57. うつけの異国の地での朝!
他国の地で,朝を迎えた。
ここは,グリアナ帝国,帝都のシノバンにある帝城。
昨日に,アポなしで訪問し,会談を要求し本日会談をすることになったので,グリアナ帝国に泊まった。
生まれて初めての他国のお泊り。王国内でさえ王都から出たのは,リーナを秘書官にスカウトする際に出た位なので,なおかつそれが,生まれて初めての王都以外での宿泊だったのだ。
改めて,街に出るのが好きなのに,王都以外の場所に行けてなかったんだなーと自覚をして窓の外を見る。
ラインブルー王国,王都スカイの王城から毎朝見る,景色とかなり違う。
この部屋には,ベッドが二つあり,片方に僕が,もう片方にマナが寝た。ちなみに,決して如何わしい事は怒っていない。
昨日遅くまで,会談していたからだろう……マナは,未だに寝息を立てて寝ている。
片や,僕は普段より遅くに,就寝したのに普段通りに起きている……物凄く,眠いが二度寝しても寝つけないので起きて外の景色を見ていたのだ。
コン♪コン♪コン♪
部屋の扉がノックされた。
「はいはぁ~い!」
「レン様・マナ様!おはようございます!」
コノハが,挨拶をして部屋に入ってくる。僕は,右手で『シー』左手で,寝ているマナを指差す。
「おはよ~~コノハ!」
状況を確認した,コノハは僕と同じぐらいの声の大きさで話しかけてくる。
「マナ様が,まだ起きていないとは……さては,手を出しましたね??」
何か,コノハがいらぬ勘違いをしている雰囲気だ。弁明しないといけない!
「違う!違う!潔白!!ただ,昨晩は,夜遅くまで秘密会談していたから寝るのが遅くなっただけ!!」
「ちっ!面白くない……」
「ちょっと??コノハさん??」
コノハは,舌打ちをした後『面白くない』と吐き捨てた。
それと,同時にマナが目を擦りながら起きあがって来た。
「マナ!おはよ!」
「マナ様!おはようございます!」
「うぅ~ん……おはよ……」
まだ,眠そうなマナは,目を擦りながら周りの状態を確認している。状況を把握したマナは,頬を赤らめて……
「うっうそ!レンくん?コノハちゃん?えっ?私,寝坊したの??」
「落ち着いて!マナ様!!昨日,遅くまでレンくんとお話していたんでしょ??レンくんが悪いよ!!そう!レンくんが悪い!!」
「うん!そうだね!!」
あの一件以来,マナとコノハの二人の間に『同盟』的なものが結ばれている気がする……
「じゃ,僕,リーヴァン捕まえて,散歩してくるよ??」
「レンくん?何で??」
あの~マナさん?こんなとこで,『天然』発揮しないで??
「いや,マナ着替えるでしょ!!僕が居たらダメでしょ!!」
「あっ!!」
そこまで言うと,マナは顔を耳まで真っ赤にしている。
僕は,部屋を出ると周辺警護をしていたリーヴァンをとっ捕まえると,帝城内を散歩する。
散歩を始めて,十五分程経過した頃『青色の鳥』が僕の肩に止まる。
「レン様…この『青色の鳥』は……」
「あぁ……マナのおめかしが,完了して綺麗になったよっていう報告かなぁ~~??」
「何ですかそれ……??」
僕は,散歩を切り上げ部屋へ戻る。
リーヴァンに,一緒に行くかと尋ねるたが,「結構です!」っと即刻断られた。よほど,マナの代理で秘書官を務めたのがトラウマなのだろう……
今度,『気が向いたら』少額の賞与を支給しようと考えながら部屋に戻る。
コン♪コン♪コン♪
「はい!」
「レンだけど??入っていい??」
「いいよ!」
「本当に,大丈夫??入った瞬間にラッキー……」
「「ないです!!」」
女の子二人の盛大なツッコミを受けて部屋に入る。
部屋には,いつも通りの服に着替えたマナが居て,僕が部屋に入るとすぐさま僕の隣に移動する。
「コノハ?帝国側から何か,来てる??」
「はい…今日の午後十三時頃から会談を行いたいと」
「了解~~!マナ,この子お願い!」
肩に乗っていた,『青色の鳥』をマナに託した。
マナは,諸々の作業を終えると『青色の鳥』を窓の外に飛ばした。
「ばいばーい!!」
「終わった??」
「終わったよ!!」
「そう言えば,コノハは朝ご飯食べた??」
「はい!食べました!」
「あいあいさぁー!」
僕とマナは,部屋を後にして朝食を食べに用意された王国専用の食堂に向かう。
食堂に,僕とマナの二人で入り,十三時からのミナミ=グリアナとの会談に関してマナと打ち合わせをする。




