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280. 婚前パーティ?

「貴方方の、絹織物は、大変素晴らしい。是非とも取り引きさせて頂きたい」

「では、貴国の燃料と取り引きは、いかがでしょう

 か?」


 今日は、婚前パーティだ。一応は。


 婚前パーティという名のもとで、国家間は、貿易品やり取りなどの交渉をしていて、婚前パーティではなく、政治パーティと言った方が良いぐらいだ。


 開催主である、レンの元には、最初に、結婚に関するお祝いごとを言っただけだった。


 その後は、ご覧の通り、各国間の思惑が飛び交った交渉となっている。


「あ〜あぁ、これは、誰のためのパーティやねん皆が、皆、貿易の話ばかりや」

「スズカにも無いんか?貿易の話は?」

「全て、この場で話してきたことに関しては、却下やけど?交渉したいんなら、会談を申し込んで来いって話」


 ここでも、スズカは、相変わらずだった。


 それが、少しでもの幸いだ。


 マナに関しては、昨日の疲れもあるのか体調がよろしくないので、今日は、明日明後日に向けてお休みしてもらっている。


「残念やなぁ〜〜マナ、出席出来んくて」

「ご飯だけは、同じの食べてるよ?」

「そうやなくて〜〜」

「体調が良くないから仕方ない。あの子は、必要以上に張り切る傾向にあるから、こっちから止めんと永遠に頑張っちゃう」

「惚気!」

「うっさい!」


 他の国の人達が、距離を取るせいで、レンとスズカは、ニコイチとも言える位に、一緒に居た。


「なぁ、僕もう退席していい?マナと一緒に居たい」

「ダメです、レン兄さん。主役が、真っ先に退席してどうするんですか! レン兄さんは、最低でも終了予定時刻までは、居てください」

「マホちゃん言うねぇ〜〜」


 マホが、日に日に、しっかりしてきている。


 元第一秘書官だった、マナが色々と叩き込んでいるせいか、段々とマナに似てきている。


 レンが、飽きて他の事をしようとした際には、厳しい言葉で、再度、集中を促す。


「今、しっかりしないと後で、マナ姉さんに怒られますよ?」


 そして、今、サボったらこの後に、自分以上に怖いものが待っていますよと、軽い脅し文句も言ってきた。


 よくわかっていらっしゃる。


 レンが、マナに頭が上がらないということを間近で見てきているからか、よくわかっている。


 全く、こんな優秀な秘書官に、こんな短期間でなるとは予想外も予想外過ぎるのだ。


「はぁ〜い、大人しく参加してまぁ〜す⋯⋯ほんとに、おっかなくなったな⋯⋯」

「なにか、いった?」

「すみません⋯⋯」


 地獄耳なのも、マナに似てきたと思ったレンだった。






「では、終了のお時間になりましたので、私は失礼致します」


 レンは、終了までの、一時間を修行のごとく耐え抜いて、皆に挨拶をして、マホとスズカと共に、食事会場を後にした。


「レン兄さん、お疲れ様です」

「はぁ〜〜、どこの誰が婚前パーティで、こんなに疲れなあかんねん!」

「⋯⋯せめて、明日明後日は楽しんでください?」


 マホは、疑問形で返してきた。


 それもそうか、レンとマナの結婚式週間の前半三日間は、実質公務だ。


 結婚式・お披露目という名の外交交渉の場となっているのだ。


 本当の意味での結婚式・お披露目の場は、明日と明後日だ。


「でも、やっとマナ姉さんと結婚出来ますね」

「長かったなぁ〜〜出会って六年、婚約して半年で結婚かぁ〜〜」

「レン、ホンマに嬉しそうやな」

「そりゃ、嬉しいとも! スズカも恋したらわかるよん! 政略結婚とは違う感情を味わえるよ〜〜まぁ、政略結婚した事ないから比べられないけどね?」


 スズカは、苦笑いをしていた。


 丁度、スズカに用意している部屋との別れ道に差し掛かった。


 レンとしては、マナに会っていっても良かったのだが、スズカは、それを断った。


「明日も、結婚式場で、マナのドレス姿を見れるの楽しみにしてんで!それまでは、二人で、思う存分いちゃいちゃしたまえ!」


 そう言うと、スズカは、嵐のようにセバスと共に、自分の部屋に帰って行った。


「おかえり〜〜」

「レン様、お帰りなさいませ」

「ただいまぁ〜〜」


 部屋に帰ると、マナとサユリさんが、出迎えてくれた。


 今現在、形式的に異動通知は、出していないが、レンとマナ(主に、マナ)のお世話係が、サユリさんに、母さんのお世話係が、コノハと役目が変わっている。


「最近、コノハ見ないですね?」

「娘は、今、エリザ様のお世話をしております」

「じゃ、明日はサユリさんが母さんのお世話して、コノハをこっちにして?」

「大丈夫ですか?娘は、まだ、妊婦のお世話の経験が⋯⋯」


 経験不足だから、経験者のサユリさんがメインにお世話をするのは理解出来るが、それで、コノハが、一切携わらないのは訳が違う。


「だから、今のうちに、経験させておいて。次、マナが妊娠した時に、サユリさんが動けない可能性だってある。女性に言うのは失礼だけど、自分の年齢を少しは考えて?」


 サユリさんは、五十を超えている。


 母さんの十個程年上だ。


 だからこそ、今後の為にも、コノハにも経験を積んでおいて欲しい。


「! かしこましました。新たな王子の誕生ですから私も少し、視界が狭くなっておりました。明日は、娘にお世話を頼みます」

「よろしくです。母さんのお世話も大変でしょうからよろしくお願いします」

「いぇいぇ、レン様よりマシです?」

「言うようになったねぇ〜〜」


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