54. うつけとマナの悪だくみ!
今は,グリアナ帝国が用意してくれた,部屋で休息している。
「あぁ~~疲れたぁ~~」
「レンくんお疲れ!」
「尻尾触っていい??」
「……引っ搔くよ??」
束の間の休息の時間に,マナの尻尾を触ろうと交渉するが『引っ掻く』と脅され,手を引く。
この部屋には,僕とマナの二人。
他の二部屋のうちの一部屋に,マテオとリーヴァン。もう一部屋に,リーナとコノハの部屋割りとなっている。この部屋割りを決める際に,僕とマナが同部屋になることは,一瞬で決められた。
その際に,リーヴァンは……
「レン様との同室では,心を落ち着かせて寝ることができません」
コノハは……
「色々と話したい事あると思いますので……二人でごゆっくりどうぞ」
などと言われて,僕とマナは同部屋となった。僕としては,マナと同部屋は嬉しい限りだ。後,この後起こりうる展開を考えると僕とマナの同室は願ったり叶ったりだ。
「マナ?この前は,ごめんね??」
「えっ?なんで今更謝るの??」
「いや,よく考えたら,『ごめんなさい』って言ってないって思ってさ!!一応,言葉で伝えとこうかなって??」
「律儀だね!私も,ごめんなさい!」
「じゃ,正式に仲直りとで!!」
「うん!」
マナと正式に,仲直り出来た。嬉しくて,ハグしたくなるが,恋人関係でないので我慢・我慢!
コン♪コン♪コン♪
すると,部屋の扉がノックすれた。
「は~い!」
「レン様に,お荷物が来ています!!」
執事のリーヴァンだった。
「はぁ~~い!荷物,運び込んでぇ~~」
運び込まれている荷物は,かなり豪華な装飾をされている箱だ。リーヴァンは,「帝国からの贈り物でしょうか?」と問われたので,僕は,彼に「情報収集以外は,からっきしだねぇ~」と言った。
すると,リーヴァンは,少し拗ねて部屋を出て行く。
「レンくん?多分,リーヴァンにも謝らないとね??」
「えぇーめんどい♪」
運ばれた箱を見て,僕とマナは誰が見ても解るぐらいの腹黒い表情を見せる。ここに関しては,僕とマナは息がある。
この時の二人は,周りの人からは『腹黒夫婦』と言われている。『腹黒夫婦』とは,失礼な!!そこは,『腹黒夫婦』でしょ!!
「ところで~~マナ??この,荷物どうする??」
「そうだねぇ~~あの窓から落とすのはどう??」
「おぉ~~いいね!!落とした後,中身がバラけるの見るのは,面白そうだな!!……でも,外交において貰った物をその場で,落とすのはまずいよな……」
「確かにね……う~~ん」
マナは,腕を組んで悩む。
僕は,良い事を思いついた!!
「ねぇ~~マナ??」
「何??」
「あそこに置いてる剣取って!!」
「あっわかった!私の分も取ってくるね!!」
マナから剣を受け取ると,『悪い顔』をして『不敵な笑み』をする。剣を箱に向けると,
「マナは,何処から行く??真上?真横?」
「じゃ,私は真上!レンくんは,真横からお願い!!」
「了解!カウントダウン!!五~四~三~二~………」
カウントダウンを進めていくと,箱が勢い良く開いた。僕とマナは,『計画通り』とニヤッと笑った。
「コラ!コラ!コ~~ラ!!何,刺し殺そうとしとるねん!!」
特徴的な方言……転生前の日本でいうなら『関西弁』だ。そういった,特徴を持った女性を僕は,一人しかしらない……
「ハハハ!だって……箱の中に,女の子が入っているとは思わないじゃん!!」
「それに,レンくんを襲いに来る人を忍ばせている可能性もありますので,取り敢えず剣を刺して問題無いか確認しようと~~」
僕とマナの二人は,相変わらず『悪い顔』をして話す。
「はぁ~~あんたらなら手を組んでもいいと思ったんわ,私の検討違いかなぁ~~」
「そうですか?オレジアナ公国の第一王女のスズカ=オレジアナ様??」
「だってさぁ~~アイコンタクトで,極秘に会談しようってして来たから,誰にもバレない様な方法で来たら,刺し殺そうとしてきてさぁ~~」
「いやいや??部屋に入れても中々出で来ないし……もしかしてと,警戒するのは当たり前ではぁ??」
今,レンくんとスズカ様が話し合っている。口調的に,雑談のように感じるが二人の背後には,どす黒いオーラを感じる。王族級同士の話し合いの場には,初めて立ち会ったが極秘なのにこのオーラ-……正式な場ならどうなるんだろうか……
「でもさぁ~~久しぶりだね~~スズカ??あの後,元気だったぁ??」
「元気やで~~!どこぞの王子と違って,おとなしゅーしとったで!!」
「いやいや~~僕の方が,どこぞのじゃじゃ姫と違って大人しくしてたで!!」
「なんやて~~!!マナはん!どうやったんや??」
「え~~と,レンくんと喧嘩していたので……詳しくは知りませんが……大臣との会議で,他の大臣達をチビらせたり腰を抜かしたりしたとかしてないとか??」
「めっちゃ,暴れているんじゃん!!」
「うるせぇーやい!!あんたも!公国内で,色々やっているらしいじゃない??」
コン♪コン♪コン♪
「レン様?何か,騒がしい様子ですが??」
「あぁ~~ダイジョブ!ダイジョブ!」
リーヴァンが,尋ねてきたので少し黙った後に,スズカが
「さっ!『極秘会談』はじめよっか!!」
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