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69. うつけは責任重大……!

 マテオから,ベルが第二子を妊娠したことを報告してきた。リンちゃんの嬉しそうな表情は可愛いと思う。


「ベルさん!マテオ!おめでとう!マテオぉ~~子どもが増えるってことは,節約しないとねぇ~~?白米弁当を一カ月続けよう!!」


 お祝いの言葉をマテオに向けて,送る。


「レン様!前半のお祝いに関して,感謝します!!」

「後半の,白米弁当が一カ月に,シレっと伸ばそうとしないでくだい!!」

「でも,妊娠した奥さんに,毎日・毎日,家事させるのは,どうなのかなぁ~~??ねぇ~?ベルさん??」


 僕は,ベルさんの方向を見て微笑みかける。


「そうです!レン様!良い事言ってくれました!マテオ!白米弁当二ケ月でいいよね??」

「また,一カ月伸びてる??!!リンの時も,家事手伝ったんじゃないか??」


 どうやら,本当に白米弁当が,二ケ月続くことになりそうな予感がする。レンも何か手助けしたい所だが,王族である身の人間が,手助けすると邪推する人も出てくるだろう。


 ホント,王族ってつまんない。


 色々,雑談を行っていたが,マテオとベルが頼みたい事が,あったことを思い出したようで,改めて真剣な顔をしてきた。


「レン様に,恐れながらお願いがあります……!」

「内容によっては,チョッキン??」

「だから!レン様がそれすると,冗談に見えませんよぉ~~!!」


 何で,こんなに怖がられるんだろう??王族だから??やっぱり,王族が冗談言っても,冗談に聞こえないのかな??発言には,気よ付けないとなぁ~~











「レン様へのお願いは,産まれてくる子どもの名付け親になって頂きたいんです!!失礼なお願いかと存じますが,お願いします!!」

「ホヘ?!名付け親??誰が??」


 名付け親を頼まれたレンは,誰が見ても解るように動揺している様子だった。


「レン様にです!レン様に,産まれてくる子の名付け親になって頂きたいんです!!」


 うん……。聞き間違いでは,無かったようだ。

 

責任重大だじゃね??

名前って,親から子どもへの最初の贈り物だよね?それをレンが??えっ大丈夫なの??もし,大丈夫だとしても,マレーロ一家のレンへの忠誠心ヤバすぎないか??


取り敢えず,マレーロ一家で名前を考えるよう提案してみるか!


「いや,名前は親から子への最初の贈り物だ!マテオとベルさんで,相談して決めなよ!」

「主人と相談して,レン様に,この子の名付け親になって頂きたいと思いました!ですので,この子の名付け親になって頂けませんか??」


 相談済みなんだね……。でも,そうだよな~~このお願いは,相談済みじゃないと出来ないか。


「それにしてもさぁ~~マレーロ一家の僕への忠誠心あり過ぎないか??まっまさか,裏切りの予兆だったりして……??」


 レンは,わざとらしく裏切りを疑ってみる。

 マテオは,アワアワしだして,ベルさんはマテオに『あんた!レン様に何かしたの??』と言って,軽く修羅場になっていた。


「レンくん……軽く修羅場が,完成しているけど??」

「あははぁ~~面白い展開になっているねぇ~~」

「元凶は,レンくんでしょ??」

「えっそうなの??」

「いや,どう見てもレンくんが,元凶でしょ??責任持って納めなさいよ??」

「ほい・ほ~い!」


 そろそろ,納めないとマテオが可愛そうに思えてきたので,止めに入る。


「ベルさん!マテオは,何もしてませんよ??僕が,イジっただけです!」

「何だぁ~~良かったぁ~~」


 さぁ,本格的に理由を聞くか~~


「所で,僕に名付け親になって欲しい理由を聞けるかな??」

「はい!私たち一家は,レン様に命を救われました??」

「ほへ??僕,そんな大それたことしたっけ??」


 レンは,本当に心当たりがないようだ。頭をキョトンと傾けている。何かしたかな??


「いや,オーティズ公爵家の件で,人質にされていたリンとベルを助け出してくださったじゃないですか!!」

「それをしたのは,リーナが率いる部隊が助け出したと思うけど??」

「ですが!レン様が,私たち家族を見捨てず対応して頂けなければ,私たちはここに,居なかったかもしれませんし,お腹の子も誕生しなかったと思います」

「レン様!どうか,産まれてくる子どもの名付け親になってください!!」


 マテオとベルの決心は固いようだ。


「リンちゃんは,どう??」

「う~~とね,リンは,王子ちゃまにならいいよ!!」


 レンは,思った。リンちゃんにも認められたら,名付け親になるしかないと……


「あぁ~~もう!解ったよ!産まれてくる子どもの名付け親になるよ!!」

「「ありがとうございます!!」」

「その代わり,名付けた名前が気に入らなくても文句は,マテオに言えよ??」

「はい!わかりました!」

「はい!っえ?レン様?今,何と言いましたか??」


 ベルは,納得したようだ。しかし,マテオは最後の部分が引っかかったのだろう,レンに突っ込む。


「えぇー,文句ぐらい,マテオが引き受けてよ!!」

「まっまさか,レン様,変な名前を付けるおつもりで??」

「僕が,するとでも??」

「レン様は,悪知恵が働く所が,ございますので……」

「そんなこと言うなら,名付け親になってあげなぁ~い!!残念だねぇ~~リンちゃん??」

「パパ!ひどいぃ!!もう,あそんであげない!!」

「リン~~!!」

「パパ!王子ちゃまに,『ごめんね』しようね??」

「ほらほ~ら!リンちゃんが,こう言っているよ??」


 レンは,リンちゃんに乗っかりマテオを煽る。どうやら,娘を味方に付けられたら叶わないようだ。


「レン様……生意気言いましたすみません」

「パパいい子!!」









 あぁ!責任重大だなぁ!良い名前考えないとね。


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