表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

37/350

37. うつけの政界入り②!

 新大臣と新領主の任命式があった翌日。


 王城内の掲示板に,昨日任命された一覧が張り出されている。


~領主~


〇『ハクバ』:マックス=オノフェス

  ※『リーゼン』の領主からの異動


〇『クロバ』:ヒノカ=セシル

  ※宰相は解任。爵位『子爵』を叙爵する。


〇『リーゼン』:レックス=オノフェス


~新大臣~


〇新設する大臣職

 ・首相 ⇒ 国王陛下の基で,王国法などの策定などを担当する大臣職

 ・教育相 ⇒ 王国内の教育問題を担当する大臣職


〇廃止する大臣職

 ・宰相 ⇒ 大臣としての仕事内容が不透明のため


〇『首相』:レン=ラインブルー第一王子


〇『教育相』:レン=ラインブルー第一王子


※レン=ラインブルー第一王子は,『首相』と『教育相』を兼務。大臣職務時の公文書には『レン首相 兼 教育相』と記載するように。


〇『法相』:サヨ=ハービット

※副宰相兼法相代理から副宰相を解任。正式な法相に任命する。



 今回の,任命に関しては,僕の意思が強く反映されている。


 父上と対談したあの日,既に,自分の構想を話していたのだ。




「はい…父上が持っている『行政権』を僕に,移してくださいませんか??」


 僕は,王位継承を申し出た父上に対して,王位継承は断り代替案として父上が持っている『行政権』を僕に移すことを提案した。


 ラインブルー王国の国王は,国家元首と行政のトップ・司法のトップ全ての権力を得ている。ちなみに,法律を定める立法権は王族全員・貴族に与えられている。


 現代日本でいう一番の同盟国の大統領の権利の中に,司法のトップが入った印象だ。


 そして,僕は父上から『行政権』を移して貰うように提案した。


「『行政権』をレンにか??」

「はい…王位を継承すれば内戦が起こる可能性がありますが…『行政権』だけを僕に移せば,内戦が起こる可能性が格段に下がります」

「それは,何故??」

「先ほど,僕が申した僕が国王になった際に起こりうる内戦の大義名分を奪うことになりますし…『行政権』が僕に移れば,『行政権』と『立法権』の二つが僕の手中にはいります」

「そうだな…」

「これで,『行政権』と『立法権』を持っている僕が,実質的なラインブルー王国のトップになります!形式上のトップは,父上ですけど……」

「そうか…私が,国王として王政を行っていたのは『行政権』と『立法権』が手中にあったからで,そこから『行政権』を移せば,王政に直接関われない…法律を通したければ『行政権』を持っている人物に,了承を得ないといけない……というわけだな…わかった,『行政権』をレンに移行しよう」

「そうです!!そして,もう一つ提案が,ございます」

「なんだ??」


 僕は,行政権の移行に合わせての大臣改革案を提案する。


「『宰相』を廃止してみては,どうでしょうか??」

「『宰相』をか??」

「はい…王国内において『宰相』は,国王の補佐が役割です…それは,国王が『行政権』と『立法権』と『司法権』を持っているからこそ成り立ちます…ですが,今回『行政権』は僕に,移ります…そうなると宰相の役割は必要無くなると思いませんか??」

「確かにそうだが…」

「そこで,僕は,『行政権』を得ますが,何も役職に就かずに『行政権』を得るんじゃ,貴族・官僚が黙っていないでしょう…そこで,『首相』という大臣職を新設します!」

「その,『首相』が行政権のトップと…??」

「そうです!!王政に関わる者には,『立法権』は自動的に与えられます!ですので,『首相』という大臣職に『行政権』を移行して『首相』に就任した人物が,『行政権』と『立法権』を得て王国を動かす…ナンバー二的大臣職の誕生です!」

「わかった…『首相』という大臣職の新設,『宰相』は廃止でいこう…他に,何かあるか??」

「あと,一つ…」


 僕は,父上に大臣職に関して再度提案する。


「『教育相』の新設を提案します」

「『教育相』??」

「はい!王国の教育内容は,これまで一貫性がありません」

「一貫性がないとは??」

「簡単です…教育指針的な物がないので教育内容は,教育係によってバラバラ…しかも,教育係の思考や思想が大きく影響され過ぎています…ですので,『教育相』を新設し,教育に関することを統制します」

「では,その『教育相』は誰を任命する??」

「言い出しっぺの僕が,『首相』と兼務するのが一番でしょう」

「わかった…そういう流れで話を進めよう」


 そこから,僕と父上は新領主の相談を行った後解散となった。外は,夕暮れとなっていたのでマナは,既に帰宅していた。


 


翌日の朝



「レンくん!お仕事の時間だよ!!」



 マナに呼ばれた僕は,部屋を出て新たに用意された僕の執務室に向かう。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ