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78. うつけの兄妹の評価!

「外遊に行っている期間は、ハットリ家から報告を受けていましたよ?身近で見ていたであろう父上は、把握していないんですか??」


 レンは、外遊期間も弟のシオン=ラインブルーと妹のマホ=ラインブルーがどのように、過ごしていたか報告を受けていた。


 現在の王政内は、深刻な人材不足だ。


 塵も積もれば山となり、山を無くすには積もることに掛かった時間の倍は掛かる。


 長年の失政が、積もっている王国。今、在任している大臣の殆どそうだが、大臣としての能力は、以前レンがキレかました法律会議を見れば、一目瞭然。

 

 大臣としての能力がないのだ。


 大臣を任せられるだけの、後任の人材が育っていない。今から育てるとなると、年単位の長い計画になる。











 その期間、どうのようにして凌ぐかの思案を巡らせた結果、最も早いのが、王政に関わる王族の人数を現状の二人(レンとトクヤ)から増やすこと。

 ここで、エリザを王政から追放したことが、かなりのボディブローとして効いている。


 レンが、目を付けたのが、妹のマホだ。以前、両親の裁きの理由を聞きに自身のメイドなどを使わずに、直談判してきたことは、レンの中のマホに関する評価がかなり上がった瞬間だ。

 

 以前の法律会議で、成立した『教育改革基本法案』により、今年十歳のマホは学校に通う事はない。なら、今から王政の見習いという体で、王政の業務を手伝って貰えば、マホにとっても王国にとってもいい方向に進むと思い、今、手伝って貰っているのだ。











 しかし、トクヤはマホより年上のシオンが、呼ばれていないことが、気になるらい。自身の不手際のお陰で,大分イライラしている様子のレンに,お構いなしに質問する。


 そんなトクヤの様子を見たマナは、万が一のためトクヤには、気づかれないようにレンの近くにちょっとずつ寄っている。


「レン、やはりシオンを先に、王政に関わらせた方がいいのではないか?」

「それは、どうしてですか?」

「だから、シオンの普段の過ごし方ですよ」


 レンは、外遊期間以外にも妹のマホ、弟のシオンが日頃どのように過ごしているかを調査していた。


 調査結果はこうだ。


 妹のマホは、レンとのお話や街に行った後に、王城の図書館に通い王政に関する本を読み漁っているそうだ。更に以前にレンの口から出た、二代目国王様が残した唯一の情報である日記帳も発掘して、読んだみたいだ。

 報告を受けた際に、レンは感心だなぁ~と思っていた。



 一方、弟のシオンは貴族学校に入学後に、自身に近づいて来た貴族家と王都に遊び歩いているようで、街での態度は非常にまずいものだったようだ。

 街の人からは、


「レン王子とは大違いだ!」

「何なのあの態度、私たちを下に見て!!レン様と大違い!あんなが王位に就くなんて絶対にイヤ!レン様支持!」


 とまぁ~~ハットリ家の調査でもかなりの苦情が出ている。そういうことを加味して、王政に関わらせる順番は、マホが先だとレンは判断した。


 その旨を、トクヤに伝える。


「シオンの普段の生活態度を見て、彼自身が生活態度を改めない限りは王政に関わらせるべきではないという僕の判断です」

「生活態度??」

「はい、貴族学校で自身の取り巻きとして重宝している貴族家の連中と街に遊びに出ては、街に人を困らせているようです」


 レンは、ハットリ家から受けていた報告をそのまま伝えるのではなく、オブラートに包んで伝えた。











「王族は、国民の手によって食べさせて貰っている一族です!そんな王族が、国民を虐げるなんてあってはならないことです!」


 レンは、今時点で、シオンに関して危惧している危険性についてトクヤに伝える。


その時のレンの表情は、非常にガッカリした表情であり、マナは「こんなレンの表情は、初めて見た」と心の中で思った。」


「今のシオンを王政に関わらせれば……シオンの事を気に入らない国民の手によって、シオンが殺される恐れもあります……それに、任命責任を問われて王族打倒のデモが発生して最悪の場合は内戦に突入する恐れもあります」

「じゃが、人材が居ないなら……」










 レンは、キレた。


 溜まっていた物が、爆発した。失政の責任を全く感じていない彼の父上のトクヤ。シオンの街での振る舞いに対して、何の注意もしない彼の父上のトクヤ。レンの時は、散々説教したのにシオンの時は何の注意もしない彼の父上のトクヤ。


 何時からだろう、レンが両親から怒られる構図が、レンが父親を怒るという構図に変わったのは。


「いい加減にしろや!てめぇ!王政の失政しかり国民の王族への不満が爆発寸前になっている元凶は、お前だろ!トクヤ=ラインブルー!!てめぇの仕事振りのせいで、お前の子どもである、僕やマホが尻ぬぐいさせられてんだよ!!その事実に、いい加減気づけや!!この、アホがぁぁぁ!!」


 レンのキレは、ヤバい。


マホは、最初は怯んだが、原因はトクヤにあると解っていたので「こうなったか」という表情でレンに教えられた書類仕事を続けていた。


マナは,レンを止めに入る。


「レンくん!ストップ!それ以上は、絶対ダメ!!後で、私が聞いてあげるから!ここは、落ち着こう!!そっと,深呼吸!深呼吸!」


 レンは、興奮の影響もあり過呼吸気味になっていた。マナは、レンの背中を摩りゆっくり呼吸するように促す。レンの体調の異変に気付いた、マホもレンに椅子に座るように促す。


 レンは、二人に従い椅子に座って落ち着く。


「国王陛下、一時のご無礼失礼します」


 そして、マナはレンに変わりトクヤに忠告する。


「もっと,自身の子どもの様子を見た方がいいかと思います……そして、自分の仕事振りに関しても……今は、自身の不手際の処理をお願いします」

「父上……私からも一言……貴方を父親に持ったことは、私の十年の人生において……最大の汚点です……いい加減自身の失政に目を向けたらいかがですか?何故,レンお兄様があの時、王位継承を断ったのかを、その理由を考えるといいかと思います」



 娘のマホの一言は、トクヤにとってとても心に刺さったらしく大人しく書類仕事に勤しんだ。


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