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22. うつけの身分制度講座!

 ココノエ子爵家での一件を終え,他の貴族領の訪問も計画通りに終え王都へ帰っている。


 ココノエ子爵領に関しては,王都から一時的に代理統治する者が到着した後に,ハクバの街を出てマナとコノハと合流した。


 リーヴァンは,僕が合流した際に,「人使い荒いなぁ~」という抗議の目線を送って,リーナ組に戻った。


 帰りの馬車の中で,マナとコノハにココノエ子爵領に関してのお話が振られる。


「レンくん…?ココノエ子爵領に関してなんだけど??」

「うん…どうしたの?」


 僕の隣の席に座っているマナが,首を傾けて尋ねてきた…あぁ,可愛い!!


「貴族家の身分が,平民ってどういうこと?」

「マナ?王国にある身分は?」

「えっと…()()()()()()()()()()()でしょ??」

「外れ!罰として,耳お触りの刑だぁ~!」

「えっ?!聞いてないよ!?キャッ!!」

「言ってないもん!」


 僕が,マナの耳を触っていると…


 コノハは,何処から取り出したのかハリセンを持っている…


「あの~コノハさん?そのハリセンで,何をするおつもりでしょうか?」

「ずっっっと…言おうと思っていたんですが…レン様…マナさんとイチャつくなら私が居ない所で,イチャついてくれませんか…?」

「でも…マナ可愛くない??」


 パシン!!


 コノハに芝かれた…


「レン様…マナさんの問いに答えてあげてください!」

「マナ!答え言うね!」

「うん!」


 マナは,尻尾を振って答えを待っている。


「正解は,()()()()()()()()です!貴族って身分は無いんだよ!」

「えっ??そうなの??」


 マナは,キョトンとしている。


 僕に,秘書官に任命されるまでは,孤児院で過ごしていたマナが,この認識だということは,国民の中での認識は,王族・貴族・平民・奴隷の身分制度なんだろう…


「そう!王国法で,貴族は『国家運営において必要な人材を貴族として任命』ってあるでしょ!!」

「うん…コノハに教えて貰った!」

「王国において…貴族は()()()()()()()なんだよ!」

「任命ってことは…!」

「そう!貴族に()()()()()()()()()()()()()()()なんだよ!それが,長年の年月が経つにつれて…法律にない『貴族』っていう身分が出来上がっているんだよね…それは,王族の責任でもあるんだけどね…」

「じゃ,何で『貴族』っていう曖昧なものが,法律にあるの?」

()()()()()()()()だよ…!」

「初代国王様…」


 王国において,初代国王様は全国民の()()()()()となっている。初代国王様の誕生日は,国家の祝日となっているのだ。


「ラインブルー王国は,()()()()()でしょ?初代国王様が,王国内を統一するまでは,どの民族がこの国を支配するかで内戦が続いて大量の血が流れたんだよ…」

「そうですね…レン様…その中,初代国王様は,これ以上血が流れないようにそれぞれの民族の長に交渉して『多種族で協力していい国を作ろう』という理想を掲げました!」


 そこからは,僕による王国の身分制度の講座となった。


「王族という身分は,内戦終結後に国を治める体制と代表者を決める際に王制と初代国王様が即位する事が,決まり王族という身分が出来た」


 どうやら,ここはコノハから教わったみたいで納得の表情をしている。


「次は,平民に関して…初代国王様は,王族という身分が出来たことで,身分差別が起こることを危惧したんだよ…!そこで…王族は,()()()()…平民は,()()()()…役割を分けたんだよ!ここまで,理解出来た??」

「うん!大丈夫!」


 マナは,一生懸命理解しようとしている。手元のノートには,メモがびっしりだ。


「じゃ,何で,『貴族』という単語が出てきたかと言うと…平民が,地方を治めていく上での代表者として『貴族』が出来たんだよ!マナ!答えてみて!マナなら答えられると思う!」


 マナは,一生懸命考えて言葉にしてくれる。


「えっと…ラインブルー王国内において,『貴族』とは()()ではなく…地方自治の代表者…つまりは,()()()ということ!!」

「正解!!マナ偉いね!!」


 僕は,正解したご褒美にマナの頭を撫でた。


 すると…


 パシン!!!!


 コノハが,ハリセンでしばいてきた…


「いったぁ~い!!」

「だから…私の前でイチャつくなとあれほど…」


 更に,ハリセンを振りかぶるコノハに…


「わかったから!暴力反対!」


 そして,奴隷についての身分を説明する。


「奴隷は,簡単!王族または,貴族に任命された平民が権力に溺れた際に,溺れた本人は極刑…その家族は身分を奴隷に落として,国民のために働かすんだよ!」


 身分制度に関する講義をしていると馬車は,王都に到着した。


 王城に入ると,僕はコノハに自室に連れ込まれた…


「レン様…む・だ・ん外出に関する始末書書いてもらいます!!」

「えぇ~嫌だぁ~」


 コノハは,僕にとって死活問題の事を言ってくる…


「始末書を書き終えるまで…マナさんに会うの禁止です!」


 そう言われた,レンはこれまでに見たこともない勢いで始末書を書き上げたとさ……


「その,勢いを公務でも発揮してくれよ…」


 コノハは,嘆いたとさ…


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