表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

254/350

254. 再会

 今回、馬車五台のうち、二台目に、リーヴァンとコノハの二人が乗り、三台目に、サヨと母上、四台目に、レンとマナとマホが乗っている。


 一台目と五台目は、ダミーの意味合いが強い。


 本当は、必要が無いと思うが、スバルいわく、「何処で狙われるか解らないので、ダミーの馬車を用意する事は容認して貰います」と押されて、それに、マナも同調したのでレンも了承した。


「まさか、五台も馬車用意するとはなぁ~~流石に多すぎない?」

「仕方ないでしょ?レンくんは、国王になった訳だし、先代国王様に同調する勢力を粗方、消したとはいえ、どこに眠っているか解らないんだよ?」


 マナから、ダミーの馬車を用意する理由を説明されている。


 マナの必死さは良く伝わる程の権幕で伝えて来る。


「あと、王都の街を走る際に、街の人がお見送りすると思いますが……決して窓を開けて手を振らないでくださいね?」

「……なんで??」

「国家の最重要人物が乗っている馬車の場所を特定されるでしょうが!!」


 パシン♪♪♪


 今まで一番強い力で、ハリセンで叩かれてしまった。


「いたぁいよ……」

「レンくんは、政治家の面では王様の自覚はあるけど、身の安全面では、王様の自覚がありませんね……レンくん! 王子時代も、本当ならダミーの馬車を用意しなきゃダメだったんです!」


 マナからお説教を受けてた。


 現在は、王城から王都の街に繋がる道を通っている。


 本来なら王子時代の外遊からダミーの馬車を用意しないといけなかった事。レン自身、王国内では、次の国王の筆頭だったので、命を狙われる可能性が高い、王国にとっての重要人物だ。


 それなのに、ダミーの馬車を用意せずに経費を掛けない為に、馬車を人数分しか用意しない外遊は、かなりの危険があった事を言われ続けた。


 それは、馬車が王都に入るまで続いた。


 馬車が王都に入った所で、国民から歓声が上がった。


 本来なら、レンは、国民に向けて手を振りたい所だが、マナからの監視の目があるので遠慮している。


 マナからの説明を聞いて、レンは、思った。


 自分の命が狙われるという事は、自分の隣に居るマナの命も危うくなる事に。


 国民の生活も大事だが、マナの事も大事だ。


 マナ以外の女性と結婚する気は無いし、マナと離れたくはない。


 馬車は、王都の街を抜けてシノバンに向けて走らせていく。


「レンくん、よく我慢出来ました」

「うん」






 馬車は、王国と旧帝国で、現在は公国領となり、王国と公国の国境線に到着した。


 今回のシノバンへの訪問は、新しい国境の視察も含まれているので、国境線を伝って南部の旧帝国領から王国領になった土地に向かって進む。


 国境線の開発も急がないといけない。


 今現状のレンとスズカが仲の良い状態なら問題が無いが、代替わりをした際に両国の関係が、悪化してしまった場合を想定すると急いだほうがいい。


 国家というのは、代表が変われば国家間の関係性も変わってしまうことは容易にある。


 公国と王国だって、レンとスズカがTOPになるまでは、数百年単位で仲が悪かったのだ。


 もし、レンが押し進める政策で、反公国派の人間がTOPになれば、再び両国の仲は悪くなる。


 そういった事も含めて、シノバンで、スズカと話し合うのだ。新年早々の会談は、両国の国防に関する話し合いの為だ。


 新年なら、周辺国も活動を本格化させておらず容易に話し合いをしやすい。






 国境線を伝い、王国領になった旧帝国領に入っていく。


 シノバンへの道も、公国との国境線を伝っていく。


 王国領になってから、開発にはまだ、手を付けられていないが、海に面する南側が王国領になったのだ港の開発をすれば、外国との流通が活発になるだろう。


 移動中に、就寝時間になったので、馬車内で、寝る事にした。


 馬車を止めて、野営も考えたが、これも安全面的な理由からマナが拒否した。


 御者の人も、交代交代で移動している。






 翌日になった頃に、王国と公国の共同統治領であるシノバンに到着した。


 ここには、両国の会談の際に使用するための建物と遠征に来た際に、宿泊するための施設を既に、建設していた。


 建物の前に到着すると同時に、公国の馬車が到着した。


 レンは、馬車から降りた。


 それに続いて、他の同行者も馬車から降りて、向かいの馬車から公国の要人が降りてくるのを待っている。


「レン、久しぶりやなぁ~~マナも久しぶり」

「久しぶりやな」


 馬車から降りて来た、スズカと握手を交わす。


 以前、会った頃は、スズカが大公で、レンが首相という立ち位置なので敬語を使ったが、今は、国王と大公と同じ立ち位置なので敬語を使う必要は無い。


「久しぶりだね、デリエス。頑張っているかい?」


 スズカの隣には、公国でスズカのサポート役になっているデリエスが立っていた。


「はい、スズカ様には、非常によくして貰っています」

「頑張っていてなにより!」


 デリエスは、レンの目の前に着て握手を求めて来たので、握手をした。


 スズカの後方には、恐らくマホの顔をチラチラと見る女の子が一人。そして、レンの左隣りに立っている第一秘書官のマホもチラチラと気にしている様子だ。


「お互いの妹、可愛いな」

「そうですね」


良いなぁと思ったらブックマーク登録・☆評価お願いいたします(*´ `*)♪♪

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ