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62. うつけの視察!

 現在,僕,レン=ラインブルーを含む一行は,グリアナ帝国での『三国間条約』を締結後,本国への帰国の途に就いている。


「なぁ~~レン!後二日程,帝国に滞在しても良かったやんか!!今回の外遊の期間まだまだ残っているじゃんか!!」

「うるさい!!リーナは,帝都観察出来たからいいよな??僕は,遊びに行けなかったんだよ??」

「やから!すること終わったんでしょ??だったら,レン・マナ・私の三人で帝都に遊びに行けばいいやんか!!」「今回の外遊の目的は,条約だけじゃないわ!!」

「えっ??他に,あるん??」

「あるから,条約結んだら直ぐに,帰国してるの!!それに、他に用事が無くとも,今の王国の実情的に長く『首相』が国を開けることは,あまりよろしくないんだよ!!」

「えぇ~~めんどくさい!!」


 リーナは,後数日は帝国に滞在していたかったみたいだ。馬車の中でわがままを言っている。


「ところで,リーナさんやい??」

「なに??」

「頼んでいた仕事は,完璧にこなしたんだろうね??」

「もちろん!!」

「じゃ,報告楽しみにしてるよ??」

「変なプレッシャーを与えないでください……」


 現在,レンたちを乗せた馬車は,既に,帝国と王国の国境を越えて王国に入っている。目的地までは,もう少しといった所か。


「なぁ~~レン!何処,向かってるん??」

「アクアだよ??」

「アクアに何の用が,あるの??」

「問題です!リーナ!アクアには,何がある??」

「え~~と……王国内一の国軍の基地があって,各貴族家の中で,軍の指揮を任された人と軍人が居る場所でしょ??」


 アクアの街に,領主の貴族はいない。それは,アクアの街は,王族の直轄地となっているからである。


「何の目的が,あって行くん??マナは、知ってる??」

「知ってますよ??逆に,リーナは,何で知らないんですか??」

「それ!僕も思ってた!!」

「いっいや~~だって,急遽呼ばれて……」

「でも,移動中とかに概要とか読めたよね??というか,僕……渡したよね??今回の外遊の概要??マナ!今回の外遊の目的は??」

「グリアナ帝国での,女皇ミナミ様との会談とアクアの街の訪問です」

「正解!!」

「じゃ,アクアの街に視察(あそびに)行けるね!!」

「アクアの街への視察は,リーヴァンにお願いするから心配なく??」

「えっ??じゃ,私は何するの??」

「僕とマナに同行して,国軍の基地にいる貴族や兵士と謁見してもらうよ??」


 リーナは,物凄く嫌そうな表情をしている。


「何でよ!!帝国では,私が街の視察役だったじゃんか!!」

「そりゃ!他国のトップの会うんだから失礼出来ないじゃん!!それに,秘書官になった以上、会談の席に同席する経験積んどいてもらわないといけないから!!」

「何でよ??」

「僕は,ラインブルー王国の王族で王位継承権第一位の人間!ゆくゆくは,『国王』になる……となれば,他国の代表との会談には,出られるけど,国内の街への視察は,そう簡単に出られなくなるんだよ??そうなれば,秘書官であるリーナに,名代として行って貰うことになる!その際には,視察だけじゃなく会談もして貰う必要になる!そのための経験を今のうちに,積んで欲しいの!!」

「マナは??」

「第一秘書官のマナは,基本的に僕の隣で業務を手伝って貰う……王国内の視察に関しては,第二秘書官の役目になるの!!」

「よく,わかんない!!」

「マナ!ハリセン!」

「ラジャ!!」」


 パシン♪


 レンの一言で,マナは,レンの時より弱くリーナの頭をハリセンでしばいた。


「痛い~~!」

「安心しな??マナ,僕に対してより大分弱めに叩いてるよ??」

「嘘??」


 レンの説明に,対してリーナは頭を傾ける。これは,王城に帰ったタイミングで,しっかり教育をしないといけないな~~と頭を抱えるレンであった。



 馬車は,アクアの街に入り,国軍の基地に到着した。リーヴァン以外は馬車から降りるとリーヴァンは,馬車を走らせ早速アクアの街へ視察に向かった。


 一方,リーナは,マナに右手を掴まれている。勝手に,視察に行かないように,ある意味拘束して貰っている。


 リーナの不服そうな表情は,ある意味面白かった。


 基地内に,入っていく。


 基地に居る貴族達は,一斉に出迎える。ここだけは,律儀だな。皆,揃って頭を下げている。何か,ヤバい組の組長みたいで,何か嫌だな~~と思いながら,基地の代表と挨拶をする。


「初めまして!ラインブルー王国『首相 兼 教育相』のレン=ラインブルーです」

「ようこそ,お越しくださいました!ここの代表のセペス=フルームと申します」

「取り敢えず,一時間程度休息を取りたい!どこか,部屋を借りられるか??」

「はい!今回,視察に来られると聞いていたので,準備しております!」


 セペスの案内で,用意された部屋に僕・マナ・リーナが入る。


「さぁ!例の物を探そうか!」


 僕の一言で,マナは例の物を探し出した。片や,リーナはまた『ポカン』としている。この,第二秘書官め!!王城に帰ったらコノハコースだな。


 コン♪コン♪コン♪


 部屋の扉がノックされた。


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