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90. うつけはピリピリする!

 只今、陣の中心では一見すると穏やかな空気が漂っている。


 しかし、実質的な王国と公国の連合軍の共同トップの二人の頭の中は様々な思案を巡らせている。











 レンの場合は、この一件が終わった後の王国の運営に関してやレンに対しての反対勢力に対する対応。レンは、国民からの支持は厚い。

 しかし、レンの行っている改革に反対する貴族は居る。直近では、貴族学校が今年度一杯で廃止が通達された際にレン派の貴族以外には動揺が広がったのだ。


 今、レンが王政を運営出来ている大きな要因は、国民からの支持だ。貴族の特権を廃止していく方針のレンは、これまで甘い汁を吸っていた貴族にとって目の上のたんこぶ的存在。

 しかし、国民からの支持が厚いレンを王政から引きずり降ろせば、王国内で反乱が起こることは誰でもわかる。

 だからこそ、レン自身今回の一件は失敗できない。失敗したら王政から引きずり降ろす口実を与えてしまうからだ。






 スズカの場合は、この一件後の公国内での自身の動きに関して思案を巡らす。公国内での公位継承権は第三位だ。

 しかし、スズカ本人にどうしても公位に就きたいという野望は無い。


 けど、スズカは今、公位継承権の順位を上げることを狙っている。


 理由は、自身より上の兄二人の公位争いだ。


 公国内は、スズカの父であるレイノス¬=オレジアナが政治を行っているが年齢も五十代後半を過ぎているため、そろそろ公位継承の時期に来ているのだ。

 スズカの兄二人は、公国内の貴族を自身の陣営に取り込んでの怒涛の権力争いを繰り広げている。つまり、いつでも内戦が起こってもおかしくない状態なのだ。


 兄二人が、公国にとって何の利益にならない内戦を起こされる位なら自身が公位継承権一位に躍り出ればいいと考えたのだ。











 時刻は、十五時を回った。


 ここで、リーナが一つ提案をしてきた。


「ねぇ!レンにスズカさん?」

「なに?リーナ?後、スズカには『様』を付けなさい!!」

「あはは…すみません!」

「ええで!それで、用件は?」

「二人とも、ずっと緊張しているようですし、軽くお茶したらどうですか?」


 リーナは、ある意味強心臓だ。


 こんな雰囲気の中で、お茶を提案できるなんてリーナ以外居ない。


「せやな!お茶でもするか!」

「そうだなぁ~~言いだしっぺだし、リーナ準備よろしく~~!」

「えっ?私が?!」


 リーナは、準備を振られたことに驚きながらもお茶の準備を手早く行い、レンとスズカの前にお茶を出してきた。

 意外にもお茶を入れる能力があったことは驚きだ。


「えっ……リーナお茶入れれたん??物凄く意外なんだけど??」

「「レン(くん)失礼だよ」」


 リーナは、頬をプクーとさせた。抗議の目線を送ってくる。


「マナ!ハリセン」

「オーケー」


 パシン♪パシン♪


 マナからハリセンを受けた。二発も。物凄く痛い。






 気を取り直し、お茶を飲むレンとスズカ。


「それで、王国内はレンが不在でもええの??」

「一応は大丈夫かな?まぁ、父上が雑な仕事をしないように僕のメイドを監視役として残してきたから王政の仕事に関しては、何とかなると思うけどね」

「それで、権力争いの方は??」

「今のところは、大人しいね……僕が、失敗するのを待っている印象だね」

「へぇーー」


 スズカは興味無さげに、返事をしてきた。


「興味ないんかい!!……それで、そっちはこの一件終わったら公位継承権一位に躍り出れるの??」

「何だぁ~~こっちの事情は把握済みってか??」

「ある程度はねぇ~~色々精査して、公国内で手を組めそうなのはスズカだと判断してあの日接触したってだけ!」

「あははぁ~~まぁ、今回の一件を成功できたら、兄二人をぎゃふんとはさせられるねぇ~~権力争いにだけにかまけて外交を疎かにするなって!そのせいで、帝国に好き放題やられてた訳だし!実はねぇ……」


 スズカは、ニヤリと笑い答える。


「今回の派兵も父上のお墨付きなんだぁ~~王国と手を組むってことも『三国間条約』を見せた時点で気づいてる!公国側としては、王国側が望むなら平和条約を締結する準備はありますよ??」

「あちゃー!先手取られたよ!!まぁ、これは王国に帰国後『首相』として話し合い後に返答させて頂きます」



 リーナは、軽くお茶をしてリラックスすればのつもりで提案したが、政治の話を始めた二人を見て生粋の政治家なんだなぁと思ったのであった。











 時刻は十六時三十分を越えた頃。


 お茶を終えてのんびりしていた所に、陣の警備をしている公国側の兵士が報告に来た。


「スズカ様・レン様、グリアナ帝国の女帝ミナミ=グリアナがいらっしています!」

「ほほぉー!リーヴァン!」

「ははッ!」


 レンの呼び出しに顔を出して登場する。


「一応、帝都の入口に居る兵士に閉じるようにって!」

「かしこまりました」


 そう言うとリーヴァンは、早速仕事に戻った。


「あの……」


 報告に来た兵士は、困惑していたためレンは指示を出す。


「連れて来て!」







 陣の中央にミナミがやって来た。護衛の兵士を連れて。


「……レン様・スズカ様、お久しぶりです」


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