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65. うつけの国軍基地視察!

「レン様!ここが,食堂となっていまして,兵士達にとっての憩いの場となっています!」

「へぇ~~どんな,食事を提供しているのかな??」


 現在,レンは,セペス=フルーム伯爵に基地内を案内して貰っている。レンは,セペスと話してマナは,レンとセペス伯爵の会話の内容をせっせとメモしている。リーナは,いうとレンとマナに同行しているものの『つまらなさそう』にしている。


「リーナ!少しは,話に興味を持て!!」

「だって……こういうお堅い視察は,専門外で……」

「じゃ,この前の各貴族領を訪問した際,視察はどうしてたんだ??」

「え~~と,リーヴァンとマテオに,任せて……」

「マナ!本気の奴お見舞いして!」

「了解!!」


 パシン♪


 マナの本気のハリセンが,リーナに炸裂した。


「痛い!!マナ!本気でしばかないでよぉ~~」

「文句は,レンくんに言って」

「真面目に仕事しなかった,罰だ!今月のお給与もカットするから,覚悟してね??」

「そんなぁ~~リーヴァンとマテオが,完璧な仕事をしたじゃないですか!!」

「だから,()()()()()()()(),二人に特別手当として,君のカットした給与分を支給するの!!」

「うぐっ!!」

「最初はさぁ~~報告の内容を見て,『リーナも頑張ったんだな~~』って思ったからリーナに,特別手当支給しようと思っていたけど,仕事せずに,各領内の街を遊び歩いていた人に払う給与は無いな??」

「うぐっ!!うぐっ!!」

「働かざるもの,食うべからず!!秘書官になったんだから、しっかり仕事をして貰わないとね??」

「うぐっ!!うぐっ!!うぐっ!!」


 パシン♪


 今度は,レンがハリセンで叩かれた。


「レンくん……リーナの体力は,ゼロに近いよ??追い打ちしすぎ!!それに,セペス伯爵も困惑しているようです」


 マナの一言で,我に返った。セペス伯爵は,『この状況は,どうするべきか』という表情だった。


「あっあの~~レン様??」

「すまない!こちらの話に付き合わせたね!視察に戻るよ!」












 セペス伯爵の案内での基地視察を再開する。


 この基地は,王国内一の規模を誇ることもあり,陸軍・海軍・空軍全ての訓練施設があるため,王国内においても重要な場所なのだ。


 逆に,言えばここを攻撃されれば,王国の軍事能力は大幅に低下してしまう可能性がある。











 最初は,空軍施設を伺う。


 空軍は,ワイバーンを使い空中戦や空中から他国の視察を行ったりする。王国周辺で,空軍を有しているのは,ラインブルー王国とオレジアナ公国の()()()()だ。


「ワイバーンの状態は,どう??」

「はい,日によって体調の変化はありますが,状態はいいです!!」

「レン!あそこの,ワイバーンの様子……少し,気になる」


 リーナは,一箇所に集められているワイバーンの様子が気になるみたいだ。日頃のお馬鹿な行動が,目立つがオノフェス家は,ワイバーンに関しての知識量は王国でもトップを争うのだ。一応,リーナもそんな環境下で育っている。


「うん……レン,ここに居るワイバーン……栄養が足りてない!さっき,状態がいいって報告していたワイバーンも怪しいかもしれない!」

「ありがと!!」

「待って,ください!レン様!お言葉ですが,内政を担当している人間と現場で管理している人間,どちらの意見を信頼されるおつもりですか??」

「確かにね~~本来なら現場で働いている人間を信頼しないといけないね!!」

「でしたら……」

「でもさ!彼女,オノフェス家の人間なんだよね!知っているよね??ワイバーンに関しては,王国内でもトップを争う一族の人間の進言は無下に出来ないよね??」


 セペス伯爵は,驚きの顔を見せている。


 リーナは,オノフェス家の中でも三女。そのため,唯一表舞台に出たと言える機会は,秘書官任命式といった所なので,存在を認識していないことも納得が出来る。


 それに,分担して王国内を視察した際は,王族の直轄地である『アクア』は,訪問していないので顔を知らないのは仕方がないか。


「リーナ??どれ位で,全匹の状態把握できる??」

「ん~~,一時間あれば大丈夫だと思う!!」

「OK!状態の把握が完了したら,直ぐにレンたちに合流すること!!……もし,街に出たら,ハットリ家総動員で捕まえに行かせるよ??」

「流石に,行かないよ!!これ以上,しでかしたら,お父様に怒られる……」

「いや!これまでも,怒られていたんかい!!」


 レンのツッコミが入る。とにかく,この場は,リーナに任せて次の視察の現場に向かう。











 次は,海軍だ。


 海軍を有しているのは,領土が海岸線にある,ラインブルー王国・オレジアナ公国・グリアナ帝国の三国が,王国周辺国で有している。しかし,グリアナ帝国は冬になると,港が凍ってしまうため海軍の規模は,王国と公国に比べるとかなり,劣るのだ。


 海軍といえば,船だ。この世界に,石油は無い。では,どのようにして船を動かすかというとシャークワイバーンに船を引っ張てもらうのだ。シャークワイバーンは,空軍が使っているワイバーンとは先祖は同じだが,進化の過程で,空を生きるワイバーン・海で生きるワイバーンと別れたという通説をオノフェス家の研究者が唱えている。


「シャークワイバーンの状態はどうかな??一応だけど,虚偽報告しても、この後に,リーナに見て貰えば分かると思うから,正直に話してね??」


 隠せないと,察したのかセペス伯爵は,包み隠さずシャークワイバーンの状態について,話し出す。


 海に,作られた二つの飼育スペースのうち一つの方に,居るシャークワイバーンの状態は『比較的』いいとのことだ。もう一つの方に,居るシャークワイバーンの状態は良くないみたいで,治療中だそうだが……


「本当は??治療しているようには,見えないけど??後で,リーナに調査……」

「申し訳ございません……治療は……」

「していないんだね」


 レンは,マナからの指摘もあったためか,表情一つ変えずに次の視察に向かう。


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