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282. レンくんへの想い➀

 今日は、間に待った結婚式当日。


 あの日、貧民街に居る柄の悪い大人に絡まれていた所を助けてくれた、レンくんとの結婚式当日だ。


 出会った頃は、彼が、王族の人間だって言うことを疑っていた。


 だって、王族を初めとする、貴族連中は、私たち孤児の事を無いもののように扱ってくるのだ。


 レンくんが、持っていた王族の証だって精巧に作った偽物だと思っていた。


 今日は、たまたま気まぐれで貧民街に足を踏み入れて孤児院まで見て行っただけの中流階層辺り人間だと思っていた。


 どうせ、もう来ない。


 そう思っていたのだが、その予想に反してレンくんは、何度も孤児院を訪問してきた。


 しかも、その度に、孤児院への寄付金やおもちゃの差し入れまでしてくれた。


 孤児院の子どたちへの接し方を見て、当日、十歳ながら、この人に、恋しいたのだと思う。


 毎日、毎日、レンくんが、孤児院に来てくれないかワクワクしていた。


 こっちから彼がいるであろう王城に行きたかったが、私の身分の人間が行けば、首と胴体がサヨナラしかねないので行けなかった。






 そして、私とレンくんが、十五歳になる年に、レンくんから、自分の第一秘書官にならないかと誘いを受けた。


 レンくんと接していて、それなりの身分の人⋯⋯王族であると確信していたので、孤児である自分がふさわしいとは思わなかった。


 だけど、レンくんの目を見たらそんな考えは、吹っ飛んで行った。


 私を秘書官に誘ってきた時の目は、本気の目だった。


 私も、ずっと孤児院でレンくんが遊びに来てくれる事を楽しみにしていた。


 その気持ちの正体は、分からなかったが、レンくんと一緒に居たいという気持ちを持っていたのは、確かだった。


 ミルさんも背中を押してくれた事もあり、レンくんの秘書官になる事を決め、レンくんと共に歩んで行くと決めた。


 秘書官になってからは、大変だった。

 

 コノハに、礼儀作法を厳しく教えられたし、周囲の目も厳しいものだった。


 それらは、レンくんが守ってくれていたので、実害は無かった。


 だからこそ、レンくんの役に立てたいと思い、一生懸命に仕事に取り組んだ。


 だが、そこで、最後の最後とも言える衝突をしてしまった。


 仕事を頑張りたい私と、頑張りすぎている私を止めたいレンくんとの間で、意見が衝突してしまった。


 レンくんに無理矢理仕事を止められた時は、すごいショックを受けたことを覚えている。


 レンくんに、拒絶されたと思いかなり凹んだ。


 その時は、コノハや沢山の人に宥めて貰ったりしたのを覚えている。


 レンくんも、確か、リーヴァンの仲介もあって本音で話し合う機会をくれて、すれ違いを認識出来て仲直りする事が出来た。


 この時は、レンくんに秘書官にスカウトされた時と同じぐらい嬉しかった。


 この時、私は、レンくんに対する恋心を自覚した。


 何と、身分不相応な恋だと思ったが、身分差別を嫌うレンくんなら受け入れて貰えると信じて、コノハやマホちゃんに相談した。


 二人の反応は、意外なことに、私の恋を応援してくれると言ってくれた。


 最初は、二人に反対されたらこの恋心は、内に秘めておこうと思っていたからだ。


 ただ、応援してくれた理由の一番手に、「あの、うつけ者のパートナーとしてやって行けるのは、マナ姉さん(様)だけです」は、レンくんに聞かせたら、一週間は、拗ねそうな内容だった。


 そして、二人の協力(途中からお義母さんも加わり三人)で、レンくんへのアタックを開始した。


 ただ、レンくんは、堅物鈍感男という称号を与えても良いぐらいに、私の恋心に気がついてくれなかった。


 もちろん、アピールするタイミングだって、公務が忙しくないタイミングを狙って行っていたから、レンくんには、怒られなかったのだと思う。


 最初は、気が付かないだけだと思っていたが、レンくんは、自分の心を閉ざしていただけだと、感ずいた。


 レンくんの、心を縛っている紐を解くには、どうしたらいいか。


 必死に考えに考えた。


 そして、レンくんは、私とのデートで、その理由を打ち明けてくれた。


 その事実に、私は驚いたのだった。


 まさか、私がラインブルー王国の初代様の血筋の人間だとは思わなかったのだ。


 レンくんは、身分を気にしないとは言っていたが、歴史的な血筋は、気にしていたようだった。


 恐らく、レンくんの事だから、私が望めば、王位を私に返上して、私たち⋯⋯いや、私の目の前から消える覚悟だっただろう。


 でも、私はそんな事は、全く気にならなかった。


 歴史的には、私が初代国王の血を引いてようが、この国を長く引っ張ってきたのは、レンくんの血筋だ。


 王位を返せという理由が無いし、むしろ、国民は納得しないだろう。


 それほど、レンくんは、国民からの信頼が厚い国王様なのだ。


 だから、私は、そういった事全てを受け入れると言った。


 そうすると、レンくんは、重い腰を上げて私に、婚約を申し込んできた。


 ⋯⋯いきなり、婚約?!段階ぶっ飛ばしてないとは、正直思った。


 だけど、レンくんは、王族で、その自覚を一番している人だ。


 王族が、異性と深い関係になる事は、自分の妃になると等しいと考えていた。


 私としても、レンくんとならずっと一緒にいたいと思っていたので、レンくんの婚約の申し出を受け入れた。


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