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9.うつけが動く!

 コン♪コン♪

「王子…起きていますか?」

「起きてるよ~~!」


 起こしに来てくれたのは,メイドのコノハ。


「ところで,オーティズ公爵家のお子さんたち,今日来れそう??」

「昨日,サヨ副宰相が通信機で,オーティズ公爵家に二人が王都に来るように命じていました…王都との距離考えても本日中には,来れると思います!」

「そうか!ありがと!朝食出来てる?」

「はい!」


 僕は,着替えを済ませて食堂に行き,朝食を食べる。朝食を食べ終えると,マナとリーナが,王城に来た。


「王子…!おはようござます!」

「レン様…!おはようございます!」

「二人ともおはよ~!」


 僕たち,三人は僕の部屋に集まった。


「レン~,美少女二人を部屋に連れ込むとか…もしかして,たらし…??」

「レンくん…まさか…??!!」

「違う!僕,自分の執務室,用意されてないじゃん??」

「そうだね…??」

「大事な話をする場所は,ここしかないじゃん??」

「確かにね~今回の話は??」


 僕は,部屋に集まった,二人に,今日王城に呼んだオーティズ公爵家の子ども達をどのようにするかを伝える。オーティズ公爵家を許すつもりは毛頭ない。


 オーティズ公爵家の実情は,リーヴァンに調べさせて把握していた。それを,先日の面会でオーティズ公爵と話してオーティズ公爵がどういう人物なのか理解した。


 平民(たみ)から,搾取するだけして王家からも甘い汁を吸えるだけ吸う…そんな貴族家だった。


 恐らく,オーティズ公爵家と同じ考えをもっている貴族家は()()()()だろう。あの大広間にいた貴族家だって,ハービット侯爵家以外は,全てそうだろう…


 そう言った貴族家は,治めている領土の民がどのような生活をしているかを見ればある程度わかる。民が苦しみ貴族家だけが,私腹を肥やしていることは…


 リーヴァンに,王国中の貴族家のことを調べさせ,民が苦しんでいると報告を受けた貴族家を更に,詳しく調べさせた…


 まぁ,その際のリーヴァンの表情は,めんどくせぇ~という顔をしていたのを覚えている…


「オーティズ公爵家のお子さんは,どうするの…?レンくん?」

「二人は,貴族家の地位から奴隷に落とす…そして,戸籍上もオーティズ公爵家の家系から外す…」

「その二人は,どうするの?」

「マナに,頼みたいんだけど…?」

「なに?」

「マナが,過ごしてた孤児院で()()()()()()()働いてもらおうと思う」

「わかった…施設長に話しとく…」

「よろしく~!!」


 すると,メイドのコノハが,僕を呼びに来た。


「レン様…オーティズ公爵の子ども,デリエス様とメイ様がいらっしゃいました!応接間に居ます…!」

「ありがと~!」

「じゃ~マナは,僕と一緒に来て!リーナは,引き続き頼んでた業務お願い!」


 僕と,マナは,デリエスとメイが居る応接間にむかった。


 コン♪コン♪


「「はい!」」


 中から,二人の子どもの声が聞こえた。扉を開けて,応接間に入る。


「初めまして…!レンと言います!よろしくね!」

「王子…!この度は,我が父の無礼大変申し訳ございません…」


 開口一番,兄のデリエスが,謝罪の言葉を述べる。妹のメイは,()()()いる。


「デリエス…急に呼び出してすまない…メイちゃんも緊張するなって言う方が無理か…」

「王子…今回は,どのようなご用件でしょうか??」

「今日はね…君たちに,()()()()()()()()と思って…呼んだ…」


 今回,オーティズ公爵家の家系から二人を外すことは,決めている。ただ,それを一方的に決めては,二人の人生のためにならないと思い二人に,選択して貰うために呼んだのだ。


「君たちは,父親のことどう思ってる…?」

「…尊敬しています…」


 デリエスは,少し()()()表情で,答える。その,怯えは,父親に対してなのか?王家に対してなのか?妹のメイは,泣き出している…


「デリエス…嘘は付かなくていい…父親のことどう思っている…?ここでの,話は絶対に,君たちの父親には,話さないから!」


 デニエスは,僕の言葉を聞き()()()()()()表情で思いをぶつけてくる。


「嫌いです…あのクソ親父なんて…王家に取り入るために,俺だけならまだしも…十歳の妹をも利用しようとしたこと…許せないです…!」

「メイちゃんは,どう?」

「うぅ…泣怖いです…」

「そうか…デリエス…妹に無理させた…申し訳ない…」

「いぇ…ところで,今日呼ばれた用件お伺いできますか?父上のことに関係しますか…?」

「うん…!関係するよ…?」


 僕は,二人の顔を交互に見て今回の用件を伝える。


「今回…君たちの父上は,数々の不正や,治める領土の民を苦しめる圧政…そして,なんの罪のない民を殺した罪で,()()()()…」


 僕の,言葉にデリエスとメイは驚いた表情を見せる。


「二人に,選択して貰うのは,オーティズ公爵家の戸籍から外れ,身分は奴隷として孤児院で,働きながら過ごすか…父上と運命を共にして,一緒に処刑されるかだ…これが,僕が出来る()()()()()()だ…どっちにする?」


 二人は,少し考え…話し合った結果…


「王子…僕たちは,父上と縁を切りたいと思います…」

「わかった…全力で君たちを庇護しよう!」

「マナ…頼んだよ!」

「かしこまりました!レン様!」


 二人の選択も聞けた…後は,僕がしっかりとした仕事ができるかに掛かっている……


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