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74. うつけは黙らせる!

 オレジアナ公国・グリアナ帝国・ラインブルー王国の三国間で、締結した『関税の税率の引き下げに関する三国間条約』に関して、大臣達から激しい非難を受けているレン。

 恐らく、スズカも公国に帰国して、父上や兄上に同じように非難の嵐なのかな?っと考える。











 これは、ある種の踏絵みたいな物だ。この条約の本当の狙いを国王である父上初め、大臣達が気付くかどうか。

 それが、今後の作戦行動を行う上で、『戦力になるか・戦力にならないか』の見極めになると踏んでいる。


「レン様!あなたは、何を考えていらっしゃるんですか!!ただでさえ、関税の税率を下げることだけでも王国として痛手なのに!!オレジアナ公国にまで、条約を履行させるための監視役になっているんですよ??」


「レン様!この条約を締結して、今後王国をどうなさるおつもりですか??王国は、レン様の所有物では無いですよ!!大臣職の辞任も考えてください!!」


「やはり、レン第一王子では経験不足です!国王陛下!レン王子の大臣職の解任をお考えください!」



 おっとと!解任のお話まで出てくるとは!特大のブーメランになっていますよ?大臣方?


 非難を聞いているのも面白かったが、言われぱなっしも癪だし、そろそろ反撃するか!!


 レンは、立ち上がり右隣に居るマナに向かって、右目でウィンクをした。マナも左目でウィンクを返してきたのを確認したレンは、答弁台に移動した。










 さぁ!反撃の時間だ!










「僕のことを非難している大臣方に質問ですが~~!今回の条約に関して何が、問題なのですか?」


 レンの問いに、サヨ以外の大臣は「やはり、政治の世界ではあまちゃんだな」という考えをもったのだろう。

 逆に、サヨは気を引き締めた。


「レン様!何が、問題って、関税の税率が二十%に大幅に下がったのですよ!これにより、グリアナ帝国から安い製品が、王国内にどんどん入ってきて、王国の農業や工業に関しては大ダメージを受けますよ!貴方が、大事にしたいと言った国民に」

「君!教養ないね!質問に関して、内容が薄いもん!まるで、例文をそのまま読み上げているよう!もっと、自分の言葉で質問しなよ!」

「なっ!そのような言い方は!」


 レンに質問した大臣は、頭に血が登ったようだ。


「待て!……レン!挑発するような言葉遣いは辞めなさい!君も、挑発に簡単に乗らない事!!」

「はぁ~い!すみませんでしたぁ~父上!」

「申し訳ございません」


 珍しく、国王らしい事をした父上に関心を抱きつつ、質問に答えようか。


「では!君の質問に、答えましょう!」

「ふざけないでくださいよ??」

「ふざけない!ふざけない!では、大臣!貴方に、質問です!現在の王国において食料自給率はどれほどでしょうか??」

「そんなこと、大臣を務めている者なら誰でも知っていますよ!王国において、昨年の食料自給率は三十二%です」

「だよね!昨年の食糧自給率は三十二%!逆に言えば、それ以外は全て輸入に頼っている状況です」

「そうですけど、それが何か?」

「続いて、質問です!王国において、最大の食糧の輸入相手国は何処でしょうか?」

「グリアナ帝国です」

「最後の質問です!グリアナ帝国との貿易に関する関税の税率を下げることで、何か王国の民が不利益をこうむると??」

「王国産の食糧が、民に行き渡らなくなります」

「いやぁ~王国産の食糧は、今現在でさえ、殆ど税として貴族に納めないといけない状況なんだから国民が、普段食べている食糧の殆どが、外国産だよ?国産の食糧は、誰のお腹の中に消えているのかな??」

「いっいや……」

「しかも、外国産の食糧に関しては、王国が高い関税をかけているお陰で、他国は王国に売り渋る状況だったんだよ??国民は、せっかく自分で育てた食糧は、貴族が殆ど持って行って頼みの綱である外国産の食糧は、王国がしょうもないプライドにかまけて、高い関税を掛けて王国内に入りにくくしてる!国民からしたら『ふざけるな!』って状況だよね!」


 質問してきた、大臣もどう返せばいいか悩んでいる様子だ。最後の追い打ちを掛けるか。


「ちなみに、工業に関しては元々王国は、工業国なので王国内で作った物を外国に売るつまり、輸出できるだけの余裕はあるということです……はい!関税の税率を下げる意味がない理由を教えてくれるかな??」


 質問してきた大臣は、「参りました」と言わんばかりに、何も言わずに頭を下げて下がって行った。

 すると、「俺が変わる!」っと言った表情で、」別の大臣が、答弁台に移動してきた。


「レン様!この条約において、一つ重要な問題があります!」

「何かな?」

「この条約に、オレジアナ公国を含めた『三国間条約』になっていることです」

「何処が、問題なのかな?」

「我が王国は、長年オレジアナ公国と対立してきました!この、『三国間条約』条約の履行のためにグリアナ帝国とオレジアナ公国の二国の監視があるということです!」

「それの何が、問題だと?」

「簡単ですよ!対立してい国にも監視されている状況こそ、問題なんです!」


 あぁ!この大臣、報告書しっかり読んでいないなぁ~~。


 レンが反論しようとした所、サヨが挙手をする。

 父上は、サヨを指名して答弁台に移動させる。


 おいおい、いくらサヨとは言え二人の大臣と同時に答弁するのは、嫌だぞ。そう思っていたが、サヨはこの質疑に飽き飽きしていたのか、


「大臣!この『三国間条約』に関しては、オレジアナ公国側もグリアナ帝国との貿易に関しての税率を下げることになっていて、その履行に関しては、グリアナ帝国と我が王国が監視するという条約になっております!つまり、あなたが、指摘しているようなオレジアナ公国が王国というような一方的な監視では無く、王国からオレジアナ公国も監視しているという相互監視状態であって、今とまったく変わらないと思いますが、その点に関しては、どういうご意見をお持ちでしょうか?」

「いや、そんなことレン様は、一言もおっしゃっていないではないか!ですよね!レン様?」


 おう!おう!都合の良い時だけ、味方になれってか!調子よすぎるだろうよ!


「いや、サヨ大臣の言う通りだよ?先に、ハットリ家の者に送らせた報告書にそう言った記載はしてあるし、わざわざ、答弁の場でいう必要無いと思って言ってないだけ!だって、既に報告書には記載済みなんだから!それに関しては、頭に入った上で答弁に挑んでいるという前提条件だったんだけど?」

「ですが……」

「記載されていたという証拠は、外遊に同行していないサヨが今回の条約の細部まで、知っているということ!」


 レンは、次の事を大臣達に求めた。











「今後、質疑に関しては、報告書に記載されている者に関しては一切答えません!もっとしっかり、質問内容を考えて質問してください!時間の無駄です」


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