235. 容赦ない
「ねぇ、コノハ……リーヴァンの事どう思ってるの?」
レンは、コノハとリーヴァンが、一緒にご飯を食べていた所に移動して開口一番、コノハに聞いた。
「レ、レン様~~?いきなり何を聞いているんですか??」
リーヴァンは、想い人の近くで、自分の事をどう思っているかを聞かれて慌てふためている。
「リーヴァンですか? ん~~無茶苦茶なご主人様を持った同士ですかね?」
「おいコラ! その、無茶苦茶なご主人様は、誰の事じゃい!」
「もちろん、レン様ですけど?」
コノハとリーヴァンは、レンと共に過ごして十年近くなっている。
レンにとっても王城の中で、マナとマホの他に、歳が近くて心許せる二人だ。
「んまぁ~~恋愛的な意味ではどう?」
「……有りか無しかで言うなら……有りだと思いますよ。リーヴァンは、私の事、性的な目で見て来なかった……こんなのは、レン様とリーヴァンだけですよ」
コノハは、マナに劣らず容姿端麗であり、胸も大きい方だ(マナには、負けるが……)。
「今、良からぬことを考えましたね?」
「いやぁ~~何のことやら~~?」
コノハとは、五歳の頃からの付き合いなので、彼女と共に、大人になっていたので、コノハをそういう目線で見た事は無かった。
それは、リーヴァンも同じと言いたい所だが、リーヴァンの場合は必死に我慢していたのだろうか。
男と言う者は、好きになった女の子とは、色々考えてしまう。
女の子特有の膨らみを持った箇所を見てしまう事もある。
実際に、レンもそうだった。
マナの胸や、お尻を見てしまうこともあったし、意識してしまう。
男の子は、そう言った視線を好きな子に、向けてしまうものだが、それを勘図かれてはいけない。
リーヴァンは、コノハの事を想い続けて来た中で、その目線をコノハに感じ取らせなかっただけで、どれだけコノハの事を想っていた強さは解る。
「まぁ、コノハ」
「はい?」
「これから、少しだけでも、恋愛対象として見てあげてよ……リーヴァンの事……僕は、二人の事お似合いだと思うよ? 二人と十年近く一緒に居た人間が保証する」
「いやぁ~~まぁ~~、リーヴァンになら……抱かれても良いと思うので、考える余地はありますね……リーヴァン、この後、予定は?」
「……無いけど?」
「じゃ、二人で、王城内で遊ぼうか?」
「うん!」
人が、人を好きになる基準の中に、『この人になら抱かれてもいい(抱きたい)』という基準は、少なからず存在するだろう。
女性としては、男からそう言った視線を送られ続けると警戒すると言う。
レンの婚約者であるマナもコノハも二人とも、容姿端麗なのだ。胸も平均以上に大きいし、お尻も張っている。
マナは、レンの隣で、仕事をする際は、動きやすさ重視で、ズボンを履いていたので、お尻のラインも出ていた。
だが、常に、王国内一の圧力を持つレンが隣に居るんだ。
下手に、性的な視線を送ったり、権力を盾に、Hに持ち込もうとは出来なかった。
恐らくは、同じ視線を、コノハも受け続けてきたのだろう。
メイドなので、基本、スカートだが胸の大きさは強調されていしまう。掃除業務などの際は、ズボンに履き替えているので、その際に、そういった視線を向けられていたのだろう。
これまで、コノハにそう言った被害が無かったのは、本人の身持ちの堅さもあるが、やはり、レンの側近だという事もいい意味で、影響しただろう。
まぁ、公国でスズカが、実権を握った経緯を知った貴族連中は、格段に大人しくなった。
表向きは、スズカが、自分の兄二人と父親の行いに、激怒して行ったとされている。
だが、レンの公国への訪問日程を照合すると、裏で、レンが手を引いていた事は、誰でも解る事実だ。
王国内で、やらかせば、問答無用で、レンに殺される。
特に、権力を持つものが、権力を持たない者への圧力を行えばレンに、問答無用に殺される。
最近は、権力に執着してレンを排除しようとした、貴族連中を問答無用に全員殺した。そして、それに味方した、自分の父親と弟も自らの手で殺した。
自分に歯向かう権力者には、容赦がない。
意見をすると歯向かうは、全く別物と捉えている。
レンにとっての歯向かうは、権力の蜜を吸い続けるために、レンを排斥しようとする者のことだ。国民の生活が良くなるための意見をしてくる人の意見には、耳を傾けている。
だから、国民に人気が高い。
「よし、二人とも、今からデートしてきなよ! もし、お付き合いするってなったら教えてね?」
「「何でですか??」」
息がピッタリなツッコミをしてきた二人。
もう既に、お似合いな雰囲気を醸し出している。
「だって、ダブルデートみたいなん出来そうやん!」
「レン様……らしいちゃ、らしいですね……」
コノハからは、「相変わらず、うつけ者……」と言った視線を送っている。
「うつけ者」という言葉を発していないので、怒るに怒れない。
「レンくん、あまり、二人の邪魔をしないの! 二人が、デートすることになったのは、レンくんの手柄だけど……」
「……ねぇ、褒めてる?貶してるよね?」
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