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299. 三人の選挙結果

 領主選挙に、負ければ一家の収入源を失い住む場所も失うことになる。


 今の自称貴族が住んでいる場所は、今後は、領地経営の拠点となるので、選挙に勝った領主の仕事場になる予定だ。


 自称貴族は、負けたら速やかに退去してもらうつもりだし、例え勝ったとしても今後は、領主の仕事場だ。


 別の住居に、引っ越してもらう。


 その事実は、殆どの自称貴族は、知らないだろうし、この事で反乱を起こそうにも軍部は、自分達の味方では無いのだ。


「いやぁ、残酷な事するな。負けた自称貴族達は、どうするの?」

「どうもしないよ。自分達で生活する術を身につけるべき。まぁ、まずは住むところ探さないとね」


 仕事探しの前に、住む場所探しだ。


 そもそも、今までの生活レベルを下げなければ、生活に困る事は目に見えているのでそれが出来るかの話だ。


「政治家というのは、支配する立場の人間。そういう人間は、国民に審判をしてもらわないといけない。審判をする機会を設けず好き放題するから、反乱が起こるし、国が荒れるんだよ。政治家を審判する機会を設けた方が、ダメな政治を防げるし、反乱も起きにくくなる」


 反乱は、最悪な物だ。


 自国民同士で殺し合う行為だ。


 絶対に起こしていけない。


 起こした政治家は、政治家失格だ。


「選挙の意味は、国内安定のためと?」

「まぁ、そうだね。後は、国民の政治家を見る目を鍛える事もある」

「国民の政治家を見る目?」

「そう。国民が自分たちを支配する政治家を選ぶんだから、任命責任は、国民になる訳。過去の名声や外見だけで選ぶんじゃなくて、政治家としての素質を見る目を鍛えたないとね。でないと選挙は、できないよ」


 マナには、目的を最後まで話している。マホも、殆ど知っている。


 それ以外には、薄々気がついてくれればいいと思い話している。


「政治家として、肩身が狭くなるけど、国が安定するならそれでいいじゃないですか。僕達は、そういう役目を持っているんです」


 レンは、窓の外を眺めながらそう呟いた。






 夕方になった。


 そろそろ投票時間が、終了し開票時間になる。


 ここから、選挙管理人の警護をしている兵士にとって大仕事だ。


 選挙管理人の中に、買収された人物が居ないかを厳しく監視するのだ。


 開票の際に、不正に、票数を追加したり票をすり替える可能性だってある。


 監視の仕方に関しては、マテオに命じて厳しくするように命じた。


 マテオがどのように、指導していたかの結果も出るので、執務室で緊張して立っている。


 執務室に居る人物は、朝のメンバープラスにマテオと言った感じだ。


 実家が、元貴族の三人は、少しばかり落ち着きが無いように感じる。


「結果は、夜に分かるんだから少し落ち着きなよ」

「「「⋯⋯」」」


 三人は、レンの言葉が、聞こえない位には緊張しているようだ。


 レンの近くで働いている三人が、こんなにも緊張しているという事は、彼らの実家も相当だろう。


「さぁ〜て、結果はどうなるかな?」


 三人が、緊張している事は、理解出来る。だが、それ以外の感情はわからない。


 もしかしたら、選挙後の自分たちの処遇を気にしているのだろうか。


 そう言えば、選挙後の処遇は、まだ言っていなかったな。


 家族の国内での地位が、その人物の価値という感覚が根強いからか、実家が領主になれなかった際は、自分たちの処遇も怪しくなると思っているのだろう。


「皆は、どうしたいの?」


 三人に向けて、問いかけた。


 三人が、どう思っているか、どういう意志を持っているか確認したかったのだ。


「そりゃ、続けたいですよ。ここは、案外いい、職場ですから」

「私も同意見!」


 サヨとリーナが答えた。


 この二人の実家は、領地経営は良好だと報告を受けているので、何か余程の事が無い限りは、領主選挙に勝つと踏んでいる。


「私は、レンの側で、レンの成長を見届けたい」


 母さんも二人と同じだろう。


 母さんの実家だけは、あまりいい報告を受けていない。


 母さんが、現国王の母親でなければ、選挙に負ける可能性の方が高いだろう。


 コン♪コン♪コン♪






「レン様、各都市の領主選挙の投票結果が届きました」


 王国兵の伝令兵三人が、各都市の投票結果を持ってきてくれたのは、夜の九時を回ったタイミングだった。


 この結果に関して、レンが不正がないと判断したら瞬間に結果を公示して、その翌日からの一週間で業務の引き継ぎを行う。


 一枚・一枚の書類を確認していく。


 三人は、俯いている。


 恐らくは、祈っているのだろう。自分達の実家が引き続き領地経営を行えるかどうかを。


 国内全ての都市の結果を見終えるのに、約一時間を費やした。


 外を見ると、街の灯りは、まだ点いている。


 夜の十時も過ぎているのにだ。


 王都では、選挙をしていないが、皆、各都市の結果が気になるのだろう。


「伝来兵居る?」


 レンが呼ぶと、先程と同じ伝令兵が入ってきた。


 レンは、レンが保管する用の書類と各都市に通達する分の書類の両方にサインをして、後者を手渡す。


「各都市に通達よろしく。引き継ぎ期限は、この時間から一週間。もし、ごねるようだったら、即刻逮捕で構わない」

「「「かしこまりました」」」


 三人は、執務室から出て行った。


 三人は、緊張した面持ちでレンの顔を見ている。結果を知りたいのだろう。


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