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233. 食堂

 防音室では、午前中丸々話していた。


 朝食からある程度の時間が経過していたのと、勉強で、栄養を使いに使ったので、お腹がご飯をご所望する声が上がる。


 しかも、三人同時に。


 偶然だろうが、タイミングが良すぎる事もあり、三人して爆笑した。


「お腹鳴るなら防音室の中が良かったよ~~恥ずかしい」

「ほんとにね……レンくん、変な事想像してないいね?」


 何だか理不尽に、責められている気がするが……まぁ、婚約者と妹の手前、大人しくしている訳でなく……少しばかり反撃はしておく。


 ハリセン攻撃を食らわないためにも。


「変な事って……何を想像したのかなぁ~~マナ?」

「うぐっ!」


 まさか、反撃されるとは思わなかったようで、マナの表情は引きつった。


 さぁ、ここからどう口撃しようか。


 これまで、マナとの話し合いは、全戦全敗のレン。何とかして、一勝勝ち取りたい所だ。


「僕はねぇ~~お昼ご飯は、何かなぁ~~と考えてたけど、マナは、変な事考えてたの~~? あ、もしかして――」

「――これ以上、言ったら解ってる??」


 でた。マナの必殺奥義のハリセンを手に持っている。


 相変わらず、何処から取り出したんだと思う程、毎回、絶妙なタイミングでハリセンを取り出しているのだから。


 そして、これまで全戦全敗の理由は、負けそうになったタイミングで、ハリセンと言う物的攻撃をちらつかせて来るのだ。


 話し合いにおいて、物的攻撃は、反則だが……マナならいいかぁと許してしまう。


 惚れた弱みだ。


「あの~~マナさん? 話し合いに、物的攻撃をちらつかせるのは……?」

「何か悪い?」


 さも、レンとの話し合いなら、物的攻撃(ハリセン)は、有りだと言わんばかりにだ。


(理不尽だぁーー!)


 心の中で、そう叫んだ。


「……なんでもありません」


 先程の覚悟は、虚しくも消えて、今回の話し合いもレンの負けになった。


 連敗記録は、一勝出来ないまま、今現在も続くことが確定した。


「婚約しても相変わらずですね、レン兄さんとマナ姉さん。少し安心しました。関係が変わった時に、関わり方も変わる事もあるって、コノハに聞いたので」

「コノハの奴……今度、倍の仕事振ってやろうか……」


 妹に、何、いらん事吹き込んでくれてんだ。


「レンくん……シスコン気質あるよね?」

「まぁ~~唯一の同じ血を引いていて、同じ立ち位置に居るからね。少なからず、特別な感情はあるね。勿論、恋愛感情とは別だよ?」

「そこは、心配してないよ? 何となく、私とレンくんは、似ている気がしてさ……これは、今夜、話すね?これは、私が、レンくんと一緒に居て、レンくんとの子どもが欲しくって……レンくんと家族に成りたい理由」

「まぁ、楽しみにしてるよ」


 後ろからは、「連れないなぁ~~」という文句の声が聞こえてくるが、その声は、無視して昼食を取りに、食堂に向かう。


 休養日三日目のお昼になると、帰省から帰って来た王城職員や官僚もちらほら見られる。夜になれば、もっと食堂の利用人数は、増えるだろう。


 三人は、各々注文を終えた。


「ねぇ、おばちゃん」

「……王子、配置転換のお話は――」

「――違う、違う! おばちゃん的には、食堂の運営は、今まで通りの注文式かバイキング形式……どっちが、働きやすい?」


 レンが気になったのは、働き方だ。


「ん~~どっちもどっちなんですよ。利用人数が、多い時は、バイキング形式が、最適ですし……少ない時は、注文形式の方が、最適ですね」

「じゃ、そこら辺の裁量は、任せるよ」

「いいんですか!」


 食堂のおばちゃんは、目を輝かせている。


 これまでも、バイキング形式にしたいならして貰っても構わなかった。


 だが、何故か、こう言った事まで、王家の人間に決定権があったのだから不思議なものだ。


政治の舞台は、政治の専門家である王家の人間に、決定権があっても良いと思うが、食堂の運営に関しては、政治の専門家からしたら専門外の分野だ。


「今後は、食堂の運営は、任せるよ。いちいち、僕に許可取るの面倒だろ?」

「それは、有難い話ですが……」

「……というか、食堂の管理までするのは、面倒くさい……」


 バシッ!!


「いたぁいなぁ~~マナ……」

「レンくん……いくら、本音でも言ったらダメな事あるよ?」

「うぅ~~ごめんなさい……」


 確かに、本音だとしても言ってはいけなかった気がする。


「うふふ……王子とマナ様は、良いコンビですね。 マナ様、安心してください。王子の性格は、幼少期から知っている人間からしたら慣れています」

「そうなんですか?」

「……突然、突拍子もないことをやりだすのに、王城の人間は、どれだけ振り回された事か……これ位、何ともないですね!」


 おばちゃんは、胸を張っている。


 十歳の頃から始めた、街散歩もそうだったが、今思うと、幼少期から好奇心を注ぐものに、猪突猛進的に楽しんでいた。


 まぁ、それでよく母上に、バチクソに怒られたのだが……


 おばちゃんと話していると注文していた三人の昼食が、完成したので、ご飯を受け取って、食堂の席に移動する。


 すると、仲良く二人でご飯を食べている二人を発見した。


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