6.うつけは三人で王都に出る!
マナとリーナの、レンの秘書官就任が正式に決定した。一般国民と男爵家の人間が、王族の秘書官となったことに貴族達には、動揺が走っていた。
一方その頃、レンはお昼休みに王都の街にマナとリーナと一緒に遊びに来ていた…!
「久しぶりの王都の街、相変わらずだなぁ~!」
「リーナ様は、三年振りの王都の街ですか?」
「そう!三年振り!あの時だよね?私たち三人が、初めて会ったの!レンは、あの時からこうなること狙ってた?」
「どぷだろ??ただ、街の人が楽しく笑える国を作れたらいいなぁ~と思って人選考えたら自然と二人になったよ?」
「ふ~ん?私レンくんとリーナ様と一緒で良かったと思う!」
「ねぇ!マナ!私のことは、リーナでいいよ!様は、要らない!」
「そうだよ!僕は、身分の差なんて、この国から無くしたいと思ってる……それに、リーナも身分の差は気にしないと思ったから二人を任命したんだよ??」
「わかった……リーナ?」
「うん!マナ!これから、親友ね!」
「うん!親友!」
二人が仲良くしている様子を見ていると大変愛おしい!!ふと、ここでレンのイタズラ心が沸き立ってきため、行動に移す。
「リーナ?」
「なに?レン?」
「マナはねぇ~この可愛い猫耳を触ると反応が可愛いんだよぉ~!!」
そう言って、レンはマナの猫耳を触る。
「レンくん??やめてぇ~~くすぐったいよぉ~~笑」
「マナ~可愛い!私も!」
リーナも、マナの猫耳を触りに来た。本当は、猫耳以上に尻尾を触ればもっと面白い反応するんだけど~~こればっかりは、リーナにも話さないと決めたレンだった。
すると、顔なじみの定食屋の店主が声を掛けてくれる!
「おや!レン王子!街中で、二人の女の子とイチャイチャですか!この、女たらし!!」
「あっ!マルクスさん!イチャイチャじゃないですよ!あの二人見てると癒されません?」
「あぁ~確かにな!ところで、今日も食べてくか??」
「はい!食べていきます!」
レンは、店主の営業に乗っかり、定食屋さんで、ご飯を食べていくことにした。じゃれ合っている二人に声をかけ一緒に定食屋に入る。
マナは、不機嫌な顔でレンを見ている。
「マナ?何で怒ってるの?」
「レンくん……人前で耳を触らないでって言ったじゃない!」
「ごめんって!!だって二人に仲良くなって欲しかったもん!」
「次やったら……絶対許さない……」
二人と仲良く話していると定食屋に訪れていた街の人から声を掛けられた。
「ところで、王子様!秘書官に、侯爵家以上じゃない人を任命したんだって!」
「聞いた!聞いた!その意図は!」
「そうだよ!ここに居る二人を任命した!一人目は、皆が、知ってる可愛い猫耳がチャームポイントのマナ!」
「「マナちゃーん!」」
「二人目は、お隣のリーゼンの街を治めるオノフェス男爵家の三女リーナ=オノフェス!ただのアホです!!」
「おい、コラ!!ただのアホってどういうことだ????」
「「リーナちゃーん!」」
「二人とも、僕が信頼して任命した秘書官!」
「それで、それで、どんな国にしたいの?」
リーナの抗議の声は、一瞬でかき消されたので、リーナは諦めて席に座りなおす。
レンは、少し間をおいて答える。
「僕はねぇ~街の皆.いや、この国の皆が笑顔で過ごせる国を作りたいと思ってる!貴族が笑う国なんて要らないよ!僕は、皆が笑っている姿が大好きだから!!」
「「「おぉ~~!!」」」
定食屋に居る人たちが、歓声をあげる。ここで、レンは付け加えて伝える。
「皆、僕が、国家の運営に携わったら色々と改革をしていこうと思ってる……改革は、痛みを伴います……もしかしたら、街の人たちにも苦労を掛けることもあると思います」
「「うん…」」
「改革とは、自分たちの子どもの世代に良い世界を残すために行うのです!身分や種族間に囚われず、自分たちの子ども達に良い世界を残せるように一緒に頑張りましょう!!」
「「「おぉ~~!!」」」
街の人との話を楽しみ、定食屋を出た。レンたちは、拘置所に向かった。
拘置所は、王城から徒歩十分程度の所にある。
今日は、昨日の謁見場でレンが連行を指示した兵士とオーティズ公爵家の処遇を決めるべく二人が拘留されているここに来たのだ。
拘置所の入口で門番をしている人物に、王族のバッジを見せて施設に入っていく。向かった先は、面会室。まずは、二人と話してみたいと思いここまで来た。
面会室に、入り二人を順に呼ぶように指示を出した。
今日の、会話を基に二人の処遇を決めることにしている。二人の処遇の決定権は、レンに一任すると父上から言われている。
さぁ、今から一人目とお話しする時間だ!