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237. バイキング

「おはよ~~」


 三日間の休養日が明けて、今日からお仕事が再開だ。


 休養日一日目に、晴れて恋人同士になった、レンとマナは、一緒に寝ていた。


 昨晩、寝る前に、「自分の部屋で寝たら?」と提案したレンだったが、速攻でマナに拒否されたのだ。


 マナいわく、「お仕事始まったら、レンくんとイチャイチャ出来るのは、夜だけだから」との事らしいが……レンが、その場で、ツッコミのチョップをお見舞いしたのは、言うまでもない。


 言い方が悪い……言い方が!


 もしかしたら、マナもレンの事を受け入れる覚悟で、言っていた……いや、あの天然猫耳女の子は、無自覚に言っているに違いない。


 何度、無自覚発言に、悶えさせられた事か……


 休養日期間もそうだったが、生活リズムは、凄いもので、いつも通りの時間に起きて、今日から仕事再開の日なので、マナの起きる時間の十分前まで、軽く書類仕事をしていた。


 マナの寝顔は、起きる前の数十分が可愛い。


 三日間の休養日に、気が付いたことだ。


 初日に、マナが起きる前に仕事をしていたら怒られたので、二日目・三日目は、ベットの横に椅子を持って来て、寝顔を堪能していた。


 確か、二日目か三日目に、寝起き尻尾鷲掴みドッキリは、別の意味でも可愛い顔を見れたので良かったとしよう。


「可愛いなぁ~~」


 起きる時間が来て、起きないといけないと思う心と、まだ寝続けたいと思う心がせめぎ合っている顔が、本当に可愛い。


 昨日、食堂を後にする際に、コノハに、「今後は、朝、起こしに行きません」と断言されてしまった。


 理由を尋ねると、「マナちゃんと事後のまま寝ていたら気まずいので……」と直球的に言われた。まぁ、コノハは、入れ替わりで、食堂に来たサユリさんに、「事後を片付けるのも、メイドの仕事だからね?」と注意を受けて借りて来た猫のようになっていたのは、面白かった。


 まぁ、コノハが起こしに来る時間には、既に、起きているので、「仕事のやりがいがない」と漏らしていた。


「おはよ~~」

「ふ、ふぁ~~おはよぉ~~レンくん……」


 まだ、休養日気分が残っているのだろう。


 少しばかり、寝ぼけている。


「マナ、今日からお仕事だね」

「……そうだね」


 態度には出ないが、大分、眠気が冷めたようだ。


「じゃ、着替えようか……多分、十五分後位に、コノハが、起こしに来るよ」

「うん」


 抵抗しても意味が無いので、マナと一緒に着替える。


 マナ本人が、嫌がっていないので、ちょっとばかし下着姿を拝見する。マジマジと見るのは、流石に悪いし、心証を悪くしてしまうだろうからやめておく。


 コン♪コン♪コン♪


「マナ様に……ついでに、レン様、朝です」

「おいコラ! 主人をついで扱いはどういうことだ!」


 二人が、着替え終えたタイミングで、コノハが起こしに?それともバカにしに来た。


「どうせ、レン様なら起きているでしょ?」

「寝ぼけている可能性だってあるじゃん!」

「どうせ、レン様なら二時間ほど前に起きて、意識は、完全に覚醒させて、マナ様の寝顔でもたらふく眺めていたんでしょ?」


 コノハは、何か、喧嘩腰だ。


 マナは、何か虫を見る目で、レンの事を見ている。


「半分不正解だ、コノハ! 起きて、一時間半程は、お仕事していたので、真面目な国王です! まぁ、残りの時間は、マナの寝顔を見ていましたが……」


 これで、マナの機嫌は、取れたと思ったが……何故か、ジト目で見ていた。


「まぁ、朝食のお時間です。今日から、朝食は、バイキング方式に変更だそうです」


 昨日か、一昨日に、運営を一任してから早速、運営方式を変更したようだ。


「マナ、楽しみだし、食堂にいこ!」

「……うん」


 コノハは、既に、朝食を食べ終えていた。


 本当に、メイドの朝は、本当に早いようだ。恐らくは、レンと同じ時間に起きて、食堂が空いた時間と同時に食べに行っているみたいだ。


 レンも起きた時間に、朝食を食べに行けばいいと思うが、レンが、朝一番に食堂に行くと、これまでレンより早く起きていた人の起床時間も前倒しになる。

 だから、起きても、二時間程は、お手洗いに行く以外、部屋で仕事していたのだ。






 食堂に入ると、中央のテーブルが、壁際に移動されていた。


 そして、中央に、サンドイッチ数種類に、スクランブルエッグ等々が並んでいて、好きな物を取っていく、ご飯が、並んでいる横に、ヨーグルトもあった。


 何とも、気が利く!


 毎朝のヨーグルトは、欠かせないのだ。


 これは、ある種の国王特権かの~~


「おはよ~~レン」


 王城内で、レンにタメ口を言える人間は、ほとんどいない。しかも、同年代と限ると、数は限られる。


「……バカが、帰ってきたな」

「……確かに、バカが帰って来たみたいですね」

「ひどい、二人して私を馬鹿と言うなんて……こりゃ、くっつくまで、時間は早々かからんねぇ~~」


 この三日間、王城に居た人間なら二人が、婚約した事は知っているはずだが、知らない。


 三日間の休養日は、実家に帰っていたリーナだ。


「……あれ? レンにマナ? どうしたん、その顔は? 何か、面白い物見る目で……」

「「僕(私)たち、婚約したよ??」」


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