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85. うつけ達は相対する!

 帝国側に入った後は、レンとマナ・リーナは部隊の中央に移動した。そのまま、先頭で行軍しても良かったがマテオに説得されたため中央という安全地帯に移動している。


 部隊の先頭は、マテオとスバルの新旧レン専属兵士が務めている。


 リーヴァンはというと、今現在本職の方で頑張ってくれている。


「レン様!報告がございます!!」


 急に、レンの近くに一人の黒服を全身に纏った男の子が来た。


「おぉ~~リーヴァンの忍び姿初めて見たけど……何か、イマイチだね!!」

「えっ?……ていうか!レン様!今の私は忍びです!!安易に身分を明かすのは!!」

「だって、この部隊内ではリーヴァンの顔は割れてんだし大丈夫!大丈夫!」

「割れるようなことしたのは、誰ですかぁ!!」

「リーヴァン!余計に目立ってるよぉ~~」

「うぐっ!!」


 そう、この部隊においてリーヴァンがハットリ家の人間で今回は忍びとして参加することは最初に話した。


 でもね……


 その際に、僕を止めるために表に出てきたのはリーヴァン自身だというのに……


「でもさぁ!リーヴァンの顔を知っている存在がマテオとスバルだけってのはやりにくくない??」

「いや!そこは、忍び装束についてあるハットリ家の家紋を見せて部隊に合流しますよ!」

「じゃ!その方法でここまで来た場合は、首切らないとね!!」

「なっ何でですか!!??」


 リーヴァンは、驚いた表情を見せた。


「だってさぁ~~ハットリ家の紋章だけでここまで来られるんなら敵国がハットリ家の紋章を模倣した服を着たらここまでノーマークで来られるってことじゃんか!ねぇ~マナ?」

「そうだよ!リーヴァン!そうなれば一瞬で大将の首を取られて終わりだね!!」

「だからだよ??斬られる前に斬らないとね!!」

「だから!何でですか!」

「忍びは、顔を隠しているじゃない?顔を隠して、紋章だけで情報を言われても僕は、顔を見るまでは信頼出来ないよ!」

「レン様は、ハットリ家に対しての信頼はそこまでなのですか?」

「信頼しているからこそだよ」

「????」


 リーヴァンは、不思議な表情を見せている。そこには、疑念の感情も含まれていそうだ。


 レンは、少し重い空気を出してリーヴァンに語り掛ける。











「今は戦争しに行っているんだよ??そんな中で、紋章だけでハットリ家と判別するなんて愚策だよ……」


 ハットリ家というのは、周辺国に王国内に存在する忍びであると知られている。紋章も周辺国は知っている。それほどまでに、ハットリ家は優秀な忍びだということだ。


「何でですか!!」

「簡単だよ!ハットリ家の紋章は、他国も知っている……似た物を作ることなんて技術者が居れば容易に出来るだろ?それに、君たちは忍びの際は顔を隠しているだろう?」

「あっ!!」


 リーヴァンは、事情を理解したようだ。


「優秀だということは解っているし信頼もしている!けど、信頼というのは時に自身を殺す刃にもなりうるんだよ!」

「はい……」

「リーヴァン!党首様にさぁ、伝えて?今後は紋章だけではハットリ家の人間とは、判断しない!紋章と顔を比べて判断する!だから、この一件終了後にハットリ家の中で王家に報告に来る人物の顔を記録すると」

「かしこまりました」


 ここでレンは自分自身の周りに居るリーナ・リーヴァンに丁度中央部に来たスバルの目を見てから話し出す。


「僕は皆の事を、信頼するけど信用しないから!今後も僕の基で働くなら、このことは心の中の隅にでもおいておいてね」


 レンの言葉に、皆、覚悟を決めたようだ。











 すると、先に先方して状況を確認していた兵士が中央部に報告してきた。


 部隊は、一旦停止して報告を聞く。


「グリアナ帝国の帝都シノバン近くの平野に……」

「平野に……??」

「オレジアナ公国の兵士が……」

「落ち着きなって!!」

「はっはい……」


 兵士は、かなり焦っている様子だったので落ち着かせる。


「ゆっくりで良いから説明して」

「かしこまりました!帝都シノバン近くの平野にてオレジアナ公国の兵士がいます!数にして約二万は居るかと思います」

「へぇ~数は同等かぁ~面白くなってきたじゃん!」

「レン様!」


 兵士は、何か言いたげだがそれを無視して、質問をする。


「数の詳細は??」

「え?レン様……オレジアナ公国ですよ??」

「だからだよ!数の詳細を教えて!!」


 兵士は、持っていたメモ書きを渡してきた。


 いや!最初からそれを渡せよ!っと心の中で突っ込んでおいたレン。


 メモ書きによると、オレジアナ公国は陸軍約一万五千人、陸軍が約五千人かぁ~~。これも、ラインブルー王国と同等か!!


「おぉ~~公国側も大分本気だしてるね!面白そうだぁーー!!」


 レンは、馬を走らせ部隊の前方に移動した。


「さぁ!皆!覚悟は決めたはずだ!!さぁ!面白くなりそうぅ!!楽しくなってきたぁぁぁぁ!!全軍進めーー!!」


 レンは、テンション高めに部隊を率いてシノバン近くのオレジアナ公国が陣を敷いているという平野に向かう。


 平野に到着する。


 オレジアナ公国の兵士とラインブルー王国の兵士は、陸軍は武器を構えて空軍はワイバーンを飛ばそうとしている。

 マテオとスバルは、レンの前に出て警護をしようとしている。


「レン様!武器を構えてください!」

「レン様!」


 二人は、武器を取り出すよう促してきた。











 今にでも、ラインブルー王国とオレジアナ公国の間で戦争が起こってもおかしくない雰囲気に包まれている。


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