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251. お茶会

 翌日以降は、領地を持っている貴族達の挨拶が続いていた。


 正直、この挨拶に意味は無いだろうと思っている。


 領地を持っている貴族と言っても、王族が、王国内の領地を線引きして、実力のある人間を貴族という地位に任命して統治を任せている。


 長い年月が経過する事によって、王国内で貴族は、任命制度であることは、認識されているが、貴族と言う地位を剥奪出来る事は、風化してしまったのだ。


 一度、貴族に任命されたらその地位は、永久的に自分たち一族の地位となると勘違いしてしまった。






 この新年の挨拶も今年か来年限りにしようと考えている。


 レンの考える『政権を民間に政策』の前哨戦だ。


 各貴族領の領主である貴族全員から貴族の地位を剥奪し、地位の名前を『貴族』 ⇒ 『代表』に変更して貴族の地位を廃止にする。


 そして、その代表を選ぶ際には、選挙を行う。


 恐らく最初は、元々、権力を持っていた人間が、勝って代表になるだろうが、数年に一度選挙で代表が変わる事になり、権力が永久でなくなるのだ。


 これで、権力の濫用を防ぐことになることはもちろんだが、政治意欲がある国民が政治を行う事になるので、政治を出来る人材の確保に繋がると判断した。


 この施策は、遅くても二年以内に実行するつもりだ。


 今年中には、この方針を公布するつもりだ。






 正直、この貴族達の挨拶は退屈で仕方が無い。


 唯一、楽しみなのは、この後の二つの領主だけで、さっきは、『クロバ』の領主であるヒノカ=セシルと久しぶりの会話を楽しんだ。


 初めての領地経営は大変だったようだが、非常に充実した日々を過ごしているようだった。


 そして、最後の貴族家は、リーナの実家であるオノフェス家だ。


 既に、王城で働いているリーナとニックも、マックスとレックスと共に一緒に部屋に入ってきた。


「リーナ、今年も首相よろしくね?」

「そうやなぁ~~まさか、秘書官クビになって実家に戻る事になってたらお父さんと兄貴にドヤされたよ……」


 リーナとは、普段付き合いがあるので、柔らかい会話になっている。


 リーナ以外のオノフェス家の人は、タジタジしていた。


「マックスさんもレックスさんもお久しぶりです」

「レン様、新年――」

「いいよ、そんな堅苦しい挨拶はナシで!」


 これまでの貴族家に関しては、あまり興味が無かったので、ニッコリ笑顔で、適当に流していた。


 真面目に話しているのは、ヒノカとオノフェス家位だ。


「あはは、ヒノカさんと同じ顔してる」

「それは、レン様。こっちは、新年の挨拶のために色々と準備してきているんです。それが、堅苦しい挨拶無しで良いと言われれば、拍子抜けしますよ」

「あぁ~~何か、色んな貴族家が、お土産置いていったんは、そのためか」


 レンは、玉座から立ってオノフェス家が立っている所まで移動して対面した所で、リーヴァンに椅子を持って来てもらい座った。


 オノフェス家の人の分の椅子も用意して貰ったので、座るように言った。


 そして、間に机を置いておやつと紅茶を用意させた。


 マックス・レックス・ニックは、頭がフリーズしているのだろう。ここまでの動きを無言で見つめている。


 リーナは、苦笑いを我慢しながら見ている。


 準備が終ると、さっき挨拶だけ済ましたヒノカを再び部屋に招き入れて、椅子に座らせた。


 レンの左隣に、マナが座り、右隣に、マホと母上が座った。


「この荷物は、そういう意味だったんだね」

「レン様、意味が解らずに受け取ってたんですね……」

「まぁ、食べ物は全て捨てるんだけどね」

「捨てるんですか?」

「そりゃ~~毒を仕込みやすいからね。身を守るためには当然だよ。もし、食べ物を持って来たなら持って帰ってね?」


 マックスとレックスは、それぞれ領地を持っているので、それぞれお土産を用意していたようだ。


「いや、僕たちは、物をお土産で持ってきました」

「おぉ~~それは、受け取るよ」

「レン様その基準は、何ですか?」

「物は、換金できるからね~~」


 お土産で貰った物は、王家の個人資産になる。


 なら物は、換金して王家の資産にすればいいと思うのだ。


「……お菓子たべなよ」


 レンは、目の前にあるお菓子を食べて、「毒は無いよ~~」と言った。


 ヒノカとリーナが、真っ先にお菓子を食べたのを合図に皆がお菓子を食べてティータイムを過ごしていた。


「レン様、お茶会は、何の目的は?」

「ん~~君達だけには、近い将来に行う政策を伝えておこうと思って」


 正直、この二つの家に関しては、今後、潰れて欲しくない。


 他の貴族家に関しては、正直どうでもいいのだ。


 何かしらの実績はないし、各領土の運営もまともに出来ていないのだ。残しておく必要はない。


「どんなに遅くても、来年には、貴族の役職は王国内から廃止するから」

「………どういうこと!!」


 一番驚いていたのは、母上だった。


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