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64. うつけのしたたかさ!

 どうやら,レンの笑顔は場合によっては,人を怯ませるみたいだ。今も,優しい(きょうふの)笑顔を浮かべたのに,クロットとスバルは,腰を抜かしている。






「ねぇ?マナ?僕の笑顔って怖いの??」

「うんうん!レンくんの笑顔は,全然怖くないよ??どうして??」

「いやね……優しい(きょうふの)笑顔のはずなのに,この二人物凄く,ビビってるから」

「何でだろうね~~??」


 レンとマナは,「理由がわからない」という表情で居ると,リーナが,ツッコんでくる。


「いや!マナは,レンと常に一緒に居るから慣れてるんだよ!!」

「そうかな??」

「現に,マテオ見てみなよ!!」


 レンとマナは,マテオの様子を確認する。マテオは,産まれたての動物みたいに,足を震えさせながら必死に立っている様子だった。


「マテオ何で,あんな様子なん??お手洗い我慢しているなら行ってきていいよ??」

「いえ……お手洗いでは,ありません」

「「??????」」


 疑問を抱いている表情をしていると,リーナが正解を伝えてくる。


「いや,レンの笑顔にビビってんだよ??レンの笑顔ってさぁ~~場面にもよるけど,怖いんだよ!!純粋に楽しんでいる時の笑顔は,良い笑顔なんだけど,それ以外は物凄く怖くなるんだよ??少しは,遠慮してよ!!ワンチャン,チビる人が出てくるかもしれんし……」

「おい!一応、女の子だろリーナ!言葉を選べ!!」


 パシン♪


 初めて、リーナにハリセンでしばかれた。マナに、比べると全然痛くはないな~~。


「ところで,レン!二人を……」











 リーナの一言で,クロットとスバルを見ると恐怖に満ちた表情をしている。何か,悟った表情をしている。


「お二人とも!誰の差し金??こんなにビビるということは,貴方たちが,主導したってわけではなさそうだね??背後に,誰かいて僕との板挟み状態なんでしょ??正直に話しなよ??君たちの背後に,居る人間と僕とで,どっちが強い権力(ちから)持っているか考えててみたら??」


 この後の内容は,二人の耳元で小声で伝える。




「今,僕に付いたら君たちの家族は,王国が保護しよう」




 クロットとスバルの二人は,この言葉で決心を固めたようだ。


 男爵のスバルが,話し出した。


「背後に,居るのはセペス=フルーム伯爵です」

「爵位を盾にされたか??」

「それもあります……いや,爵位を使って脅されました」

「どのように??」

「私とクロット子爵は,本家の次男で家は継げないのです……そして,家族を養うためには国軍の指揮官として生計をたてているので,ここでの職を失う訳にはいきません……片や,セペス伯爵は本家を継いでいる人ですので,ここで失敗しても本家に戻れば……」

「そこまででいいよ!ある程度は,事の背景は理解した」


 なるほどね~~確かに,ハフマン子爵家とペーニャ男爵家は,裕福な家とは言えないが,領内の領民想いの統治を行っていると聞く。片や,フルーム伯爵家は,裕福みたいだが,領民からはあまり好かれていないという報告受けていたな……


 そりゃ,家族を守るためならそうするか……


「二人に,協力してもらいたいことがある!」


 レンは,マナにメモを三通貰った。


 まず,マテオに一通のメモを渡す。


「このメモを視察に出ているリーヴァンのもとへ!陰で,見ているハットリ家の忍に渡せば運んでくれるはずだから!」

「かしこまりました」


 マテオは,部屋を出て行った。


 残り二通のメモをクロットとスバルに渡す。


「ここに,書いていることを履行して欲しいんだけど??お願いできるかな??」


 クロット子爵は,尋ねてくる。


「これを,履行すれば家族の命は……??」

「さっき,マテオに渡したメモは君たち二人の家族を保護するように街に居るレンの部下への命令を書いたメモだ!安心しろ!レンは,国民のために働く人には優しいからね!逆はさぁ~~これまでのレンの行動見たら解るよね??」


 パシン♪パシン♪


 あっ!痛い!この,叩き方はマナだな……


「レンくん……しれっと,脅さない!!」

「脅しているつもりは無いけど??国民の為に,働けとは言っただけだけど??」

「いや……言い方だよ!最後の言い方は,相手に恐怖を与えるだけだよ??」

「あはは!言葉って難しいね!この前も言葉のすれ違いで,喧嘩しちゃったもんね~~あはは!」


 言葉の使い方,本当に難しいなぁ~~まぁ,二人にはしっかり働いて貰うか!!


「じゃ!二人の働きに,期待しているよ??よろしく!!」

「「ははっ!!」」


 二人が,部屋を出て行く。それと同時に,メモを渡し終えたのであろうマテオが帰って来た。


「ありがと!マテオ!」

「二人は,仕事に??」

「出たよ??いい仕事したら,マテオの配下にでも入れようかなって考えてる!!」

「貴族家を配下は,重圧が……」

「王国において,貴族は形だけ!!身分は、同じ平民なんだから!気にする必要なし!!」


 取り敢えず,二人がどういう働きをするか少しきたいして,残り少ない休憩の時間は……リーナの教育に充てるとするか!!


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