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99. 本気のうつけ

 レンが見せた、不敵な笑み。


 『平和条約』締結を認めたレイノスとスズカは、レンにもう一つの目的があったことに驚きを隠せないでいる。レイノスは、スズカに確認を取る。


「スズカ?レン殿の目的は、両国の『平和条約』締結だけじゃないのか??」

「せやったはずやで!?レンからお父様に、会いたい理由は『平和条約』だけやって言ってたよ!!本当だよ!!ねぇ!レン!」


 スズカは、あまりの緊張感にレンに助けを求める。


 レンは、ウッキ♪ウッキ♪としてスズカに答える。


「何が??」

「せやから!レンがうちに接触した理由は『平和条約』の締結じゃないの??」

「あはは!さっきも言ったけど、『平和条約』だけのために、旧帝国を滅亡させないって!!皇帝一族を排除して、旧帝国を王国の傀儡政権にしてたよ!」


 レンの言うことに、スズカは頭を悩ませる。


「ねぇ、本当の目的は何??」


 スズカは、隣に座っているレンの膝に手を置き尋ねてくる。


 その、スズカの様子をマナは、嫉妬を含めた目線を送っていて、右手にハリセンを握りだしたところでレンは、目線で「流石にそれはやめろ!」と送り思い留めさせる。

 これは、時間を作って二人でお話しないといけないと判断したレンだった。











 レンは、空を眺めてた後、そろそろ本題を話そうかと決心して話し出す。


「レイノス様……オレジアナ公国とラインブルー王国との間で、『平和条約』を結ぶことは確定しましたね??」

「あぁ!一国のトップとして二言は無い!」

「では、本題です」


 レンの本気の雰囲気に、改めて身構える。

 それに釣られた、スズカも身体ごとレンの方向に向ける。


「オレジアナ公国とラインブルー王国との間で、『軍事同盟』も締結したいと考えています」


 レンの口から『軍事同盟』という単語が出たことに、レイノスは驚きの表情を見せたが、一瞬で気を引き締めてレンに、質問をする。


「何故、『軍事同盟』を締結したいのかね??」

「両国の国交と友好が完全に、回復されたと周辺国に示すためです」

「『平和条約』だけでは、不十分だと??」

「不十分ですね~~」


 レンは、レイノスの質疑に間髪入れずに返事をする。主導権は、自分が握っているとアピールするかのように。


「『平和条約』だけでも、周辺国には両国の国交回復並びに友好を示せるだろう??」

「甘いですねぇ~~レイノス様!」

「ふむ!レン殿には、別の視点があるのだな??」


 レイノスは、レンの視点に興味津々の様子だ。


 レンは、レイノスの雰囲気に呑まれないように注意しつつ彼との駆け引きを楽しんでいる。


「僕が、周辺国ならこう考えますね!」


 ここから、レンは今の両国の状態ならどういう戦略を取るかを話し始める。


「僕が周辺国のトップなら……長年対立していた二国が急に、『平和条約』だけ締結したらまずは、形だけを疑いますねぇ~~そして、軍同士を衝突させればまた、以前の状態に戻せる可能性を探りますね」

「なぜ、そうする??」

「長年対立していたんですから、両国のトップ同士で話し合って締結したとしても、内部はどうでしょうか??表向きにはトップに従いますが、裏では不満を募らせる貴族や官僚は居ますよね?……僕ならその不満を募らせている軍部の人間に、他国への侵攻をそそのめかしますね!」


 レンの具体的な策略にレイノスは、肝を冷やした。


 しかし、レイノスは一国のトップとしてあいそれと条約を続けて結ぶ訳にはいかないので、自身の考えを述べていく。


「レン殿の考えも理解出来る……しかしな、今回両国で旧帝国を滅亡させたことは周辺国に両国は軍事的にも繋がりがあると示したものだと思うか??」

「でも、それは僕とスズカの関係性があったからこそ出来た技ですよね??」


 レンの指摘に、レイノスは一瞬で自身の主張の根底を突かれたことに一瞬焦った顔をした。


 本当に一瞬だけ。


 しかし、レンはそのレイノスの表情を見逃さなかった。


「ですよね!レイノス様!僕とスズカは、馬が合います!……けど、泥沼の跡目争いしているあなたの息子二人とは馬が合うと思いますか??」

「恐らく、合わないだろうな」

「そうですね……お兄様方は、公国を運営していくにあたって王国との対立を利用しようと考えていましたからね」


 これも、レン自身は事前に調査済みだった。


 王国の貴族達も自身の不正が国王であるトクヤにバレそうになった際には、公国との対立関係を利用して言い逃れを行っている。

 それに、スズカと話していて感じたのは、両国の国民は、国同士の長年の対立はどうでも良くなっていることだ。そりゃそうか、お互いの国がお互いの国の輸出物に依存している時点で国民が感づかない訳がない。


 この、王国と公国の対立というのは完全に『政治上のパフォーマンス』と化しているのだ。


 国民からしたら政治上のパフォーマンスに、付き合わされている国民の立場になってみたらこう考えるよな。


「そんなことどうでもいいから俺たちの政治をしてくれ!」と…………


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