な見た目だったから全然気づかなかった。
ありがたく頂戴して使ってみると、すごい!こんなに遠くまで見渡せる!
「ソフィーこれすごいよ!すっごくよく見える!」
「ま、当然ね!私謹製なのよ!そんじょそこらの望遠鏡とは精度の格が違うと思いなさい!」
「よっ!さすが稀代の錬金術師!」
「気分がいいわ!もっと言いなさい!」
私たちは周りを見渡しながら、こんな感じで幸せな会話を続けていた。
そうして探すこと三十分、南西の方角にゴブリンを見つけた。
「ソフィー!いた!ゴブリン!南西に一体!」
「よくやったわ、ノルン!ここから狙える距離かしら!」
「もちろん、今から撃つ準備をするから!ソフィーは少し離れてて!」
ソフィーが私から少し距離をとる。もし何かあってソフィーが木から落ちたら後悔してもしきれない。
ソフィーがちゃんと距離をとったのを確認して私は銃を構える。
そして昨日と同じように、ルーティーンをなぞるように、狙いをつけて、打つ準備をする。瞬間、昨日がフラッシュバックする。
恐怖で体が震える。でも、約束したから、ソフィーのために、私はやるんだ。
「止まったら撃つ、止まったら撃つ、止まったら...」
私がなんとか恐怖を打ち消そうと銃を構えて心を整えていると、ソフィーが私のとなりにやってきた。
「ソフィー!?危ないから離れてて!」
「嫌よ」
「なんで!?」
「私言ったでしょう?あなたの重さは半分私のものだと」
ソフィーが私の隣に来て銃を一緒に持つ。こんな状況なのにソフィーが近くて緊張してしまう。
「ほら、私が一緒に撃つんだから、さっさとこの震える手を抑えなさい。あなたは一人じゃないわ」
「ソフィー......うん、わかった!」
ソフィーが一緒にいてくれるおかげで私の震えが止まる。
そしてその時はやってきて。昨日と同じように、静かな森に似合わない銃声が響き渡り、また森に静寂が訪れる。
「ほら、大丈夫だったでしょう?」
「うん、そうだね。ソフィー」
「ありがとう」
私はソフィーがいれば何でも出来ると思う。一人じゃだめでも、ソフィーがいてくれるなら私はあの空にだって手を届かせることができるだろう。それぐらいの全能感に私は包まれていたのだ。




