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281. 可愛い

「マナ様、体調は、よろしいですか?」

「バッチリ! まぁ、今日はさぁ、少しの体調不良でも、頑張っちゃうから!」


 昨日、言った通り、今日は、サユリさんは、母さんのお世話に行き、コノハが、マナのお世話(ついでに、レン)に来ている。


 マナの妊娠以前と同じ光景が広がっているので、レンは、少しばかり懐かしさを感じている。


「ついでに、レン様もおはようございます。体調は、良いですね〜〜?」

「おいコラ、一応、僕も主人なはずなんだけど?」


 コノハの自分の扱いもなんか、酷くなってない?


 まぁ、かしこまって来られるよりこっちの方が良いから特に注意するつもりは、無い。


 むしろ、部下が主人をイジることが出来る程、風通しが、いいという裏返しでもある。


 主人が、甘いから部下がダラけるとよく聞くが、レンの部下達は、公私をしっかり分けてくれるのでその心配はしていない。


「では、お着替えに向かいましょう」


 今日は、結婚式。


 朝ごはんも済ませている。


 結婚式場を今、皆で、準備してくれている途中だ。


 結婚式自体は、王城で行われる。


 新郎新婦の更衣室に案内されて、レンとマナは、一旦、別れる。


 マナには、コノハが、付き添いで一緒に、更衣室に入っていく。


「レン様、レン様は、私が手伝わせて頂きます」


 男性の更衣室に入ると、リーヴァンが控えていた。


 どうやら、レンの着替えを手伝う手筈だったらしい。


 だが、レンのタキシードは、レンの要望を最大限に、発揮してもらったものだ。


 通常のタキシードなら、着替えの補助が無いと着替えられないが、レンの場合は、試着の際もそうだが、自力で着替えられるのだ。


「ごめんなぁ〜〜リーヴァン。張り切ってくれてたところ⋯⋯」

「どうかされましたか?」


 リーヴァンは、黒色のスーツをきっちり着込んでいた。


 そして、この結婚式の間、レンのサポートを一生懸命するつもりだったようだ。


 だからこそ、心苦しいある意味だ。


「うちのタキシード、補助ナシでも、着られるねん」

「⋯⋯」


 リーヴァンは、分かりやすく、「何言ってんだこいつ」という視線を向けてきている。


「⋯⋯は? タキシードは、本来、補助が、居るはずじゃ⋯⋯??」

「補助がいるぐらい動きにくい衣服を僕が好き好んで着るとでも?」

「⋯⋯たしかに」


 レンという人間は、動きが制限される衣服を極端に嫌う傾向にある。


 そして、その傾向は、レンの周りにいる人物なら知っている。


 リーヴァンもレンに指摘されて気がついたというより、思い出したと言った方が良いぐらいだ。


「じゃ、着替えてくるよん〜〜」


 レンは、更衣室に一人で入り、用意されているタキシードを見る。


「うん、上出来じゃん? まぁ、似合う似合わないは、うちには、わからんねんけど⋯⋯」


 最初の予想通り、リーヴァンの補助無く着替えることが出来た。


 本当に、仕事をする気満々だったリーヴァンには、少しばかり申し訳が無い気持ちが出てきてしまう。


 まぁ、タキシードを着る補助兼護衛なはずなので、護衛の仕事はできているという事で、いいとしよう。


 タキシードに着替え終わると、リーヴァンの前に、出てお披露目する。


「ど、似合ってる?」

「レン様、似合ってる⋯⋯と思いますよ!!」

「何だぁ〜〜その間は??」

「いや、レン様が、このようなかしこまった服装をするとは、思わなかったので、ついつい見とれてました」


 確かに、日頃から服に関しては、見た目より機能性を重視していたが、そこまでとは、思わなかった。


「でも、マナ様は、メロメロになると思いますよ!」

「マナが、選んでくれたからメロメロになってもらわないと困るんよなぁ〜〜」

「では、向かいましょうか。マナ様の所に」


 リーヴァンと一緒に、マナが着替えている方の部屋に移動する。


 コン♪コン♪コン♪


「はぁ〜い」

「レン様、お着替え終わりました」


 中から、コノハの返事があり、リーヴァンが事情を話してくれる。


「マナ様が、入っていいよ〜〜だそうです」


 主から許可が出たので、入室する。


 入室すると、あと少し掛かるというとこで、部屋のソファに座って待つことにする。






「レン様、マナ様のお着替えが完了しました。こちらに来て頂けますか?」

「わかった」


 カーテン越しに、ウェディングドレスを着たマナが居る。


 楽しみだ。


 頭の中で、ウェディングドレスを着たマナの姿を沢山想像したが、どれも可愛かった。


 その実物を見れるのだ。


 カシャー。


 カーテンレールが擦れる音とともに、カーテンが空き、そこに見えたのは、首元の薔薇の飾りがほんのり水色で、その他は、純白のドレスを着たマナが、たっていた。


「⋯⋯⋯⋯キレイで可愛い」


 無意識にこの言葉が、出てきた。


 それほど、今のマナは、美しかった。


 この世に、こんな可愛い生物なんて居ないと思える程に綺麗だし可愛い。


「マナ、僕と結婚してくれてありがと!」


 真っ先に、この言葉が、出てきてマナに伝えた。


 政治家として、かなり自由にやってきた人間が、こんなにも可愛い女の子と結婚出来ることへの感謝も込めた。


 レンは、この時、決めたのだ。


 何があってもマナと産まれてくる子供だけは、守り抜くと。


 自分の命に変えてもだ。


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