表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

63/350

63. うつけの対策!

 コン♪コン♪コン♪


 部屋の扉がノックされた。


「は~~い!!」


 よっしゃ!私の仕事が来た!と言わんばかりにリーナが,扉を開けてここに来た人物を部屋に招き入れる。うん!リーナ!色々と手順吹っ飛ばしてるね!!まずは,誰が来たかを尋ねないと!!扉を開けるのは,それからだぞ??


 今回は,誰がこの部屋に来るかが解っているからいいものを……







「失礼します!レン様!只今,到着しました!!」


 部屋に,来たのは,マテオだ。一礼をして,入ってくる。礼儀作法だけならマテオに負けているぞ!リーナ??


 おっと!まずい!レンは,マテオに向かって『シー』ポーズをして声量を下げるように指示を出す。マテオは,レンの意図をすぐさま汲み取った。


 マテオは,レンに耳打ちをした。


「レン様!盗聴器を隠すなら,あそこの家具の裏辺りが,怪しいかと……」

「ありがと!」












 この世界に,魔法は発展していないが,存在はしている。ただ,魔法を使って『ファイアーボール』等々の攻撃魔法??は無理だが,盗聴器等々の小物や食べ物の冷却保存などは出来るのだ。


 マテオに,アドバイスされた箇所を探したら……


 案の定,盗聴器を発見した。


 レンは,マナとマテオに見つけた盗聴器を見せる。すると,二人は,レンの近くにやってきた。リーナも恐る恐るの足取りで近づいて来た。


 ここでも,小声で話すように,ジェスチャーで指示をした。リーナも意味を理解してくれた!レンは,ナイスの意味も込めてウィンクをリーナにした。


 すると,マナは嫉妬を含めた視線を送って来た……


 あっ!これ,王都に帰ったらお話しないといけないパターンかも……


「盗聴器ですね……」

「やっぱりあったね……」

「ところで,マナ!これどうする??」


 この世界の盗聴器は,そんなに精度自体は良い物ではないのだ。小声で話せば,盗聴出来ない。逆に言えば,普通の声量で話していたら普通に会話を拾ってしまうのだ。


 今,レンのマナは『悪だくみ』を考えている。その表情はまさに,『腹黒夫婦』(はらぐろコンビ)と傍から言われることが,納得出来ると言った表情だった。


 この場に居た,リーナとマテオは,この二人を敵に回すのは良くないと察した瞬間だったようだ。











 レンとマナは,良い笑顔(わるいえがお)を浮かべて盗聴器に向かって声を張って話し出す。


「えぇー,この盗聴器を使ってよその部屋で,聞いている人へ!!人の休息のための部屋に盗聴器を仕掛けるとは,良い度胸ですな~~!!ここで,仕入れた情報は,何処に流すのかな??それとも,反乱にでも使うのかな??」


 レンとマナの周りには,どす黒いオーラが出ている。この,雰囲気にリーナとマテオは,少したじろいでいる。


「それで、これどうしようか??」

「取り敢えず,証拠として押収は確定でしょう!」

「それで,今,傍聴している人間は下っ端だろうから忠告しよう!!今から,十分以内にこの部屋に来たらこの罪は罷免するかもね!!もし,来なかったら『国家反逆罪』として,一族諸共……ここまで,言ったら理解出来るよね??」


 ガコン♪


 そこまで,言い終えると盗聴器の原型は残したまま,壊した。盗聴器自体は,証拠品としてリーナに渡して処理して貰うことにする。


 マナは,急いでメモを書いている。











 盗聴器を壊してから,五分程度が経過した頃。


 コン♪コン♪コン♪


 部屋の扉がノックされた。


「あっあの!」


 恐らく,盗聴器を使って傍聴していた人達だろう。扉の向こうでは,急いでここまで来たのだろう。息を切らしている様子だ。


 マテオが率先して出迎えてくれる。


 部屋に,軍服を着た二人の軍人が入って来た。軍服を着ているということは.貴族か……軍服の紋章を見るに男爵・子爵の貴族家の連中だろう。


 あの,セペス=フルームに爵位の序列を盾に使われたという所か……セペスは,一応,伯爵でこの二人より爵位は上だし。


 二人の剣や盾は,マテオに回収させている。万が一,レンの命を狙ってきた時のために,マテオが剣に,手を置いて,いつでも抜ける体制でいる。


「取り敢えず,自己紹介して??」












 順番に,自己紹介を始めた。まずは,子爵の方からだ。


「私は,クロット=ハフマンと申します……爵位は,子爵です……この度は,申し訳ございません」


 続いて,男爵の方が自己紹介をする。


「はい……スバル=ペーニャと言います……男爵です……誠に,申し訳ございません」


 クロットにスバルかぁ~~爵位の序列で逆らえなかったんだろうな~~逆を言えば,人の地位を重んじる人物は,扱いやすいんだよな??


「二人さぁ!何で,こんなことしたのかな??正直に,話しなよ??誰かからの命令?それとも,個人の判断?」


 問い掛けに,男爵のスバルが答える。


「私たちの個人の判断です……」

「ほんと??正直に,話していいよ??今なら,まだ,君たちの大事な物を守れるよ??ここで,虚偽の発言があった場合知らないよ??」


 レンは,笑顔を浮かべて問い掛ける。優しい雰囲を作って,話しやすいように!誰が,見ても優しい(きょうふの)笑顔を浮かべて!!


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ