42. うつけの法律会議!
「「ごちそうさまでした!!」」
「じゃ,行こうか!」
「かしこまりました!」
食堂で,昼食を食べ終えた僕とリーヴァンは,食堂を出て執務室に向かい法律会議までのわずかな時間を休息にあてる。
「あぁ~~リーヴァン!ヤバい…緊張してきた!!」
「裁判の場で,堂々としていた人が,緊張するんですね~~」
「するよ~~!あの時だって,ハラハラしたんだよ??ほら,手握ってみて!!」
僕は,リーヴァンに手を握らせる。
「すごい…震えていますね」
「裁判の日もそうだったよ…あの時は,マナが隣に居なかったからね…マナが隣に立つようになって比較的マシになっていたんだけどね~~今日は,居ないから!!……けっこう,ヤバい……」
「じゃ,何で帰らせたんですか??」
「マナに倒れて欲しくないから……マナに倒れられる位なら,僕が倒れた方がマシ!!」
「……仕方ないですね,さぁ!準備しましょ!!」
最後の,準備を終えて会議室に向かう。
「入りま~~す!」
僕は,元気よく挨拶をして会議室に入る。
「レン様!」
「あっ!サヨ法相だけ??」
「そうですね……」
「大事な会議の開始時間の五分前にして,この集合率とは……いつもなの??あ~後この場では,レン首相な!」
「はい…開始時間が,三十分程遅れることはよく…いや,ほぼ毎回です」
時間も守れないのか!!王国の大臣連中は……!!
一応,会議の開始時間になった。
まったく,大臣の他,父上すら来る気配がない……
僕は,見張りに居る兵士の一人を呼び出した。
「レン様!ご用件は,なんでしょうか??」
「まず,父上に伝言を…」
「はい…」
「今すぐ,会議室に来てくださいと…」
「かしこまりました!」
「続いて…今日,出席予定の大臣たちに…」
「はい…」
「今から,十五分以内に,会議室に来なかった大臣には,罰金を科すと…!」
「かしこまりました!」
兵士は,勢いよく出て行った。
それから,五分後に父上が,会議室にやってきた。
「レン!何か用か??」
「用かじゃ~~ありませんよ!!父上!!法律会議の開始時間は何時ですか!!」
「十三時だが…」
「今何時でしょうか…??」
「十三時八分…」
「何故,開始時間に居ないのですか??」
「それは,いつもこうで…」
パシン♪
僕は,立ち上がり父上に対しビンタをした……。
「レッレン…?!何を??」
「散々……国民には,『時間を守れ』だの『期限を守れ』だの言っている王族や大臣が,この体たらくですか??」
「いや…それはその……」
パシン♪
父上に,もう一発のビンタを浴びせて言う。
「ふざけるな!自分が出来てないことを国民に強制するな!強制するならまず,自分がやれ!!」
父上は,黙り込んだので席に座るように施した。
そこから,十分後…兵士に,伝言を頼んでから十五分が経過した頃……各大臣たちが,ぞくぞく入室してくる。謝罪の言葉も無しに……
大臣達が,全員座った後に,父上が会議開始の言葉を述べようとするが,僕が制止した。
「あの…皆さん…今日,会議の開始時間までに会議室に来たのは,僕とサヨ法相のみでした……その他の父上や大臣方は,平気な顔で遅刻……そして,謝罪の言葉も述べずに涼しい顔して着席……どういうことでしょうか??」
「レン王子!これに関しては,理由がございまして…」
「ここでは,僕は王子でなくレン首相だ!常識だろ!!理由は,なんだ!答えろ!!」
「会議に臨むために,資料の準備等々の時間が掛かるのです…!」
「ちなみに,この会議は,急に開催すると言われた物か??僕の記憶が正しければ一カ月も前に予告されていたはずだが,何で,準備が出来ていない??」
「……」
「だから!裁判の時も僕,言っていたと思うけど!!都合が悪くなったら黙り込むのやめてくれない??」
呆れた表情を見せながら,続ける。
「今回一週間前に任命された,新任の大臣は,『首相 兼 教育相』の僕と『法相』のサヨだけだ…!その二人が,一週間の準備期間で,準備終えて,時間通りに来て,続投となって一カ月の準備時間があったお前たちは,準備も出来ず,会議の時間にも遅刻…ふざけるなよ??」
「おことば…」
言い訳を言おうとしようとしている大臣を僕は,睨みつける。
「なに??」
「この場において,レン首相は私たちと同じ大臣のはずです同格の大臣にそのようなこと言われる筋合いは…」
「愚かだな…」
この言葉は,久しぶりに言った気がするな~~
「君~~新に,新設された大臣職に関しての書類読んでないでしょ??君以外の大臣は,一応読んだみたいだね!!」
「何のことでしょう…」
「『首相という大臣職は,国王陛下より,行政権を移譲された大臣職。そのため,首相には,他大臣の任命権及び解任権を有する。』と書かれている…つまり,サヨ!答えて!」
「私ですか!?…『首相』は,ここにいる大臣より格は上ということです…そして,国王陛下より行政権が移譲されているので,実質的には国王陛下と同等レベル格の大臣職ということです……ここまで,言えばわかりますよね??」
「レン首相の言葉は,実質,国のトップの言葉と同意味になる」
「「そういうこと!!」」




