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218. 出世

 パシン♪


 安定のマナからのハリセン攻撃を受けた。


 やっぱり、マナは、ハリセンを扱のが上手い気がする。まぁ、ハリセンの扱いに上手い・下手があるのかは、知らないが。


 ん、待てよ?


 確か、マナが持っていた、ハリセンは、隠していたはず……


 もしかして……


 レンは、慌てて、隠していた場所を確認した。


 うん。


 ハリセンはあった。


「へぇ~~そこに、隠していたんだぁ~~??」


 後ろから、物凄い雰囲気を感じる。


 3、2、1……


 シュパン!


 マナが、勢いよくハリセンを振り下ろしてきたので、間一髪の所で避ける。


「何で、避けるのよ!」

「だって、叩かれようとしているんだから避けるでしょ?」


 悔しそうにしているマナの顔が可愛い。


「……尻尾触るなら、許可取って。何回も言っているじゃない?」

「だって、無許可で触った方が、可愛い反応見せてくれるから嬉しいんだもん。許可取って触ると……そんな、反応見せてくれないし?」


パシン♪


 再度、頭を叩かれた。


「だって……」


 パシン♪


「だって……」


 パシン♪


「あの……叩く……」


 パシン♪


「叩くの止めて貰えませんかね?」

「レンくん……言うことわ?」


 マナからとてつもない恐怖の目線を向けられる。


 マナが求めている事は、はっきり解る。


 無許可で、尻尾を触った事 & ハリセンを隠した(予備のハリセンがあるなんて聞いてない)ことへの「ごめんなさい」だ。


 口答えを許さないと言った表情で、睨みつけている。


 そんな、顔も可愛いんだけど。


 そろそろ、謝っておこう。流石に、遊び過ぎた。


「……ごめんなさい」

「何を?」

「イタズラしてごめんなさい」

「……よし」


 何とかゆるして頂けたようで、マナはハリセンをしまってベットの横に腰かけた。レンも隣に腰掛けてマナの手を握る。


「……尻尾触るなら、許可取って! 何回も言ってんじゃん!」


 マナは、頬を膨らませて怒っていますアピールをしている。


この表情可愛すぎませんか?周りに、「プクー!」という表現が見える。


「……許可取ったら、マナの乱れた声、聴けないじゃん?」

「それが、目的か!」


 男なら誰しも、パートナーが完璧なら少しでも乱したいと思うだろう。


 マナは、弱点(しっぽ)がはっきりしているので、そこを攻めれば乱れてくれる。ただ、その後の反撃が、少々痛い事を除けばだけど……


「……そんなに、乱れた私を見たいの?」

「だって、可愛いし?」


 マナは、誰が見てもわかる位に、頬を赤くしていた。レンの脇腹をグーの手で、ポン、ポン、と叩いている。いわゆる、照れ隠しだ。


「もう……でも、好きな人の前では、可愛い姿でいたいの……乱れた姿は、恥ずかしい……」

「それも可愛いじゃん!」


 自信満々に言いのける、レンに、マナの頬は、真っ赤に染めあがった。


 またも、照れ隠しの脇腹、ポン、ポンが始まった。


「なぁ~~に?マナ、脇腹ポン、ポンしてさぁ~~?」

「……うっさい」


 昨日、恋人になったばかりだが、マナの初めてな姿を沢山見る事が出来ている。


 照れが、ピークを過ぎると、少しばかり口調が悪くなる。


「じゃ、おはようのキスする?」

「……する」


 マナは、瞼を閉じて受け入れる姿勢を見せた。


 それを確認すると、キスをした。


 一瞬では無く、数秒間、しっかりと口づけをした。


 唇を離した。


「おはよ~~」

「うん、おはよ!」

「朝食でも、取りに行こうか!」


 部屋を出て、自然と手を繋ぐ。


 今日も休養日で王城内の人は少ないので、部屋以外でもイチャつける。これが、休養日を終えると部屋でしかイチャイチャ出来なくなるんだろうけど……


 食堂に入ると、おばちゃんから挨拶とその後に、温かい目線を送られた。


 それもそうだ。


 レンとマナは、自然と手を繋いだが、繋いだ手は恋人繋ぎだった。


「あらら~~お二人さん、ついに、私たちの目の前で、堂々とイチャつきだしてぇ~~??」

「おばちゃん、うるさい! てか、おばちゃん、休んでる?昨日も居たよね?」

「大丈夫!大丈夫!私は、休養日明けに、三日間お休み貰うから」


 同時に、手で、レンとマナを招いているが解ったので、近くに行って耳を貸す。


「だって、皆が休むタイミングで、休んだらバカンスも同僚と鉢合わせる可能性高くなるやん? それに、王城勤務の人間が、一気にお休みを取るんだよ? 一般国民からしたら、稼ぎ時じゃん? 観光業界は、値上げするでしょ? だったら、バカンスに行くなら、時期ずらした方が、安く行けると言ったもんじゃん!」


 このおばちゃん。良い目線持っているんじゃん!


「ねぇ、おばちゃん。お給与上がるお仕事に興味はある?」


 おばちゃんは、頭をキョとんとしている。


 おばちゃんは、お金の使い方が尋常ではない程上手い気がする。


 それに、今回の休養日に働いているのも、特別手当が出るのが、目的だと思ったが、そうでは無かった。バカンスの為に、業界の相場を計算してあえて、バカンスの時期をずらした。


「財務省で働きませんか? いわゆる出世と言った所ですね?」



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