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92. うつけの本領発揮!

 パン♪


 レンは、空にむかって銃を煙弾を打ち上げる。


 これが予め決めていた作戦開始の合図だ。


「ミナミさん!あそこ、見てください!」


 レンは、帝都の入口を指差す。


「なっ!帝都の入口が!」

「そうです!帝都の入口は、塞ぎました!これで、物資の搬入をするには山道を使わざる得なくなりますね!」

「はははっ!逆を言えば、王国・公国連合軍は帝都に攻め込みにくくなった!愚策だったな?兵糧攻めなんて、時間の掛かる戦争は、君たちにとって避けたいはずでは無いのか??」


 ミナミは、ある程度こっちの事情も把握している様子だ。


「そうですねぇ~~時間は、あんまり掛けられませんよ?」

「じゃ、何でこんな時間が掛かる作戦を行ったんですか??」

「逆に質問するけど、工事は帝都の入口だけだと何故思ったの??」


 ミナミは、帝都の入口での工事は把握していたみたいだが、山中での工事は把握していなかったみたいだ。











 作戦開始の合図を出してから数十分後……


 周辺は、激しい水音が響きだした。


 山中にある川を塞き止め、唯一の出入り口である塞がれている完全な盆地となっている帝都の街に川の水が流れ込んでいく。


 川の水が、勢いよく流れ込んでいく着地点の家屋は完全に破壊された。


 急に、帝都に水が流れ込んできて、帝都の人々は激しく動揺しているようだ。帝都から出るために、塞がれた出入り口に向かう者。帝城へ逃げ込んでいる者。

 帝都内は混乱が広がっている。


 ミナミは、さっきまでの余裕の表情から膝を落とし絶望の表情をしている。


「帝都の人は、急に街に水が流れてくるは、唯一の出入り口は塞がれて女帝に助けを求めようにも、女帝は、今、連合軍に捕らえられている!!」

「帝城には、私の旦那がぁ……」

「あなたの旦那さん……政治能力が皆無で国民からの支持が低い事は調査済みだよ??そんな旦那に、こんな状況で人々のことまとめられる??」

「くっっ……」


 ミナミは、苦汁をかみしめる表情をしている。


「今回の戦争はね……公国・王国連合の陣地にグリアナ帝国女帝ミナミ=グリアナを引きずり出した時点で、こっち側の勝ちだと踏んでいるよ??何か、反撃あります??」


 すると、帝城から叫び声が微かに聞こえてくる。


「ミナミーーーー!どこだ!!大変なんだぁ!!」


 恐らくは、ミナミの旦那だろう。


「旦那さん助けを求めていますね!女帝の旦那なんだから、非常事態時位自分で指揮取れないといけないのにねぇ~~しかも、助けを求めている人たちの前であんな醜態晒してぇ~~帝都の人々の絶望は想像出来るねぇ~~」


 ミナミは自身の旦那の醜態に絶望をしたようだ。


 レンとスズカに向かって土下座をしてくる。


「お願いします……帝都への攻撃を辞めてください……お願いします」


 いの一番に、スズカが怒って答える。


「長年、うちと王国に密偵(スパイ)忍ばせて好き勝手しといてさぁ~~こっちが譲歩して貿易しやすくするから密偵(スパイ)を引き揚げさせるって約束したのにそれも破ったよな??」

「そっそれは、両国が帰国しようとする人を捕らえるからであって……」

「不法入国者を逮捕するのは、当たり前よな??それに、機密情報を持ち出そうとするなんて、条約で決めた今後のスパイ活動を禁ずる条項に完全に違反してるよな??」


 ここでレンは、マテオとオーバに命令を出す。


「オーバ殿、マテオ!例の人物をここに連れて来て」

「「かしこまりました」」


 マテオとオーバは、二人の人物をここに連れて来るために陣を離れた。











 マテオとオーバは、二人の人物を連れて来た。


 二人の顔を見たミナミは、はっと驚いた表情をしている。


「ヒガシ!ニシ!」

「「母上!!」」


 二人が連れて来たのは、両国で逮捕されていたミナミの子ども二人だ。


「母上!すみません任務失敗しました……」

「私もです……申し訳ございません……」


 これまで黙秘を貫いていた二人は、母上を目の前にしてあっさり罪を自白したようだ。


「はいぃ~~!二人から自白頂きましたぁ~~!」


 レンとスズカは、マテオ・オーバに合図を出した。


 マテオとオーバは、ヒガシとニシを拘束した。


「二人に何するの!!」

「いや、我が国内での犯罪行為を自白したので逮捕しただけですけど?身柄は、公国・王国で持ち軍事裁判で裁かせて頂きます……三国が戦争中の逮捕ですので」


 スズカは、提案してくる。


「なぁ~~レン??この戦争において、帝国のトップの家柄はどうするかな??」

「あぁ~なるほどね!同じ考えだと思うよ!!」


 レンとスズカは、何か悪い表情を見せた。






 時間が過ぎていくと帝都はどんどん水で沈んでいく。


 帝城の方には、取り残された人たちは取り敢えず帝城に入ったみたいだ。


 丁度、グリアナ帝国は雨期かつ冬の雪解けの影響で川の水位が上昇していた時期もあり、一日で帝都の半分に迫るほど沈んでいた。


「ミナミ様~~これ、あと一日あれば完全に帝都は沈みますねぇ~~!!」

「くっ!お願いだ、攻撃を辞めてくれ」

「やだ!」


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