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241. 人事異動

「エリザ様、実家の事が大事なのは解りますが……こう言った事が、あった以上、政治家としてのレンくんが、エリザ様の実家を信じる事は、出来ないと思います」


 マナは、これ以上、レンと母上を話させるのは危険と判断した。


 喧嘩にはならないだろうが、レンのメンタルが心配になったのだ。


「エリザ様、レンくんが、トクヤ様とシオン様の一件で、精神的に限界が来てしまった事覚えてますよね?」


 母上は、あの時は、レンの事を支える事が出来なかった。


「ここは、協力してレンくんのやりたい政治を支えませんか?レンくんは、エリザ様が実家の影響力下にある事に、かなりの警戒心を持っています。だから、レンくんは、エリザ様に自分がしたい政治を言えてません」

「確かにね……レンは、私に距離を作っている。所で、首相にする予定のリーナは?」


 これは、レンが答えないといけない質問だ。


「オノフェス家は、元々、権力に興味が無い貴族家です。それに、今は、オノフェス家の家督は、息子に受け継がれたばかりなので、王政に関わっている余裕は無いですよ」


 レンは、さっきよりも冷静に答えた。


 マナストップが、本当にいい所で、発動したということだ。


「解った。私は、レンの信頼を回復する所から始めないといけないね……」


 母上は、納得してくれたみたいだ。


「レンから受け取った第二秘書官への任命書にサインして手渡してきた。


 母上が、サインしたのを確認した、マホもサインして、レンに手渡してきた。


 これで、二人のレンの秘書官就任が決定した。


「リーナ、お願いできる?」

「あぁ~~解ったよ。首相になってやるよ! レンの傀儡政権になってやる」


 何だろう、人聞きの悪い事を言っている気がするが効かない事にしよう。


 まぁ、確かに、リーナを首相にした方が、傀儡政権にしやすいという思惑があった事は、認めるが。


 それに、今回、レンが国王に就任する際に、行政権も国王が持つ形態に変更した。


 今後は、形的に、国王と首相の二人が、政治を行える実権を握るという相互監視体制の政治体形になる。まぁ、国王―首相が、元々、主人―秘書官の主従関係がそのまま移行しているのだ。


 見る人が見れば、レン国王の傀儡政権になっている事は確実にわかる。


 しかしだ。


 リーナは、レンの秘書官としては、余りにも影が薄いのだ。


 王城で働いている人間に、レンの秘書官として真っ先に名前が浮かぶのは、誰と聞いて、名前が浮かぶのは、マナなのだ。


 それほど、レンの隣にはマナが居続けて、リーナは、街の視察の仕事がメインになっていたので、レンの第2秘書官であると認識されていない。


「さぁ、今から新たな役職の任命だ……大変になるかな?」


 大変と言っても動く大臣は、主にレンが認める僅かな大臣達だ。


 自分の意思を持って、レンに仕えている大臣は、重宝したい。その大臣は、レンが間違った政策をしようとした場合は、確実に止めてくれるからだ。


 ただ、仕事で大臣をしている人間は、異動させるつもりは無い。


 異動させたらどうせ、仕事が出来なくなるのは目に見えているので、異動はさせない。


 今日の午前中に、王城に居る人間には直接異動の通知書を手渡し、王都以外に居る人間には、休養日前に郵送で送っていたので三日以内に到着するはずだ。


 そして、王城の事務員さんが、掲示板に今回の異動の全容を張り出した。






〇 解任


 ・マナ=リグレット レン国王第一秘書官

 ・サヨ=ハービット 副首相(法相は継続)


〇 新任


 ・マホ=ラインブルー レン国王第一秘書官

 ・エリザ=ラインブルー レン国王第二秘書官

 ・ニック=オノフェス 副首相 兼 副法相

 ・サヨ=ハービット 教育相

           (法相と兼任)


〇 異動


 ・リーナ=オノフェス レン国王第二秘書官 ⇒ 首相






 異動通知をサヨに渡す時は、「またですか?」という顔をされただけでなく言葉で表された。


 そう言えば、サヨは、レンが政治の実権を握ってからというもの幾度も無く異動をさせられたりしているが、完璧に仕事を完遂してくれている。


 あの時に、サヨを見出した自分の才能を恐ろしく感じていた。


 自信満々な表情になっているとマナが、ハリセンを出して表情を正すように圧力を掛けてくるので、表情には出さないようにしている。






 コン♪コン♪コン♪


「レン様、そろそろお時間です」


 コノハが、呼びに来た。


 異動通知を見て、王城の人間が一番驚いているのは、マナが、レンの第一秘書官を解任された事だろう。


 これは、見方を変えれば、レンとマナが仲たがいをしたと思われかねない。


 まぁ、これは建前で、本当は、この後にマナとの婚約を発表して『マナは、僕のだ!』と周囲に知らしめたいと思ったからだ。


 王国では、王族が婚約した際は、通信機を使って国民に婚約を報告する事になっている。


 レンとマナは、二人で更衣室に入った。


 コノハは、「どうせ二人一緒に着替えるんでしょ?」と軽口を叩いていた。更衣室には、丁寧に二人分に衣装が用意されていたので、着替える。


「どう、きれい?」


 白いドレスを着たマナ。


 本当に可愛い。


「綺麗だよ」

「今日の私の下着の色は?」


 何て、質問してきやがる……


「えっと……ピンク色です」


 この質問は、正直辛いものはある……


「エッチ……」



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