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300. 大きな波がやってくる

 翌日には、全都市に、領主選挙の結果が行き渡った。


 一週間以内に、業務の引き続きを終わらせて、敗れた元貴族は、その場から去り新たな領主を出迎える。


 勝った元貴族の領主は、住居に関する拠点は、別の場所に移さなければならない。


「辞表を提出してきた大臣達の名簿です」


 リーナが、見せてきた書類は、領主選挙で実家が負けた事で、辞表を出した大臣達だった。


 やはり予想通り、一家の価値が自分の価値だと思ってある人達だ。


 辞表を出してくる傾向とした予想した通りになっている。


 レンとしては、一家の価値観より、一人の人間の能力で測りたいのだが。そこに関しては、思い通りに行かない。


 その一家に産まれたからと言って、必ずしもその職業に就かなくたっていいのだ。


 その人に、その人に向いた仕事・やりたい仕事があるはずだ。


 一家の歴史だからだとか、プライドだとかで仕事される方が厄介だ。


 大臣達が、レンではなくリーナに、辞表を提出しているのは、首相であるリーナが、その他の大臣達を監督する大臣である事だ。


 ちなみに、リーナが辞表を出す相手は、レンだ。


 まぁ、リーナが辞表を出して来たとしても、即刻破り捨てるだけなのだが。


 辞表を提出してきた大臣達で特段慰留したいとも思う大臣が居なかったので、それを了承する。


 実家が領主になれず、収入源が絶たれたのに、大臣職をも手放すとは、完全に収入源が絶たれるという物だ。


 大臣に就いていれば、贅沢さえしなければ、一家を養っていけるだけのお給与は、出している。


「ほんと、良くわかんねぇ〜〜なぁ〜〜元々貴族だった人の価値観は。自分たちの生活より自分たちのプライドが大事なんだもんね♪」

「レン⋯⋯貴方が、それをにっこり笑顔で言うと怖いです」

「えぇ〜〜どこが?僕は、プライドよりも生活なんだけどなぁ〜〜守るべきものは、家族じゃないですか♪」

「ご最もですが、貴族としてーー」

「はいぃ〜〜もう、この国には、貴族という肩書きは、ありませぇ〜〜ん。リーナだって、一平民です。そこ、勘違いしないようにぃ〜〜」


 リーナのおでこ付近に、怒りマークが浮かんで居そうだか、レンは無視して続ける。


「家の価値より、人の能力。これからは、そういう国内になっていくよ」


 レンは、ウキウキ気分で話している。恐らくは、それが、リーナのイライラを募らせることになっているだろうが、言っている事は、まともなので言い返せない。


「これから、国には、大きな波がいくつか発生する⋯⋯いや、もう発生してる。その波に乗れなかった人から脱落していくんだよ。ある意味、バトルロイヤルかもね♪」


 一つの一族が、一つの役職を独占している状況下では、競走は産まれない。


 それは、国の発展が産まれない事を意味するが、その職に就いている人物への緊張感が無くなるという物だ。


 一つの一族が、一つの役職を独占している状況下で、国内が発展する時は、偶然的に、才能のある人物が役職を継いだ時だ。


 だからこそ、国民同士を競わせる。


 能力を身につける場所を提供した上でだ。


 その競争に勝てば、お給与にも恵まれていい生活が出来るだろうが、競走に負けた時は、しんどい生活が待っているかもしれない。


「まぁ、それは王族にも言えるだけどね?」

「王族にも?」

「そりゃそうじゃんか。地方は、選挙で領主を選べるようになった。ここで、僕が圧制を働いたら国王も選挙で選ぼう!てなるじゃん?」

「確かにそうですねぇ」

「僕だって今後は、下手な政治が出来なくなったんだよ。国民の監視の目は、厳しくなったと言ってもいい」


 地方の代表は選挙で選ばれて、一国のTOPは、一族が独占している事になっている今の現状は、かなりの捻れ状態と言える。


 レンの国民人気が高いうちは、問題にはならないだろうが、レンの人気が落ちた時が、問題だ。


 そうなれば、民衆、領主選挙を例に上げて国のリーダーも選挙で決めろと求めて来るだろう。


 それは、国民側の意見が至極真っ当なので、レンとしては言い返せない。


 そして、レンがそれを拒めば、確実に軍部も民衆側に寝返って暗殺でもされるだろう。


 これまでは、元貴族達⋯⋯国民同士の不満の種だったものが、レンに移った瞬間でもあるのだ。


「まぁ、僕もそのビッグウェーブに乗り遅れると大変な事になるんだけどね!」

「楽しそうに、言わないでください。楽しそうに」


 大事な事なので二回言いました。と言わんばかに、「楽しそうに」と連呼した。


 次の話に繋げるとしたらこれがネタだ。


「楽しそうと言えば、多分、近々、オレジアナのバカ姫から手紙が来ると思うから対応よろしく♪」

「レン様、一応は、一国の姫的存在の方に、バカ姫とは⋯⋯」

「合ってるでしょ?僕がうつけなら向こうは、バカだよ。何たって気が合うからね!僕らは」

「私は、知りませんからね」


 リーナは、呆れた表情を浮かべて執務室を出ていった。


 リーナの呆れた表情は、最近見すぎえ飽きて来ている位だ。


 これからの激動であり、楽しいであろう政治家人生は、どうなるか楽しみだ。


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