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194. 白米

本日より更新再開いたしますm(_ _)m

「あ、イタぁぁ!」


 レンは、マナに手刀を炸裂させた。レンの事を信頼しているにしても、色々とふっとばし過ぎだ。


「何、するの?レンくん!」

「少しは、警戒をしろ!警戒を!」

「別に、レンくんなら――」


 おっと、いけない。また、同じ流れに足を突っ込む所だった。


「――だから、思っていても口に出すな!」

「むぅ~~」


 マナは、何か納得していない様子だった。何だろうか、そこまでしてレンに、何を伝えたいのか。まぁ、信頼かつ信用されている事は、解る。

 マナは、本当に信用している人間にしか、そう言う事を言わない人だってのは、一番近くに居た、レンがよく解っている。


「「ぐぅ~~~~」」


 部屋に、二人のお腹が、「「腹減った。ご飯を食べろ!」」という警告音が、部屋中に響いた。こんなにもベストタイミングで鳴るものかぁ?と呆気にとられているが、空腹には勝てない。


「……ご飯、食べに行こうか」

「うん」


 二人は、頬を真っ赤にしながら、部屋を出た。


 部屋を出た途端に、マナの方から手を握って来た。


 突然の出来事に、ビックリする。振り解こうにも、それを感じ取ったマナは、握っている手の力を強めた。「絶対に離さない」という意思が込められている。


 レンも、マナにそう言われると、大人しく手を繋がれて置くことにした。流石に、抵抗しないといけない場面なら全力で抵抗するが、手を繋ぐ程度は……問題ない。

 王城内では、既に、レンとマナが交際している噂が流れている。この姿を見られたら尚更、噂が真実に近くなってしまうが……まぁ、いいだろう。


 食堂に入る。


 やはり、三日間の休養日の初日だからだろう。王城に寝泊まりして働いている独身の官僚は、これを機に実家に帰省。家庭を持っている官僚は、家族サービスに励んでいるのだろう。食堂は、通常の十分の一程度の人しか利用していない。


「おばちゃん! 今日のオススメなに?」

「あら、王子! あっいや、もう国王様だから陛下かな!」

「いやぁ~~子どもが出来るまでは、王子呼びでいいですよ? ぶっちゃけ、国王呼びは、苦手なんですよ……」

「まぁ、でも、子どもが出来るのは、時間の問題じゃない?」


 言い返そうにも、言い返せない。マナと手を握り合っているこの状況。ただでさえ、恋人関係だと思われているのだ。目の前で、手を握り合っているとなるの、更に、関係が深まったと思われていそうだ。


 何だか、外堀をどんどん埋められていそうだ。


 食堂のおばちゃんが、用意してくれた朝食は、サンドイッチだった。流石に、トレイを運ぶ時には、両手がいるので、手は離した。


 何時もは、向かい合って座るのだ。しかし、今日は、隣りに座って来た。何だか企んでいる様子だ。


 トレイを机に置くとマナは、レンのお皿の上に置いてあるサンドイッチを一つ取った。


「おい!自分のお皿からとれよ!」

「はい、あぁ~~ん」


 抗議の声を上げるが、マナの狙いは、食べさせることにあるようだ。何だか、デート当日だからかぁ、彼女ムーブをかましている。


 食べさせて貰うべきか悩んでいると、マナは、「早く食べろ!」催促の意味で、「あぁ~~ん」を繰り返してきた。

 現在は、数少ない食堂の利用者ならび、食堂のおばちゃんは、白米片手に眺めていそうだ……


 このままでは、羞恥心が持たないと判断して、素直にマナから食べさせて貰う。マナの手からサンドイッチを食べると、マナは、嬉しそうな表情になった。

 この表情を見れるなら、食べさせて貰うのもアリかなと思えなくもない。


「レンくん。私も!」


 次は、マナが大きな口を開いた。「自分も食べさせて!」と可愛い顔でおねだりしている。周りも、何やら期待している表情だ。


 ここで、おどおどしているなら男じゃないという雰囲気だった。


 レンは、マナのお皿からサンドイッチを一切れ取る。


 よくよく見れば、通常の大きさよりも小さい気がする。通常なら大きな口でも二口は使うのに、今回は、一口サイズだ。

 さっき食べさせて貰う時も、誤ってマナの手を食べてしまわないように気を使った程だ。もしかして、食堂のおばちゃんとマナ……グル?


 一つの疑念を覚えながらも、レンはマナのお口にサンドイッチを持って行く。すると、テンション高めにパクっとサンドイッチを食べた。

 勢いよく食らいついたので、レンの指の先は、マナの口の中に入ってしまった。


「あわわ~~ごめんねぇ?今直ぐ、拭くね?」


 マナは、近くにあったお手拭きでレンの指を拭いてあげた。拭きながら何度も「ごめんね?」と謝っていた。何だか、調子に乗り過ぎてお母さんに怒られた子どもみたいで少々可愛いと思ってしまった。


「全然、気にしてないから。少なくとも嫌ではないから」


 レンは、そう言いながらマナの頭を撫でた。無意識にそうしてしまったのだ。しかし、マナは嬉しそうな表情になっていた。


「もっと撫でて!」


 マナは、余程、嬉しいのか表情がトロけきっている。「ニャハハ~~」と意味が解らない言葉を発している。


 そして、周りからは、「お熱いね~~」という目線を感じだした。そして、白米がどんどん進んでいるようだ。



新年初更新です!


今年もよろしくお願いいたします(>人<;)


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