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72. うつけの策略!

 王都へ帰っている最中に、今回の外遊に関してレンが描いていた思惑をコノハから問い詰められているレン。グリアナ帝国への訪問に関しては、コノハを無理やり納得させた。











 そして、次は、アクア国軍基地への訪問に関しての説明を求められている。


 コノハは、獲物を狙う肉食獣と言った様子で、下手な受け答えは許されないと思える程だ。


「それでレン様、アクア国軍基地では何を企んでいいらっしたんですか??」


 アクア国軍基地への訪問の理由は、簡単だ。王国内一の国軍基地を掌握することだ。ここを掌握すれば、王国内にある、他の基地勢力の一つか二つは、レン側に付くだろうと踏んでいる。


 では、どのようにして、軍を掌握するか……


 兵士の家族を人質に取る??もちろん、論外だ。


 じゃ、どうすればいいか??簡単だ。


「アクア国軍基地への訪問の大きな目的は、そこを掌握すること!王国内一の軍基地を掌握すれば、周辺の一つや二つも、僕側に付くでしょ??」

「確かに、王国内一の基地をレン様が、掌握すれば周辺の小さな基地は、レン様側に付くと思います……ですが、どのように掌握したと??」








 レンは、コノハにクイズを出す。


「何かの施設を掌握する方法は??」

「代表をこっち側に、付けたり、代表の家族を人質に……」

「ストップ!コノハ、人質はダメだよ!!!僕は、オーティズ公爵家の一件で、彼を公開処刑にしているから同じ手法を取れば、国民に対する裏切り行為だ!……もっと、手っ取り早い方法があるじゃんか??」

「………??何か、ありますか??」

「代表を僕側の人間に、すれば早いじゃん!!」

「ですが、そんなに都合よく……もしかして、セペス伯爵の横領に関しても、事前に情報を掴んでいたと??」

「掴んでいましたとも!!何せ、僕には、ハットリ家という強い味方が付いてくれていますから!!そう言った情報は、事前に入手出来るからね!!」

「今回は、運よくって言っていいのかわかりませんが、セペス伯爵が横領していて解任からのマテオを代表に据えることが出来ましたが、不祥事が無ければどうするおつもりだったんですか??」

「えっ?無いなら作ればいいじゃん??」

「レン様……笑顔でサラっと怖い事言わないでくださいよ……」

「それに、この王国内で裏工作をしてでも、権力掌握しないと行けなくなることは、ほぼ無いと思うよ??」

「確かに……この王国内で不正していない貴族なんてごく僅かっていう程ですもんね……」

「重箱の隅と突けば、表立って不正していない貴族にも不正が、発覚するかもね??」

「本当に、レン様怖い事言わないでください」


 続いて、代表に据えた人物がマテオの理由に付いて尋ねてきた。コノハ的に、マテオを代表に据えた理由に関して説明を求めて来た。


「では、レン様……アクア国軍基地の新代表をマテオにした理由は、なんですか??レン様側の人間って条件ならリーヴァンやリーナかと思っていました」

「僕に近かったら誰でも良いって訳じゃないよ??軍基地の運営は、かなりの専門性を求められる…その時点で、情報収集や裏工作が専門のリーヴァンは、除外される!それに、リーヴァンという人材は、傍に置いておきたいから!!」

「では、リーナは……無理ですね」

「ちょっと??コノハさん??」


 コノハも同じ意見で、助かった。コノハは、まだ、会談の席の経験が浅い。

 会談の経験になればと思い、レンと分担して、行った各貴族領への訪問も会談に関しては、同行していた、リーヴァンとマテオに任せて街に遊びに出ていたそうだから、会談の経験は皆無に等しい。


 そんな、コノハに代表を任せればと考えると……胃が痛くなる。


「とまぁ~~色々な事情を考えれば、マテオが適任でしょ??」

「……納得です!マテオならある程度の結果は、残してくれるでしょう」

「まぁ、上手く行くと思うよ??少し、スパイスも加えたし!」

「スパイス??」


 マテオが、アクア国軍基地の代表として上手く行くように、少しばかりスパイスを加えておいた。


「そうだよ?スパイス!僕が、三人に人事異動を伝えた場所は、何処だったかな??」

「!!!!」


 コノハも理解したようだ。


「兵士が集まる場所で、通達していましたよね??」

「そそ!皆は、僕のことを『首相』として見ているけど、他の人たちは、『第一王子』という目でみるでしょ??」

「『第一王子』からの勅命となれば、兵士たちもマテオに付いて行くと!」

「うん!後は、マテオが上手く運営してくれることを願うだけだねぇ~~!!」











 話をしていると、馬車は王都の街に入ったようだ。商店街などが見え始める。王都の街に入るタイミングで、リーナを降ろした。

 まだ、実家の方で、手伝いが残っているそうなので、事前に到着予定を聞いていたオノフェス家の迎えの馬車に乗り込み実家に帰って行った。


 馬車は、走り続け王城が、近づいて来た。


「はぁ~~約二週間ぶりの王都!!疲れたなぁ~~」

「ほんと!疲れたよ!!」

「マナは、王城まで行く??」

「うん!溜まってる書類仕事少しだけでも片づけたいし!!」

「じゃ、今日は王城に泊まっていきなよ!!」

「うん!そうする!!」


 馬車は、王城内に入り城の入口で止まった。スバルは、緊張で顔面蒼白だ。


「スバル?緊張しすぎじゃない??」

「だ、だって、初めて国王陛下と謁見するんですよ??緊張しない方が.おかしいですよ!!」

「僕の時は、緊張しなかったじゃんかぁ!」


 レンは、何故そうなったか、解ってはいるが、いやらしく答える。


「だって!あの時は、レン様に許して頂くのに必死で……別の意味で、緊張しましたよ!!」

「あはは!慌てすぎ!慌てすぎ!」


 レン達は、王城に入る。


「「「「おかえりなさいませ!!レン御一行様!!!!」」」」

「ただいまぁ~~!!」


 荷物をメイドに、渡す。



「レン、お帰り!初めての外遊お疲れだ!」

「ありがとうございます!父上!」


 約二週間ぶりに、父上と顔を合わせたレン。父上は、居ると思っていた人に変わって、見知らぬ人が居ることに興味を示す。


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