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91. うつけは攻撃開始する!

 現在、王国・公国連合軍の陣にて、レン・スズカ・ミナミの三人が対峙している。前回の三人の対談と比べると物々しい雰囲気を醸し出している。

 前回の対談と大きく違う所……それは、三国の軍が近くに居るということだ。


 レンとスズカは、ミナミが話し出すのを待っている。











「レン様にスズカ様、真に遺憾ですよ……前回のアポなし訪問に関しては、多めに見ましたが、今回は許可なく軍隊を連れて帝国の領内に入ってくるとは真に不愉快ですよ」

「えっ?国境警備の兵隊さんは、許可してくれたよ??」

「そや!そや!」

「国境線の兵は、少数です!二万の兵が来たら怯むのは当然です!それに!」

「「……それに??」」

「帝国内で、勝手に工事しているとはどういうことでしょうか??」

「えぇ~~??工事していても中止の要請無かったし、了承してくれた物だと!!」

「そんな訳無いでしょ!!」


 ミナミは、声を荒げて抗議を続ける。


「帝国として、即刻陣を払い原状回復をした後、それぞれの国への帰国を命じます」


 原状回復と即時撤退という当たり前の要求をされた。


「拒否します」

「うちも拒否や」


 レンとスズカは、迷わずに拒否する。


「お二方は、若いので勉強不足かもしれませんが大義名分の無い進軍は、国際社会的に孤立しますよ??今ならまだ、引き返せます!」


 ミナミは、こちらに大義名分が無い前提で話してきている。


「大義名分ならありますよ??」

「ほほぉ~~では、聞かせて頂けますか??」

「『関税の税率の引き下げに関する三国間条約』に帝国が違反並びに公国・王国の両国内において国家転覆を測ったことが大義名分です」


 レンは、ミナミに大義名分を説明した。


「条約がどのような関係が??」

「この条約での約束事は、王国と公国が帝国との関税の税率を下げるその代わりに、帝国は両国に忍ばせている密偵(スパイ)を全員引き上げさせて、二度と潜入させないやったよな??」

「そうでしたね」


 これまでは、レンが対応していたが、ここはスズカが対応した。ミナミも一国を納めるトップだ。簡単には引き下がらない。


「王国・公国は条約の約束を履行しましたが、帝国はどうですか?一週間という期限内に密偵(スパイ)

引き上げさせなかったよな?王国・公国は、期限を延ばして二週間も待ったのなぁ~~??こっちは、履行してそっちは、約束破るのはおかしいよな??」

「帝国だって、条約を履行しようとしましたが両国が、帝国の密偵(スパイ)の帰国を許さなかっただけではないでしょうか??」






 王国の王城にて、レンの外遊からの帰国後に王族に仕えていた使用人や料理人が、一斉に辞職していった。貴族達に仕えていたナンバー二の人間も一斉に辞職したそうだ。

 それと同時に、国境付近で違法に越境しようとしている人物が大量に表れたので逮捕して拘置所に移送したという報告を受けていた。


 拘置所に顔を出してみると、何と不思議!王城から一斉辞職していった使用人や料理人全員が逮捕されていたのだ。

 手荷物検査をした際に、どうやって集めたのか王国の機密文書などが大量にあった。


 これだけの機密文書を全て、持って行かれたら王国の安全保障が損なわれる所だった。


 王国に刃を向けるなら容赦しない。






 レンは、ミナミに問いかける。


 その雰囲気は、ミナミだけでなくスズカも怯んでしまうほどだった。


「ミナミ様……条約締結後、王国と帝国の国境付近に違法に越境しようとする人が大量に現れました」

「へっへぇ~~王国から逃げ出そうとした王国の民じゃないの??」

「それで、偶然!国境付近の警備の兵士を増員していたお陰もあり不法な越境は防げました!!……拘置所で、集団で越境しようとした人のリーダーの顔を見たらあら。不思議!」


 ここで、ミナミの表情は青白くなっていった。


「『ヒガシ=グリアナ』!あなたの息子さんがリーダーだったんですよ!つまりは、帝国の密偵(スパイ)だっていうことでしょ??」


 レンは、ニコッと笑ってその後、真顔になった。


「そして、その人たちは王国の機密情報を沢山持っていましたぁ~~条約では撤退は、認めましたが機密情報の持ち出しは許可してませんよ??これは、王国法である『国家転覆罪』に抵触していますので拘束させて頂いてます」


 ミナミは、傍から見たら体調不良でいつ倒れてもおかしくないと思われる程だ。


「公国も同じでしょ?」

「せやで!こっちのリーダの『ニシ=グリアナ』を始めとする帝国の密偵(スパイ)も同じことしてたから『国家反逆罪』で拘束しています」


 ここで、レンとスズカ陣の中央で警備をしているそれぞれの国の兵士に命じた。


「「斬れ」」


 この命令が、発せられた後にミナミの護衛で来ていた兵士数名は、一瞬で命を絶たれた。


 ミナミは、怒りの感情を見せた。


「……お二方!!あぐッ」


 レンとスズカに飛び掛かりそうになったが、マテオとオーバの連携技によってマテオに拘束されオーバに武器を取り上げられた。


「ミナミさん……少しは、身の上を弁えなさいよ??帝国が、公国・王国を怒らせた結果、こうなっているんですよ??それなのに、そんな態度いいんですか??」


 レンは、諭すような言い方だが直ぐに口調を変える。


「マナ!例の物を」


 レンは、マナから一通の書類を受け取るとミナミの目の前に投げつけた。同じくスズカもセバスから書類を受け取り投げつける。


 その書類は、『宣戦布告書』だ。


「ラインブルー王国は、条約の不履行並びに国家転覆を測ったグリアナ帝国に対して宣戦布告します」

「オレジアナ公国も、条約の不履行並びに国家反逆を測ったグリアナ帝国に対して宣戦布告します」


 両国の帝国に対する宣戦布告が完了後、レンはミナミを拘束して帝都が一望出来る高台に連れて行かせた。


 高台に到着すると、レンは命令を出す。






 王国の治安を悪化させようとしといて、トップの命だけで許す訳ないだろ??そうすれば、他国にもなめられる。


 やるなら、徹底的に。






「作戦開始!!」


 パン♪


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