89. うつけの読み!
「マテオ!僕が守りたいのは自国の国民の命!今は、他国の国民の命を守る程お人好しじゃないよ??」
レンは、マテオにそう告げた後、スズカは残りの話し合いを行い、空が真っ黒になりライトを使わないと周りが見えない程の時間になっている。
レンは中央の陣を抜けて。王国側の休養施設に向かい就寝した。
翌日、目覚めるとレンは中央の陣にマナと共に移動しスズカとセバスと共に工事の進捗を確認していた。そこに、進捗を伝えに来た兵士陣にやって来た。
「レン様!スズカ様!工事ですが、本日の昼頃には完了いたします」
「ありがと~~皆に、怪我のないようにって!!」
「せやで!命大事にやで!!」
「はい!!」
兵士は、陣を後にした。
「なぁ~~レン??帝国はいつ動くと思う??」
「いつだろうねぇ~~??対策会議は、してるとは思うけど??」
「私は、早くて今日の昼以降かなって思ってる!」
「いやぁ~~~~5・4……」
レンは、カウントダウンを始めた。それをスズカは不思議そうな表情を見せている。
「なんや?なんや?何か起こるんか??」
「スズカ様……取り敢えず静かに待ちましょう」
レンは、残りのカウントダウンを進めるのと同時に、リーナが陣の入口にある布のカーテンを捲って何かが来る準備をしている。
「サン!ニー!イチー!!」
レンのカウントダウンが終了すると同時に、陣の先方で警備しているオレジアナ公国の兵士が陣の中央に、急いでやって来た。
「スズカ様!レン様!急ぎの報告が……」
公国の兵士は、焦りながらも解りやすい口調で報告をしてくれる。
「我が陣に、グリアナ帝国の女帝 ミナミ=グリアナの使者が来ています!!」
「ありがと~~」
「ここまで、案内して差し上げて!」
「かしこまりました!」
スズカが労いの言葉を掛けて、レンが使者を陣の中央まで連れてくるように指示を出した。
続いて、マナとセバスが指示を出す。
「マテオ!レンくんの前に出て、レンくんを守って!」
「はい!」
「オーバ殿、王国と同じように!」
「かしこまりました」
マテオとオーバは、万が一に備えて前に出る。
「マナ!リーナ!君たちは、僕の隣に!」
「セバス!あんたもや!」
レンとスズカは、それぞれの秘書官・傍仕えを自身の近く呼び寄せる。
グリアナ帝国の使者が、来た。
使者は、片膝を付き用件を述べる。
マテオとオーバは、いつでも剣を抜けるようにしている。いわば、臨戦態勢を敷いている。
「グリアナ帝国女皇ミナミ=グリアナの名代で参りました」
「それで、用件はなんでしょうか??」
レンは使者に対して、用件を問う。あくまでこっち側が上の立ち位置であると示すかのように。
「レンラインブルー王国第一王子にスズカオレジアナ公国第一王女……これは、一体どういうことでしょうか??」
「どういうこととは??」
「何故、王国と公国の両国の兵がここに、集結しているのでしょうか??帝国は、軍の帝国内への入国を許可していませんよ!!」
そりゃそうだ。許可を得ずに、軍を帝国内に入れているんのだから。
「うん!だって、申請してないもん!!」
レンは、あざ笑うように返事をする。
帝国の使者は、怒りを必死に堪えている様子だ。
勝手に自国の領内に軍を入れられた上に、陣を敷かれ、工事もされている。両国に、身勝手な行動をされているのにも関わらず何も出来ていない帝国への悔しさもあるのだろう。
続いて、スズカが追い打ちをかける。
「なぁ!ミナミはんの名代なら本人に、こう伝えてくれんか??」
「なんでしょうか」
「こっちは、私にレンと本人が居るんやから、そっちもミナミ=グリアナ本人がここに顔を出せって!」
「そうだねぇ~~名代の君じゃ話にならない!本人を連れて来なよ!もちろん!護衛の兵士連れて来ていいからさ!」
レンとスズカは、ミナミ=グリアナ自身が陣に来るように要求した。
使者も自身ではどうにもならないと判断したのだろう。二人に向けて、一礼をして陣を後を後にして帝都に帰って行った。
「なぁ~~レン?使者が来る時間まで読んでたやろ??」
「そりゃねぇ~~臆病なミナミというか、こうなったらまずは使者送ってくるのは常識としてタイミングは計ってたよ!!ハットリ家に帝都の様子を観察させてたしね!」
「ははは~~~レンを敵にはしたくないねぇ~~~」
「それは、光栄なお話で!」
「ところでさ……」
スズカはゆるりとした表情から、真剣な表情になった。
真面目な質問が来るということが雰囲気でわかる。
「ミナミは出てくるか??」
「ここで出てこなかったらその程度の国のトップだということだよ」
ここで、工事を担当している兵士が報告に来た。
「レン様・スズカ様、工事完了しました」
「おつかれ!」
「お疲れ様やで!」
「ところで……」
兵士は、問う。
「帝都の入口は、何時頃閉じる予定で??」
「最初は、ミナミが帝都を出たらの予定だけど……今日の日が落ちるまで出てこなかったら、日が落ちると同時に閉じようか」
「かしこまりました」
工事担当の兵士は、陣の中央を後にしていった。
「さぁ、始まるよ」
「せやな」
「お互いの国民のために頑張ろうか!」
「よろしくな!!」
「オウ!」
レンとスズカは、改めて握手をした。




