58. うつけの事実上の初会談!
現在,帝国から用意された部屋に,僕・マナ・リーヴァンの三人が居る。
リーナは,朝ご飯を食べ終えると真っ先に帝都のシノバンの街に出て行った。本当に,僕の第二秘書官としての仕事は……っと思ってしまう。
「リーヴァン……この名簿に記載されている人物が,現状確認出来ている『ネズミ』??」
「はい……現状は,行動自体は自粛しているみたいですが,いつ動き出すか……」
「定石どおりにいけば,この会談が終われば動き出すと思うよ??」
「それは,何故??」
「簡単な話だよ…『政権の実権』を父上か僕のどっちが握っているかが測れれば一気に動き出すと思うよ??現に,『ネズミ』が静かになったタイミングって,僕が本格手に王政に関わりだしてからだし……」
それを,言うとリーヴァンは『その見方があったか…』という表情を見せた。
うん!『情報収集』は,一人前だけど『情報の分析』は,まだまだだねぇ~という表情をリーヴァンに向けてすると,悔しそうな表情を見せる。
とっここで,疑問を抱いたのだろう……リーヴァンが,質問をしてくる。
「先程,レン様が言っていたこの会談終了後に動き出すなら……なにかしらの手を打たないと……ハットリ家の力を総動員して……」
「そのための,今回の会談だよ??ノンアポで,会談を要求して『こちらは,こんなに怒っています!』という意思表示も込めてね!」
リーヴァンは,少し考えた表情をしている。
「それにさ!王国の大臣連中や父上に,このこと伝えても真面目に対応すると思う??うちの,大臣連中は,グリアナ帝国を格下見ている連中だよ??だからこそ……『ネズミ』連中は,王国内で活動しやすい環境下だったんだから……」
「では,レン様お一人で対応されるおつもりで??」
「王国内の人間でいうなら,僕一人になるね!」
「危険です!せめて,国王陛下だけでも味方に……」
「時間が無い……それに,『行政権』が,僕に移譲された時点で,外交も僕の責任の一端になったからね……父上は,『口が軽い』からね……あまり,このことは話せない」
「どこから,漏れるかわからないってことですか??」
「そそ!この件に関して,詳しい詳細話してんのはマナだけだねぇ~~一部を話してんのは,リーヴァンだけ~~外交の情報ってのは,九十九%以上で確実に,相手国に遂行してくれる確証が得られるまで,情報は,漏らしません!!だって,『外交が国政に大きな影響』を与えるから♪♪」
「レンくん,そろそろ移動しよ??」
「OK!マナとリーヴァン会談に同席してもらうよ!」
「わかった!」
「えっ?私もですか??」
「当り前じゃん!今回は,リーヴァン第二秘書代理!!安心しなよ!今日は,マナが居るから!!」
部屋を出て,会談の会場に向かう。リーヴァンは,会談に同席すると聞かされた時『絶望』の表情を見せた。それほど,法律会議の一件が『トラウマ』になっていそうだ……
「レン様……」
「なに??」
「リーナ様……呼び戻しませんか??」
「いや,あれに会談の席に座らせたら何,しでかすかわからん……取り敢えず,リーナは国内の会談から……だから,頼む!リーヴァン!」
リーヴァンは,『渋々』といった表情で納得してくれた。
グリアナ帝国側から指定された,会談の会場に到着した。門番の兵士が,『驚いた』表情で扉を開ける。僕は,会談の会場に入ると,中には既にミナミ=グリアナが待機していて,傍仕えの人間?官僚の人間?と話し合いをしていたようで,会談の開始五分前に会場入りした僕たちに,かなり『驚いた』ようだ。
これも,ラインブルー王国の政界関係者が,時間通りに来ていなかった証拠だろう。
帝国側は,急いで会談の準備を整えてくださった。
ミナミ様の基に,歩み寄り握手をする。
「ミナミ様!本日は,急な要請にも関わらず会談の時間を作って頂きありがとうございます!また,過去のラインブルー王国の政界関係者が,常習的に会談の開始時間に遅刻していたみたいで……大変,申し訳ございません……」
「いぇ!いぇ!とんでもございません!!」
僕側陣営とミナミ側陣営はそれぞれの国旗が置かれた側に着席した。
「レン様……本日は,一体どういったご用件でしょうか??」
「今日の会談の議題として,二つあります」
今日の会談の目的は,二つある。まず,一つ目を話し合うとするか。
「まず,一つ目の議題として『グリアナ帝国とラインブルー王国両国間の友好』の確認をさせて頂きたいと思います」
一つ目の議題は,両国間の友好に関してだ。
「僕自身…貴国との友好関係は非常に大事と考えております?……改めて,両国間の友好関係を確認しに来ました」
「なるほど……でも,今回は貴方の父上で現国王のトクヤ=ラインブルー様では,ないのですね」
「はい!今回は,僕,レン=ラインブルーが『王国の代表』として来ています」
「名代ではなく??」
「はい!ラインブルー王国の『首相』として,『王国の代表』としてここにいます」
「つまりは,現状王国の実権をレン様が握っていると??」
「内緒です!そこは,ご想像にお任せします」
わかりやすく,帝国側は探りをいれていきた。まぁ,恐らくは父上と僕…どっちが,『王政の実権』を握っているかは理解しただろう。
「ただ,両国の友好に関する話をするのは,面白くないでしょ??こちらとして,貴国との繋がりを強化するための提案もございます!!」
「それは,何でしょうか??」
「現状,貴国との貿易において関税を五十%という結構高い,税率を設けていますが,その税率を二十%に下げることも考えています」
「その提案は,我が国としては,嬉しい限りです」
しかし,流石は,一国のトップだ。この提案の裏を探ってくる。
「その,条件とはなんでしょうか??」
「条件は,二つありますね」
「それは,何でしょうか??」
「一つ目は,我が国との友好関係を今以上に深めて頂きたいと思います」
「なるほど……」
「何か……悩んでいらっしゃいますが,オレジアナ公国との関係も継続して頂いてもいいですよ!!」
「ん?それは,余りにも我が国にとって,都合が良すぎでは??」
「本題は,二つ目ですけどね……」
「二つ目??」
ガチャ♪
部屋の扉が開けられた。




