44. うつけの法律会議②!
成人したばっかりの十五歳の僕が,一回りも年上の大臣達に説教をしているという異様な展開が繰り広げられていた……
怒り疲れた。
流石に,そろそろ法律会議を開始しないと終了時刻が余裕で,真夜中になる可能性があるため会議をスタートさせた。
司会は,国王である父上が行う。
各大臣が,議題を上げる。それに,対し各々が意見を述べていくが……
正直,サヨ以外の大臣達の提出するのは,法案という名ばかりのただの,近況報告だった。
更に,絶望する……こんな,しょうもないことをまとめるために,会議に遅刻してきたのか??
いや,そもそもの問題……あいつらは,時間通りに来る気が無かったのか……
ヤバい……眠気が,襲う。必死に,眠気を堪える。サヨも同じく,眠気を堪えている様子だ。
順番は,僕の番になった。
「続いて,レン首相 兼 教育相!」
「はい!」
僕は,立ち上がり答弁台に移動し,リーヴァンに指示を出して,僕が議題に上げる『教育改革基本法案』をまとめた用紙を各大臣に配ってもらう。
配り終えたタイミングで,提出した法案に関して説明を始める。
「今回,提出しました法案は,題名にも記載されている通り『教育改革基本法案』となります」
首相として,実質的な王国のトップとなった身として王国をどのように導くかを大臣達に示す。
「今回の法律は,僕が首相としてこの王国の五つ改革ご飯・行政・教育・軍事・身分を掲げます…そのうちの一つ教育に関する改革の基本法案です」
各大臣達は,法律提案書を見ている。
僕が,まとめた『教育改革基本法案』……
ここには,王国内で必要であると判断した教育改革に必要なことをまとめている。
まとめた内容の一部は,以下の通りだ。
・王国内の全員の子ども(身分問わず)に,十歳から十四歳の五年間,学校に通い『読み書き・算術・政治学』を学ばせることを親の義務とする。
※これは,義務のため履行しなくても罰則は設けない。
・上記の教育を行う場として,現在各街にある,『貴族学校』の施設を利用する。
・来年度以降は,『貴族学校』は廃止し,新たに『初等教育学校』とする。
・それに,伴い貴族学校への王族また貴族の入学は今年度を持ち終了とする。
※現在,『貴族学校』に入学している生徒たちは特例で,今年度一斉に卒業とする。
・『初等教育学校』の運営に関する費用は,今まで『貴族学校』に使っていた予算を使用する。
・『読み書き・算術・政治学』に,関する教育内容に関しては,教育相が定めた『教育基本方針』を基にして行うとする
王国内の子ども達が,身分問わずに勉強が出来る環境として,『初等教育学校』の設立を掲げた。
一から施設を作るとなると,莫大な税金が掛かり,国民に大きな負担を強いてしまう可能性があったかつ,王国の貴族学校の施設を利用すればいいと考えた。
そして,教育内容に関しては,教育相にて『教育基本方針』を作成しそれに則り教育係に,教えて貰うこととする法案だ。
『教育改革基本法案』に,関する質疑がはじまった。
司会を務める父上に指名された大臣が質疑をしてくる。
指名されたのは,サヨだ。
「レン首相…何故,王国内の子ども全員に教育を施す必要があるのですか??」
「王国のさらなる発展のためです」
質問されると答弁台に移動して答える。前世の日本の国会の中継で何度も総理大臣が立ったり座ったりしていて,疲れないのかと思いながら見ていたのを思い出す。
「王国の発展とは……どのような発展でしょうか??」
「これまでの王国の教育は,王族・貴族と限られた子どもしか受けられませんでした…その,限られた子どもの特徴として,将来的に国民を引っ張て行く立場に立つことが期待されている子ども達です…これまでは,この教育方針でも王国の経済などは,発展していましたが……ここ数十年の王国の停滞・衰退の実情を見るに,将来的に王国を引っ張る子ども・王国を動かす子ども達全員に教育を行う必要があると考えました」
「では…その,王国を動かす子どもに教育をする意味とは??」
「才能のある子どもの掘り起こしも含めています」
「才能の掘り起こしとは??」
「これまでは,一部の人間が教育を受けて知識を得て,その知識を基に,知識のない人に指示を出すという流れでした……これだと,弊害があります」
「確かに,その流れでしたが弊害など出ていましたか??」
「余り大きくは出ていませんでしたが…今の王国内において,一つの歯車が狂ってしまった際に,対処出来る人間が圧倒的に少ないんです……」
「なるほど…その,狂った歯車を修理できる人間が王族・貴族だけということですね……」
サヨは,流石だと思った。法案において,疑問に思った事を的確に指摘してくる。
「そう!これまで,歯車が狂ったら少数の知識を持った人が対処するから多数の知識を持たない人は,手持ち無沙汰になる…だったら,王国内の子ども全員に教育を受けさせて歯車の狂いを対処出来る人を育てることです!」
「なるほど…狂った歯車を修正できる人が増えれば問題に対処出来るかもしれませんが……王国の発展との関係は??」
「競争を激しくさせる」
「競争??」
「そう!これまでは,一割の王族・貴族だけしか知識を得ていなかったから競争なんて,ほとんど起こらない……だから,残り九割の国民にも教育を受けさせて知識を習得すれば??」
「競争が,生まれれば一割の王族・貴族が怠けられない……それは,怠けていたら国民にあっという間に自分の立ち位置を奪われるし,国民も無能な王族・貴族が居たら,能力でその位置奪いとればいい」
「そういうこと!!国力が発展するには競争が必要!!」
「でも,競争の際に,王族・貴族が身分を盾にしたらどうされるお考えで??」
「王国の法律で,身分差別は禁止されています……もし,身分を盾にしたら,王国法を基に,その王族・貴族を罰します……それに……」
「それに??」
「僕が,首相で睨みを利かせていたら変な事出来ないでしょ??」
「確かに,そうですね!でも,レン首相が居なくなった後は…??」
「そのことも,考えているよ??」
「わかりました!陛下!私の質問は以上です!」
父上が,次の大臣を指名する。
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です!!




