27. うつけの兄妹街散歩④!
先程まで,初代様と二代目様との間に何が,あったのか…二代目様が,残した日記帳を基にマナとマホの二人に話した。
二人の反応は,色々違った。
マナは,このことをを聞いた後,僕の秘書官としての今後の立ち振る舞いを考えていたようで,考えたことを伝えてきた。
「レンくん…今後の秘書としてのお仕事だけど…??」
「今まで通りで,いいよ…??どうして,そんな確認とるの??」
「いや…だって,王家の秘密…聞いちゃったんだよ??」
「聞いてほしくなかったら……ここに,呼ばないよ…それにさぁ…………」
「それに??」
「僕は,マナを一番信頼している…だから,この場に居て貰った!!マナは,僕のこと裏切る??」
「絶対に,裏切らない!!レンくんが,だっだい…」
「だっだいきらい……??」
僕は,マナに背を向けると,マナは,慌てて僕と目線を合わせてきた。上目遣いの破壊力凄いわ……
「レンくんのこと…嫌いじゃないよ!!これからも,傍で支えたいと思ってるから!!」
「それで……いいよ!傍で,支えて欲しい!それに,僕だって一人の人間だよ…一人で,何でもかんでも抱え込めないよ…」
「わかった…傍で支えるね!今回のことも…絶対に誰にも話さないっっんぎゃーーー!!!」
マナが,悲鳴に近い声をあげた。
これには,先ほどまで,考え込んでいたマホもビックリしたみたいで,何事??という表情で,こちらを見ている。
一方のマナはというと…急に,尻尾を触られたため,可愛い猫耳がイカ耳になっている…あっ可愛い!眼も,瞳が盾細くなっている…これも可愛い!
「レンく~~ん??何…尻尾…触ってくれているのかなぁ??んぎーー!」
抗議の言葉を言ってきため,もう一回尻尾を掴む。
「レンお兄様??マナさん,調子が悪い…ようには,見えませんね??てか…マナさん??どこからそのハリセンを??」
パシン♪♪♪パシン♪♪♪
「マナ…いひぁいです…」
パシン♪♪♪
「また,しばいた!」
「もう一発いっときます??」
マナは,とてつもないお怒りの顔だ。
「いえ…もうやめてください……すみませんでした…急に,尻尾を触ったこと…許してください…」
「でも…なんで,こんな事したんですか??」
「いやぁ~マホ…結構重く考え込んでたからね…少し気を紛らわす&マナの尻尾触れる一石二鳥じゃん!」
パシン♪♪♪
「一言余計です…」
今日四発目のハリセンが,飛んできた。
僕は,マホに話しかける。
「マホ…僕は,マナに四発しばかれました…なので,質問に答えて頂きます!」
「いや…しばかれたのは,レンお兄様のせいでは…??」
「質問に答えて頂きます!」
「はっ…はい!」
マホは,諦めた表情をした。
「さっきまで,重い顔して……何,考えていた??正直に話して…」
「はい…レンお兄様が教えてくれたことと,王城の教育係から教わった内容の違いが,ありすぎて…どっちを信じたらいいのかわからなくて…」
「いや,両方信じたらダメだよ」
「えっ??」
「二代目様が,唯一残した言葉…王城で言ったよね??」
「えっと確か…『政に関わる人は,周りに居る人を信頼しても信用するな』でしたっけ??」
「そう!この言葉の意味は,政治に関わる人間は,自分の周りに居る人を信頼してもいいけど,ある程度の疑いを持って,距離を取りなさいって意味」
「何で,距離を取る必要が??信頼しているんですよね??」
「二代目様は,初代様の失敗を間近で,見てる…それに,二代目様の言ってることは,正しいよ」
「どこが??」
「マホ!情報ってどうやって手に入れる?」
「人から聞いたり…自分で調べたりです?」
「その割合は??」
「えっと…人からが六割,自分が四割だと思います」
「うん…その通りだね!でも,それは日常生活において…政治の世界では,人からが九割以上を占めるよ…自分で手に入れる情報は,一割にも満たない…しかも,その一割は,自分の周りに居る人がどんな人かという情報で…政治の内容に関する情報は,十割人から聞く情報なんだよ」
マナは,僕の言いたい事を理解したようで,混乱しているマホに変わって説明してくれることになった。
「マホ様…孤児院の子ども達のことどう思いましたか??」
マホは,僕の顔を覗き込んでいる。
「マホ!マナの問いに答えなさい!」
「はい!楽しそうに,暮らしているなぁ~と思いました!」
「では…レンくんは,初めて孤児院に来た時,子ども達のことどう思いましたか??」
「そうだね…苦しそうだと思ったよ…親が居ない苦しさを楽しいことをして紛らわそうとしている…」
「マホ様,今のレンくんとマホ様で,孤児院の最初の印象が大きく違いますよね??」
「はい…違います」
「物事は,見る人によって印象がかわりますよね??情報も同じなんです…」
「はい…マナさん?レンお兄様が言ってた,『政治の内容に関する情報は,十割人から聞く情報』とは,どう繋がるのですか?」
「ここからは,レンくんに説明して貰いましょう!!」
「はぁ~い」
バトンは,僕に帰って来た。さぁ,わかりやすく説明しないといけないな!
「一言で表すなら…『伝言ゲーム』だねぇ~したこと,あるでしょ??」
「したことあります!お題を伝えていって,最後の人まで,正しく伝わっているかのゲーム!」
「王族が,しているのはまさにそれ!今後,僕とマホがすること!つまり,僕達に伝わってくる情報は,人から人に伝言された物が来るの!その,情報の正体は??」
「その情報は,百%正しい情報ではない」
「そそ!つまり,このことが二代目様が言った
『政に関わる人は,周りに居る人を信頼しても信用するな』
の本当の意味…」
 




