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287. 子ども達

「お義母さん、子どもたちは?」


今日の結婚式には、マナが、孤児院にいた頃から面倒を見ていた子ども達が来ているのだ。


子ども達が着る服などのお金は、レンのお金から負担している。


マナは、王城に引っ越してきてもうすぐ一年になる。


一年前までは、一緒に住んでいた家族と久しぶりの再開となるだろう。


「今は、もう一人の職員さんが、面倒を見てくれています」

「じゃ、そこに向かおうか。スズカは、どうする?一緒に行く?」

「ええの?」

「うん、来てよ。私の沢山の家族にも会って?」

「わかったよ。行くよ」


お義母さんの案内で、子ども達が控えている場所まで移動することにした。


元々、孤児院は、お義母さん一人で運営していた。


やはり、お義母さん一人ではしんどかった部分もあったようで、それを気にして、一番年上だったマナが率先してお手伝いをしていたようだ。


マナが、レンの秘書官へのスカウトの際に、最初、渋ったのも、自分が抜ける事で、お義母さんへの負担が増えることを危惧したのだ。


レンは、王立学校設立の際の教員の整理において、一名だけ、王都の孤児院への求人を出した。


各都市の孤児院の職員募集は、各領主の仕事なのでレンは、介入しない。


王都は、王族の都市であるので、レンが、直接求人を出して、応募があった一名を面接して、採用して、今、働いてもらっている。


子ども達が、待っているお部屋に入ると、子ども達は、マナの姿を見つけるとゆっくり近寄ってきた。


この前のデートで、孤児院に向かった時は、勢いよく飛び込んで来たのだが⋯⋯


「マナちゃん、結婚おめでとう!後、妊娠おめでとう!」


子ども達のリーダーの女の子が、マナに向かってそう言った。


なるほど、マナの事情を知っていたから、ゆっくり近寄って行ったのか。


小さい子が多いとは言え、勢い良くこられたら、倒れてしまう可能性がある。


「マナちゃん、綺麗⋯⋯」


女の子は、マナのドレス姿に見とれているようだった。


そりゃ、マナに似合うドレスを一生懸命選んだのだから、当然と言えば当然なのだ。


子ども達と交流を深めるマナを遠目に見ながら、レンは、鼻を高くする。


「こくおーさま〜〜」

「なに?」


五歳位の男の子が、タキシードのズボン部分を掴んで、上目遣いで見てきた。


子どもと上目遣いの破壊力は、半端ない。


「結婚おめでとうぅ〜〜あと、学校に通わせてくれてありがとうぅ〜〜」

「「「「「ありがとう〜〜」」」」」


一人の男の子が、そう言うと、子どもたち皆が、一斉に言ってきた。


「あぁ〜〜それ、本来、僕が言うつもりだったのに! でも、いいや、レン様、ご結婚おめでとうございます!馬鹿な姉ではありますが、よろしくお願い致します」


男の子のリーダー的存在の子なのだろう。


本来、自分が、言う予定で、練習してきた言葉を先に言われてしまったが、流石は、お兄さんと言えるだろう。


「あ、ちょっと、馬鹿な姉とは、どういうこと!?」


男の子に、マナが、食ってかかっている。


そう言えば、この男の子は、初めてマナと出会った時に、マナがガラの悪い人間から守っていた男の子に、似ている雰囲気がある。


「そのままの意味です〜〜姉さんが、昔から孤児院で、馬鹿やってたの見てきたのでぇ〜〜」

「馬鹿は、してないでしょ、馬鹿は!」


子ども達を前にして、椅子に座って五歳位の女の子の頭を撫でながら、話している様子を他の子ども達は、微笑ましく見ている。


もしかしたら、レンが、居ない時の孤児院は、こんな感じだったのだろう。


そして、レンに誘われてマナは、自分の道を歩んで行く事を決めて、孤児院を去っていった。


子どもたちも、マナとお別れは、寂しかっただろうが、お世話になった人が決めた事を尊重したのだろう。


マナが、話してくれていた。


マナが孤児院を離れる前日に、お別れパーティ⋯⋯またの名をマナ姉さん追い出しパーティをした時に、パーティの時は、皆、笑顔だったが、夜中、お義母さんと話したいと思い、部屋を出ると⋯⋯


子ども達は、自分の部屋の中で、声を押し殺して泣いていたと。


大好きなお姉ちゃんとお別れは寂しいが、大好きな人の旅立ちを笑顔で送り届けたい。


小さいながらも、マナの事を想ったいい子たちだと思った。


「でも、姉さん、レン様、ご結婚おめでとうございます」

「うん、うん、何回言われても嬉しいねぇ〜〜子分にそう言われると嬉しいものだ」

「な、姉さんそれは、もう終わりじゃ?!」


普段のマナも楽しそうにしているが、子どもたちと遊んでいるマナの姿も楽しそうだ。


お腹の中にいる子どもが、産まれ際には、どれだけ、楽しそうな表情をするのか楽しみなものだ。


レンは、目の前にいた男の子と膝に捕まっていた男の子の頭を撫でる。


「わぁ〜い、おうさまのなでなでだぁ〜〜」

「レ、レン様、僕は、大丈夫でーー」

「うるさい、うるさ〜〜い!子どもは、大人しく撫でられて起きなさいな!」


子ども、一人一人、歳の違いもあるだろうが、反応が面白い。


この子達が、明るく過ごせる未来を作ってい行けたらと新たに決心した。


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