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272. お祝いの言葉

「元気に産まれて来るかな?」

「レンくんが、お仕事頑張れば元気に産まれくれるよ」


 レンは、部屋のバルコニーに出てマナと話していた。


 昼間のこの時間から、まったりと話せるのは、本当に久しぶりだ。


 六月の結婚式は、一週間の予定で、最初の二日間は、招待した周辺国の要人のお出迎えや外交交渉を行い、三日目から五日目は、レンとマナの結婚式が行われて、六日目の七日目は、外交交渉とお見送りなのだ。


 そして、今回の外交交渉は、マナは出席しない。


 この外交交渉は、かなりの疲労が溜まるので、過労による母子ともに身体への影響を危惧したためだ。


 そのため、今回は、マホと母さんのどちらかを伴って、出席する予定だ。


 レンとマナの結婚式なのに、外交の仕事が、七日中四日もあるのだ。


 殆ど、公務に近いのだ。


 今、レンは、この外交交渉の場で、周辺国とどのような交渉をするかの内容を策定している。


 結婚式(がいこうのば)の流れに関しては、サヨに丸投げした。


 サヨは、表面上は、非常に嫌がっていたが、レンの事情は察してくれているので受け入れてくれた。


 なので、マナの誕生日は、レンにとって一番大好きな女の子とのまったり過ごせる大事な時間なのだ。


「こんな日が毎日だったらいいのに~~」

「どんな感じなの?」

「一日、お仕事頑張って、お仕事終わりにマナと二人でまったりと出来る日が、本当に貴重」

「そうだねぇ~~レンくん、お仕事終わりは、本当に疲れているから少しの時間しかお話出来ないから、私も

少し、寂しいかも」


 お互いが思っていた事だ。


 仕事が忙しい事で、二人のまったりタイムが時間が減っていて、寂しいと思っていた。


 マナが、妊娠で静養を多めにしている事も有って、一緒に居る時間が減っているのもお互いに影響している。


 だからなのか、最近は、体調が良い日でも抱き着いて寝ている。


 お腹が今以上に大きくなったら抱き着きながら寝る事が出来ないので今の内にしている部分もあるだろう。


「所で、私の部屋で何してたのさ?」


 追求は、止まないようだ。


 言い訳も無駄だから正直にお願いしよう。


「黙って待っていてください」


 そうお願いした。


 その方法しか思いつかないのだ。


「わかった、今日には、わかるでしょ?」

「今日というか、もうすぐわかるよ?」


 コン♪コン♪


 ノックが、二回された。


 普段は、三回だが、今回は、二回。


 マナの部屋での誕生日パーティの準備が出来た合図だった。


 ノックされたので出ない訳には行かないので、レンが出迎える。


「レン様、マナ様の体調は?」

「大丈夫だよ! そっちは?」

「良好です」


 レンは、サユリさんを部屋に招き入れた。


 マナも部屋に来たのがサユリさんだと解ると嬉しそうにしていた。


 大分、サユリさんに懐いた印象だ。


「じゃマナ、移動しようか」

「どこに?」

「一応、正式なマナの部屋」


 マナは、立ち上がるとレンの傍に立って、それを確認したレンは、一緒に歩き出した。


 妊娠発覚して、二ヶ月が経っている。


 まだ、普段通りに歩けているが、あと数ヶ月も経てば、歩く事をやっとになる可能性があると女医さんに聞いた。


 マナの部屋の前に着くとサユリさんが、ドアを開けてくれた。


 マナを先に、部屋に入れてからレンが部屋に入るとマナは、自分の部屋を見入っていた。


「まぁ、簡素ではあるけど、マナのお誕生日会のランチ会場にしてみました」


 普段は、食堂で王城で働いている人達と混ざって食べていたが、今回は、マナのお部屋で、自分たちと近い人だけで食べることにした。


 その方が、落ち着いて誕生日のランチを食べられると思ったからだ。


「これを準備してたんだね?」

「うん」

「午前中仕事ってのも嘘?」

「そうだね。バレないように吐いた嘘だね」


 マナは、とびっきりの笑顔を見せた。


「普通なら、嘘は怒るんだけど……今回は、許してあげる」


 そう言うとマナは、自分の席に座ってレンも隣に座った。


「マナちゃん、お誕生日おめでとう!!」

「マナ姉さんおめでとう!!」


 母さんとマホが、マナにお誕生日のお祝いの言葉を発したのを皮切りに、この場に居る皆が、マナにお祝いの言葉を送っていた。


 マナも嬉しそうにお礼を言いながら、会話を楽しんでいた。


 本来は、クラッカーでも使ってサプライズ感を演出したかったが、クラッカーのパン♪パン♪パン♪の音は、遠目に警護しているハットリ家の人間が銃声と勘違いしてレンとマナを守るために、部屋に突入してきかねないので、使わない。


 むしろ、王族内での催しごとに関しては、銃声と勘違いする物は、使ってはいけないという決まりがある。


 王族の命と言うのは、常に暗殺と隣り合わせなので、それを警護してくれている人も常に、気を張っているのだ。


「レン~~、レンからのお祝いの言葉は、無いのかな?」

「二人きりの時に言ったもん」

「でも、好きな人からなら何度、言われても嬉しい物だもんねぇ~~?」


 母さんの言葉から、マナも更に期待の目を見せて来た。


「十六歳のお誕生日おめでと。一緒に良い一年にしようね」


 お祝いの言葉を人前で言うのは、恥ずかしい物だった。


「そうだね♪ 今月は、私たちのイベントが、沢山あるもんね♪」


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