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51. うつけの外遊!

 グリアナ帝国 帝都シノバン。


「王国の第一王子,レン=ラインブルーが大臣に,就任したと……でも,『首相』とはどういう大臣職は何だ??」

「わかりませんね……帝国の周辺は,皇帝制・王国制・公国制と一族が,国のトップにたつ国だらけですからね……どうしますか?王国に,潜んでいる者たちは……??」

「取りあえず……待機だ!」

「かしこまりました」


 グリアナ帝国は,ラインブルー王国とオレジアナ公国という長年対立し続けている大国に,挟まれた位置にある。


 大国に挟まれた国というのは,必然と両国の緩衝地帯になりやすいうえ,どちらの大国側に,味方するかで国の存続の命運が変わってしまう。


 それに,加えグリアナ帝国は不凍港がない。冬がくれば,たちまち海路が使えなくなるので不凍港を有している両国との関係は,帝国存続のためには必要なので,帝国として()()()()()()()()()()()を維持してきた。


 両国に密偵を忍ばせ,片方の国が帝国に害をなしそうな行動を取った場合に,もう片方の国側に,付いて帝国を存続させたい考えだ。


 現在は,ラインブルー王国に対して,警戒心を強めている。王国は,両国通しの友好を確認する会談の席に,平気に遅刻をしてくる。遅刻をする分には我慢出来るが……遅刻をしても,謝罪の一言もない。横柄な態度に,グリアナ帝国をあからさまに,見下す態度・足元を見た不平等条約……。


 帝国内でも,ラインブルー王国との関係を解消しオレジアナ公国との友好を深めようという意見が,多数を占めるようになってきている。


 ただ,オレジアナ公国側に付いた時に,その報復でラインブルー王国に戦争を仕掛けられたら帝国として一瞬で,滅ぼされかねない……なので,簡単に『中立』の立ち位置を崩せない……



「ミナミ様!」

「なに??」

「オレジアナ公国の第一王女スズカ=オレジアナ様が,お越しになられました!!」

「えっマジ??」

「はい……真のことです」


 オレジアナ公国の第一王女様が,突然来訪されたので,急いで出迎えに向かう。




「これは!これは!スズカ=オレジアナ第一王女様!!本日は,遠路はるばるお越し頂き,ありがとうございます!!」

「こちらこそ,急な来訪に関してはすまない……今回は,両国の友好を確認したい父上の意向が,ありましたので来ました!!」

「はい!では,こちらにどうぞ!!」


 私は,応接間に案内して対談の準備を早急に始める。



「スズカ様!すみません!遅くなりました!」

「ええでぇ~~!急に,来たんは,こっちなんやから気~使わんでええよ!!」

「ありがとうございます!!」


 スズカ様と,両国間の友好に関しての対談をしている。


 しかし,スズカ様はずっと窓の外を眺めている。まるで,何かが来るのを待っている様子だ。


「あの?スズカ様?何かをお待ちになっているのでしょうか??」

「さぁ!何だろうね??」


 スズカ様は,笑顔を見せて答えをはぐらかす。


「ところでさぁ~~帝国は,今後うちと,ラインブルー王国のどっちと友好関係築いていきたいの??」

「それは,オレジアナ公国とラインブルー王国の両国との関係は,維持していきたいですが……今は,オレジアナ公国との関係を発展させていきたいと思っています!」


 これは,両国の人と会談する際に『どっち側に付く?』という質問をされた時に使っている答えの定型文だ。大体,この返答で凌げる。


「あ~あぁ~!また,定型的な返答だなぁ~~!少しは,本音聞かせてよぉ~~??」


 嘘??見破られた??彼女の父上は,ニコニコ笑顔で帰って行くのだが……スズカ様は,一味違いそうだ。


 策を講じて,なんとか関係を維持したいところだ。



「ミっっっミナミ様!!たっ大変です!!」

「なに??今,スズカ=オレジアナ様との会談中だぞ……」

「だからこそ,大変なんですよ!!急ぎ,ミナミ様に対応して頂きたいんです!!」



 スズカ様の顔色を伺うと「どうぞ!行っていいよ!」と言って頂けたので,部屋を出て用件の確認をとる。



「一体,何事だ??今,オレジアナ公国の第一王女と会談中なんだ!!余り,失礼出来ないんだぞ!!」

「そっそれが……」

「はっきり,言ってくれ!!」

「ラインブルー王国第一王子のレン=ラインブルー様が,緊急の会談をしたいと,今現在,帝城にいらっしています!!」

「嘘だろ!!??冗談でも,言っていい事と悪い事あるぞ!!」

「真のことで,ございます!!ミナミ様ご自身の目で,確認されてはいかがでしょうか??」

「わかった……スズカ様に,事情の説明を頼む……」


 何をふざけているんだ??ラインブルー王国の関係者…特に,王族が対立しているオレジアナ公国の第一王女が,居る中,訪問してくる訳がないだろう……なんて思いながら,帝城の入口に行くと……


「あっ!ミナミ=グリアナ様!私,ラインブルー王国の第一王子のレン=ラインブルーと申します!本日は,急な訪問にも関わらず,ご本人自らのお出迎え感謝いたします!!」


 本当に,来ていた!!


「レン様!!お忙しい中,グリアナ帝国までお越し頂きありがとうございます!!すみません…急な来訪ですので,臨時の客間しかご用意できませんが……」

「それで,いいよ!!アポも無しに,来たのはこっちだし!所で,今から会談出来る??」



 レン様は,今からの会談を要求してきた。


誤字訂正しました(*´▽`*)

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