23. うつけの妹の考え!!
一応…僕は,現国王の基で見習いとして働いている。
まぁ,裁判で人を裁いたりしている時点で,もう見習いの域を超えている気がするが……
一応…見習いだ…
見習い仕事として,父上に振られた仕事は,今年の各貴族領から治めてもらう税を決める仕事を任された。
王国の,税制は少し…かなり…複雑だ…お金を治める税金に…農作物を治める年貢の二種類がある。
この税制は,建国当時から続いている税制だ。建国当時は,金銭の流通が少ない時代だったため,商業地帯と農業地帯で平等に税を治めれるように定められた税制だ。
ただ…今では,物の取引は,金銭での取引が主になっている。
僕は,執務室で税金に関する報告書をまとめている。
執務室には,父上もいるが…裁判以来少し気まずい状態になっている…
「父上…お仕事どうですか?」
「まぁ…そつなくこなしてるぞ…」
「そうですか…母上は,どうされてますか?」
「エリザは,部屋で寝込んでいるよ……」
「部屋は…何処の部屋ですか…?」
母上は,裁判で身分が王族から奴隷に落ちた…以前までは,入れた王城内の部屋にも立ち入りが禁止になったのだ。
「エリゼは,王城の敷地内の外れにある部屋で,寝ている…」
「しっかり…判決内容…履行しているんですね…婚姻関係は解消しないんですね…」
「あぁ…愛した女だからな…」
「まぁ…愛…どうこうは,知りませんが…婚姻関係を継続しているのは賢明な判断だと思います!」
母上は,王城敷地内の外れの部屋に居るのか…今度,会いに行ってみるか…
僕は,任されていた税に関する書類…僕の暗殺を企んだココノエ子爵家に関する書類…その上にいる貴族家の所在をまとめた書類を父上に提出する。
「父上…頼まれていた仕事の書類とそれに関する事件をまとめた書類になります!確認お願いします!」
「わかった…」
「しっかり!読んでくださいよ??まさかとは…思いますが…適当に判を押すだけなんてしないでくださいね??」
父上に,クギを刺した。短期間ながら…父上の業務を観察していて思ったのは書類をしっかり読まないなぁと思った。
悪知恵が,働く人間は書類の細かい部分に,自分が得するような文言を入れてきたりする…
そして,公的な文書はサインをしてしまえば,その時点で効力を発揮してしまう。例え,国家にとって害をなす条項だろうと…
そして,父上はそういったミスを何度も繰り返していた…
今の所,王国の民が苦しむという悲劇は起きていないが…心配ではある部分だ…
「レンお兄様…少し,いいですか??」
「ん??マホ…どうしたの??」
「少し…お話いいですか??」
「いいよ!」
妹のマホに,声を掛けられ王城内の応接間に入り扉の前に使用中の札を掛けて入る。
「それで…マホ…なんの用かな?わざわざ…応接間の使用申請出してたみたいだし…」
「やっぱり…レンお兄様は感じ取りますよね…シオンお兄様は,私に呼ばれたら疑いもせずホイホイ着いてきますけどね…」
「ところで,何の用かな?そろそろ要件聞こうかな?」
「はい・・・レンお兄様は、何をしたいんですか?」
「何をとは?」
「父上と母上にあのような仕打ち・・・何故そんな事を??」
「民のため!民のための政治をするため!そのためには、必要なことだから」
「何が,必要なんですか??」
「政に関わる人は,周りに居る人を信頼しても信用するな」
「その…言葉は…」
「そう!二代目国王のお言葉…僕たちのご先祖様のお言葉…言葉の由来は,習った??」
「うんうん…習ってない…」
「王族の歴史は??」
「あんまり…習ってない…」
「ほら…他人から教わる知識は,その人の思考・思想が大きく影響するからね…」
「レンお兄様…先ほどの言葉の由来教えて貰えますか?」
僕は,まずクイズをだす。
「問題です!王国内の戸籍謄本で僕たち王族の直系のご先祖様は,何処から続いているでしょうか??」
「それは,初代国王様からスタートしているでしょ?」
「残念!それは,大間違い!…………正解は,二代目国王様が直系のご先祖様…初代国王様とは戸籍・血のどれをとっても繋がりはありません!」
マホは,かなり動揺しているみたいだ…恐らくこのことを知っている王族は,僕とマホだけだろう…
「えっ?!嘘?!本当なんですか??」
「ほんとーだよ!疑うなら王城にある,書庫で知らべなよ…」
「そんなこと…教育係の人は教えてくれなかった…」
「多分このことは,僕たちの世代の大分前の世代…父上よりも前の世代の人間が…自分達に都合がいいように捏造したんだろうね…」
「それで…何でそうなったの?」
「この話は,ここでは出来ないね…場所変えようか…」
「わかった」
僕とマホは,応接間を出た。
「マホ!服着替えてきて!コノハに持って行かせるやつに!」
「わかった!」




