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第1話 「原点」

時は、今から数万年ほど前...

人々が『旧石器時代』と呼ぶ時代において...

『アシュラよ、汝は我の使いだ。汝には使命を与える...。この世に仇なす者...『邪神』を討つのだ』





ある集落にて...新たな生命が誕生した。


当時の人々の中には、彼を崇める者もおり、忌み嫌う者もいた。

彼の容姿は、黒髪に赤目。


さあ、名前はどうしよう。


彼の両親は彼に名を与えようとした。


そのときだった。


『アシュラ』


どこからともなくそんな声が両親のもとに舞い降りた。

両親はその声を『神のお告げ』に違いないと、その通りに、その子の名をアシュラとした。





十数年後、アシュラはすくすく育った。

そのときには、彼は村の一部として、狩りや木の伐採にでるようになっていた。


ある日、今日も今日とてアシュラは森での木の伐採に精を出す。

彼は誰よりも力が強いため、どんな大木でも、ものともせずに切り倒していった。

仲間たちとともに木を切り分け、集落に帰ろうしたその時だった。


何者かがこちらに近づいてくる。

見ない顔だ。別の集落の者だろうか。

仲間の一人がその者に近づこうとしたその時。


「!!!!」


「!?」


突然アシュラが彼を引き留めた。


とてつもなく嫌な予感がしたからだ。


アシュラは仲間たちに先に帰っているよう伝えた。

アシュラは少しずつ彼に近づいていく。

すると次の瞬間


「!!!!!!」


「!!??」


突然相手は斧を振り上げてきた。

アシュラも斧で対抗し、攻撃を受け止める。

アシュラは反転攻勢に出た。

相手はアシュラの猛攻に驚いたのか、すぐに退散してしまった。


「...?」


一体彼は何者だったのだろうか。

アシュラは荷物を整え、集落に帰っていった。





集落に帰ると、アシュラは仲間たちとともにいつものように狩った動物には感謝の祈りを捧げ、夕食を楽しみ、眠りについた。

そんなときでも、アシュラは森で出会ったあの謎の者のことが引っかかっていた。





翌日...

アシュラは外から聴こえる騒々しい声によって目を覚ました。

アシュラは斧を手に取り、その声のもとに向かう。


声のもとにたどり着き、人混みをかき分け、一番前にでたその時、アシュラは異様な光景を目にした。


そこにいたのは、昨日森であった者。

今回は黒い、禍々しいオーラが彼を覆っている。

仲間たちは集落に入らせまいと抵抗するが、次々と蹂躙されていく。

アシュラも彼を止めるべく、斧を振りかざした。

相手はそれを受け止め、反撃に出る。

彼は、昨日とは比べ物にならないほどに強くなっていた。

昨日はそこまで強くなかったはずの彼は、今となってはアシュラと互角だ。

お互い、斧を振り回し、攻防を繰り広げる。


しかし数分後、勝負は決した。


体力が低下したのか、相手から生じた一瞬の隙を見逃さなかったアシュラは彼に斧を振り下ろし、重い一撃を喰らわせた。

血を吹き出しながら相手はよろける。

仲間たちは歓声を上げた。


が、


その後、彼からさらに黒いオーラが噴き出した。

オーラは彼の肉体を完全に覆い、何かを形成していく。

その正体は、狩人たちにとっては恐怖の象徴......マンモスだ。


唖然としたアシュラは、彼の大きな足によって蹴っ飛ばされ、何本もの木を貫通した後、岩に激突した。

信じられない一撃を喰らったアシュラは意識が朦朧とし始めた。

彼の視界に映るのは、無駄と分かっていながらも敵に突っ込み、容赦なく蹂躙されていく仲間たちの姿。

アシュラは無念の中、意識を手放そうとした...。


が、そのときだった。


『汝は神の使い...』


  『汝には使命を与える...』


突然”あの言葉”がアシュラの脳内を駆け巡った。


『この世に仇なす者...『邪神』を討つのだ』


「!!!!」


そのとき、アシュラは体内から何かが押し上げてくるように感じた。

このとき、彼は確信した。


あれが『邪神』だ。


ならば、自分にすべきことは...。


神の使命のもと、『邪神』を討ち、仲間を助けること!!





集落の者を蹂躙し続けていた敵、いや『邪神』は突然膨大な力がどこかで生じたのを感じた。

その大元を見ると、桜色の光の柱が形成されている。

邪神はそこに向かって進み始めた。


その数秒後のことだった。


「!!??」


邪神の真上に突然人影が現れた。


アシュラだ。


彼は桜色のオーラを纏っている。瞳も紅色から桜色に変化している。

邪神は、あまりにも突然の出来事に対応できず、アシュラによって首を斧で斬り落とされた。


すると、邪神はマンモスの姿から元の人の姿に戻り、息絶えた。


その後、アシュラを包んだのは、集落の人々による勝利の歓声だった。





邪神討伐後、集落の人々は犠牲となった仲間たちの弔いの儀式を行った。

そして、人々はアシュラを『シャーマン』として崇め、称え始めた。


そう、これがアシュラ一族の始まり。そして、アシュラ一族と『邪神』による『因縁』の始まりなのである。

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